バン、カントリーマン、トラベラー、ピックアップ、もちろんミニの話、長物である。
筆者はサルーン・ミニの初代Mk1からの大ファン、ファナティックであることを隠しはしない!ってバレバレだけど。そんな幼少期から親しんできたミニではあるが、中でも前出の長物ラインアップはもうこよなく好きで、これらを見ているだけで“あ~ったまらん!!と鼻血が出そう・・って変態か!? それ程に長物愛が凄まじいのだが、未だに自分の手にしたことはないのだ、あー悲しい。




これらの長物がどう良いのかを説明するつもりはない、だってどうしてかなんて本人にもわからない、そう“惚れてしまえばアバタもエクボ”ただすきなんだな~これが。もともと筆者な日常でもワゴン車大好き人間。といってもワンボックス系よりも所謂日本で言うところのバン、乗用車の後方を伸ばして荷室にしたどこにでもある奴がだいすきなんだ。
実際英国では長年ヒルマン・アベンジャーワゴン、フォード・コルチナワゴン、フォード・シエラワゴン、そしてアウディA6アバンティそして日本でもアウディA4のアバンティとワゴンだらけ。車に関して拘りはないんだけど、一般的なサルーンカーに全く必要性を感じないってのが本当のところかな。だってワゴンってめちゃ便利だもんね。と言うわけでミニだって同じこと、ただし上記の様に利便性など二の次三の次、ただすきなんだよね、長物ミニのかわいさが!


実際ピックアップに関してはコクピットが結構狭く長距離は辛いけど、これはサルーン・ミニだって似たようなもんだ。まだ若くて元気だったころはミニでドーバー海峡を渡り(もちろんフェリーに乗ってだぜい!!)ヨーロッパへ遠征したことも一度や二度ではなかったけど、この年でそんなことしたら二度と背中が元へ戻らなくなってしまいそう。そう思えばピックアップだろがサルーンだろがミニはミニってことだ。
実は長物には英国に渡った初期の想い出が蘇るんだ。筆者が始めてF1チームに就職をしたとき、面倒を見てくれたチームの先輩オジサンが乗っていたのがミニ・カントリーマン、そう木枠のミニ・ワゴン。モスグリーンの車体に木枠と言う、典型的なカントリーマンスタンダード。その先輩は板金溶接の神様みたいな人ですごくお世話になったんだ。其のチームの高ジィオウの掃除のお爺ちゃんがいたけど、そのお爺ちゃんはミニ・バンに乗ってた。毎週水曜日には自分の畑でとれた野菜を待ちのマーケットに出すのでこのバンに採れたて野菜を満載で工場へやって来る。そして僕らがその日の最初のお客さんで、ニンジンやキャベツ等採れたてを買うんだけど、そこはほら社内価格ってやつでほとんどただに近くで山ほどくれるんだ。まだ見習いみたいな時だったから、そりゃ大助かりだった。


そうミニの長物はクラシックであろうとなかろうと、働く車の代名詞なんだ。それも大会社ではなく小さな街の小さなご商売を助ける働き者ってわけだ。(つづく)

津川 哲夫/tetsuo tsugawa
’76 に渡米、F1のベネトン(現ルノー)チームにメカニックとして参加。現在はF1ジャーナリストとして、CS 放送の解説や執筆活動を行っている。
(2023年4月号より)
