最初に思い浮かべるであろう「3ドア」のほかに、SUVタイプやカブリオレなど、色々なバリエーションをもつ現代のミニ。「ミニらしくない」といった声もあるが、実はクラシックミニの時代からバリエーションは超豊富だったのだ。そのなかから一部をご紹介する!!
文/小鮒康一、写真/MINI、ベストカーWeb編集部
■クラシックミニの超豊富なバリエーション
輸入車らしいオシャレな雰囲気とゴーカート感覚の走り味が人気のミニ。現在は最もベーシックな3ドアハッチバックのほか、5ドア、コンバーチブル、ステーションワゴン、クロスオーバーとさまざまなボディタイプを持っていることでも知られている。
ただこのワイドバリエーションは、新型ミニだけの特権というわけではなく、1959年に登場したオリジナル版のクラシックミニの時点ですでに存在していたのである。
クラシックミニといえば、現在の軽自動車よりも小さなボディを最大限まで活用し、ボディ四隅に配したタイヤや前輪駆動レイアウトなど、現在のコンパクトカーの礎ともなったモデル。
一般的にクラシックミニというと、2ボックスの2ドアモデルが知られるところだが、過去には幅広いボディバリエーションを誇っていたのである。
もちろんオリジナルは2ドアモデルであるが、デビュー直後にバンとピックアップ、そしてバンとボディを共有する(ただしリアにはウインドウが備わる)ステーションワゴンであるモーリス・ミニトラベラー/オースチン・ミニカントリーマンが登場する。
これは前輪駆動レイアウトであるミニはパワートレインがフロントに集中していたことや、足回りがサブフレームによってボディに固定されていたことで、異なる形状やホイールベースのボディであっても採用しやすかったことも影響していた。
そして1961年にはラグジュアリーバージョンとなるライレー・エルフ/ウーズレー・ホーネットも追加。こちらはフロントグリルを縦型のものとしただけでなく、リアオーバーハングを延長してトランクを設置し、3ボックスボディとなっているのが最大の特徴だが、ドア数はミニと同じく2枚となっていた。
■まさかの軍用車両まで登場!?
1964年にはミニのコンポーネンツを丸ごと移植して生まれたジープタイプの車両、ミニ・モークが登場する。このモデルは軍用車両として導入されることを視野に入れて生まれたものだったが、ミニ譲りの小径ホイールや低い最低地上高が災いして軍用車両としては導入されず、解放感溢れるビーチバギーとして愛されることとなったのだった。
その後、デビューから10年が経過した1969年10月には、古めかしい印象となりつつあったオリジナルのフェイスを近代風にリメイクし、丸型ヘッドライトを左右で繋ぐフロントグリルなどを採用したクラブマンをリリース。またステーションワゴン版も同様のフロントフェイスを持ったクラブマンエステートに生まれ変わった。
しかしフロントマスクのみの変更だったことが災いし、チグハグ感の否めない仕上がりとなっていたことで市場の評価は今ひとつで、結局併売されていたオリジナルのフロントマスクを持つモデルのみが生き残り、クラブマンシリーズは1980年には姿を消してしまっている。
このようにさまざまなボディバリエーションを持っていたクラシックミニだが、メーカー純正のもの以外にも流用しやすいコンポーネンツを持っていたことで、社外のキットカーメーカーなどがリリースしたモデルにパワートレインが使われることも多く、100を超えるモデルが世にリリースされたとも言われているのだ。
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