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SUキャブレター大全!! 2/2|ローバーミニ キャブ メンテ 

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ミニに純正採用されていた定番SUキャブ図鑑

ひと口にSUキャブといっても、そのラインナップは非常に多く、ミニのモデルや年式によって、採用されていたモデルも異なる。
そこで今回は、代表的なSUキャブについて、
それぞれが採用されていたミニと合わせて、その特徴を紹介していこう。

HS4 後年のキャブレターミニを支えたスタンダードモデル

 MkIからMkIII(クーパー、クーパーSを除く)までのMTモデルとミニ・スプライトにはHS2が純正採用されていたが、それ以降のミニ1000とATモデル全車や、バン・ピックアップといった商用モデル、さらにスポーツモデルのクラブマン1275GTでは、より口径が大きいHS4が採用されていた。これは恐らく、最も多くのミニで使用されたSUキャブだと思われる。
 HS4の口径は1 1/2インチと、HS2の1 1/4インチに比べわずかに大きいことから、ATの仕様やモデルごとの用途・目的、道路事情の変化に伴って、よりパワーがあるHS4にアップグレードしたものと考えられる。

HIF44 キャブクーパーで採用された新設計のスポーツタイプ

かつてのクーパー、クーパーSにはHS2を2連装したツインキャブが装着されていたが、’90年に登場したキャブクーパーには口径1 3/4インチと、大容量のHIF44がシングルで採用された。型番にあるIF(インテグラル・フロートチャンバー)が示す通り、HSシリーズでは別体となっていたフロートチャンバーがスロットルボディに内蔵された、コンパクトな設計となっている。

HIF38 本国仕様で採用された、最後の純正SUキャブ

インジェクションモデルの登場で日本のラインナップから消えたキャブレターモデルだが、本国では’95年までミニ・スプライトの名で1300ccモデルが製造されていた。スプライトの純正キャブには、HS4と同口径のHIF38が採用されており、キャブクーパーのそれと比べてマイルドな仕様のようだ。ミニだけでなく、SUキャブとして純正供給された最後のモデルでもある。

この図はいずれもSUキャブの実寸サイズで、表記されている数字はすべてインチでのサイズだ。HIFシリーズからはミリ表記になっており、38mm≒1 1/2インチ、44mm≒1 3/4インチと換算される。こうして各サイズを重ねてみると、面積が大きく違うことがよくわかる。

HS2 Twin 往年のスポーツモデルに純正採用された
純正スポーツキャブレター

 MkIクーパーにはじまり、MkIIIクーパーSまで純正採用されていたスポーツモデルのSUキャブ。HS2を2連装することで、吸気量の増加はもちろん、キャブレターからインレットポートまで吸気が直線的に流れ、高回転域でもスムーズな吸気が可能になる。2つのキャブレターから混合気が供給されるわけだから、大掛かりなエンジンカスタムをせずに、ダイレクトかつパワフルな加速を実現できるという点はとても魅力的だ。しかしその一方で、レスポンスが大きく向上した分、シングルキャブと比べると、繊細なアクセルワークが求められる。乗り方次第では、多少ラフに扱ってもコントロールが効くHIF44など、大口径のシングルキャブが好まれることもあるようだ。
 ちなみに、SUツインキャブに使用されているインマニは、キャブとポートの間がまっすぐに伸びているだけでなく、双方のパイプの間に1本のパイプをつなげる形で結ばれている「バランスチューブ」と呼ばれているもの。これはミニのような吸気ポートが2つしかないエンジンにハイカムを搭載したとき、低速時に均等に爆発が起こらないことがある。そのため、左右の管をつなぐことで、すべてのタイミングで均等に混合気を供給し、低回転から高回転まで、幅広い回転域で安定させることができるのだ。
 なお、純正供給されていたわけではないが、BMCがラインナップしていたコンペティション用パーツ(Cパーツ)の中には、HS4ツインキャブが用意されており、’63年に開催されたチューリップラリーでは、パティ・ホプカークが駆るミニ・クーパー「17CRX」にも装着されていた。このほかにも、口径が1 3/4のHS6やHIF44を使用したものもあるそうだが、ミニのチューニングで使われることはほとんどない。

スポーツモデルとして発売されたMkIクーパー/クーパーSには、スポーツ用に開発されたSU HS2ツインキャブが純正採用されていた。

HS2は1-1/4でHS4は1-1/2?HIFはなんで2桁?

SUキャブには「H」「HD」「HS」「HIF」の4タイプがあるが、ここではミニで使われるHSとHIFについて説明しよう。まず、非常にややこしい「HS」の口径の見方だが、以下の公式を覚えれば、簡単に判断できる。その公式というのが、口径(インチ)=1+x/8 この「x」に「HS2」であれば2、「HS4」であれば4を代入することで、品番ごとの口径が求められる。ちなみに、なぜこのようなルールが設けられたかはわからない。一方「HIF」は世界的な基準に合わせたのか、そのままミリメートルでの口径が品番として表記されており、その数字をインチ換算すればおなじみのサイズ表記となる。

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