ジョン・クーパーとミニマルヤマ・丸山和夫氏が作り上げた
ミニ・クーパー’87&’88、ジョン クーパー ミニ1300S(キャブレター&インジェクション)に関して、ストミニ本誌とこのコラムで集中的に取り上げてみたところ、反響が思いの外よくて、ジョン クーパー ミニに関わる新たな(!?)情報を探って行きたいと思っている編集Nです。
前回のジョン クーパー ミニの基礎知識3(10月8日掲載)では、’91年に登場したジョン クーパー ミニ1300S(キャブレター)のことについての車両紹介をしてみました
が、今週のコラムでは、1300Sのベースとなったローバーミニクーパー1.3(通称キャブクーパー)から、1300Sはどんな面で進化しているのかについて、触れてみたいと思います。
2モデルの基本的なスペックは以下の通り。
●ローバーミニクーパー1.3
全長×全幅×全高:3100×1440×1335mm
ホイールベース:2035mm
トレッドF/R:1235/1200mm
車両重量:690kg
エンジン型式:水冷直列4気筒OHV
ボアストローク:φ70.6×81.3mm
総排気量:1271cc
圧縮比:9.6:1
燃料供給:SU HIF44×1
最高出力:61PS/5500rpm
最大トルク:9.2kg-m/3000rpm
トランスミッション:4段MT
変速比:3.647/2.185/1.425/1.000
最終減速比:3.105
ステアリング:ラック&ピニオン
サスペンション:Fウイッシュボーン+ラバーコーン R:トレーリングアーム+ラバーコーン
ブレーキ:Fディスク Rドラム
タイヤ&ホイール:4.5B×12+145SR12
●ジョン クーパー ミニ1300S
全長×全幅×全高:3100×1440×1335mm
ホイールベース:2035mm
トレッドF/R:1235/1200mm
車両重量:690kg
エンジン型式:水冷直列4気筒OHV
ボアストローク:φ70.6×81.3mm
総排気量:1271cc
圧縮比:10.2:1
燃料供給:SU HS2×2
最高出力:80bhp/5500rpm
最大トルク:ー
トランスミッション:4段MT
変速比:3.647/2.185/1.425/1.000
最終減速比:3.105
ステアリング:ラック&ピニオン
サスペンション:Fウイッシュボーン+ラバーコーン R:トレーリングアーム+ラバーコーン
ブレーキ:Fディスク Rドラム
タイヤ&ホイール:4.5B×12+145SR12
主要諸元上での変更点は、エンジンの圧縮比が9.6→10.2になっていること、燃焼供給がSU HIF44→SU HS2 ツインになっていること、最高出力が61ps→80bhp(ps換算で約79ps)など。最大トルクは1300sでは不明になっています。
エンジン出力が約18psアップとちょっとパワーアップしすぎ!? と言われることもありますが、この当時はパワー表記がグロスからネットに移行していたころであるし、1300Sの出力表記がbhp(ブリテッシュホースパワー)であることなどから、信頼できる数字だと思われます。
1300Sのエンジンは、車両本体とは別に英国・ジョン クーパー ガレージから送られてくる木箱に入ったパワーアップキットを、ミニマルヤマで組み込むことで完成しますが、その内容は、バルブシート加工済みである圧縮比10:5のチューニングヘッド、クーパーオイルフィラーキャップ付きのタペットカバー、丸型ツインエアクリーナー、LCBエキゾーストマニホールド、ガスケットセット、ヒーターホース&アクセルワイヤーなどのフィッテイィングキットとなっています。
こうしたパーツがフルに組み込まれることで、事実上、「スタンンダードクーパー」から「クーパーS」に進化するといったイメージですね。
なおチューニングパーツは日本のミニマルヤマで組み込まれましたが、1300Sのチューニングパーツ類も本国ローバーから性能と品質が保証されているため、後から改造したチューニングエンジンではなく、ローバー純正のハイパフォーマンスエンジンという位置付けになります。
なお例の木箱に付属するスペックシートによれば、最高速度は100.1mph(約160km/h)と凄まじいまでの「ポケットロケット」(60~70年代のミニクーパーの愛称の1つ)。690kgの軽い車重を生かしての加速も含めて、その走りは圧倒的でした。
編集N
自動車雑誌編集者歴30年の、カメラマン・ライター・英語翻訳・動画撮影・動画編集、そして雑誌企画制作もこなすハイパーマルチメディアクリエーター。プライベートではミニメイフェアと30プリウス、フェラーリなどを所有。
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