曽根です。
前進はできるんだけど・・バックできなくなっちゃいました。
NZW様 オートマの95年式タータンが業者様の紹介でご入庫です。
本日はまずMINIだけが届きました。
外装はオリジナルですが・・
タータン地のシートからケンジントンの皮シートに交換されてました
イイですね♪
オドメーターは72781㎞
エンジンルームから軽く点検始めます。。
オイルは透明度があってまだ交換したばかりのようです。 量もOK
前回のオイル交換は・・・・去年の8月で72664㎞なんですね。。
ということは・・オイル交換してからまだ120㎞です。
オイル交換時にはおそらくバックできていたとすると・・それからわずかな間で急にバックできなくなってしまったのですね。。
そういう状況から推測すると暖機せずにリバースに入れてしまってサーボピストンシールが切れてしまった・・・というストーリーを思い浮かべてしまいます。
ラジエターやホースなどの水回り部品はエンジン脱着の際に交換したいですね。
冷却水は濁ってます。。
MINIのエンジンは鉄製なので冷却水メンテを怠ると水路が錆びます。。
ノーマルのヒーターバルブは樹脂製で老朽化すると脆くなって突然割れるので事前に交換しておくことをお勧めします。 キャメルでは国産車用を流用しています。
ではエンジンかけてオートマの具合をチェックします。
エンジンは一発でかかりました。
Dレンジに入れても・・・ん? 動きません。
ちょっとアクセルを入れて回転をあげるとガツンと繋がって入りました。。
油圧が低いかオートマ内部で油圧が逃げてしまってるのでしょう。。
リバースに入れるとコツンとオートマ内で油圧が掛かったような振動は伝わってきますが動きません。。
アクセルを踏むと回転だけが上がって完全に滑ってるのが分かります。
前向きで走り出せるようにピット内を押してバックさせて向きをかえて試乗に行ってきます。。
前進側はギヤを入れた時のタイムラグは長いですが一旦ギヤが入れば停車してもギヤが抜けることなく走行することはできました。
4速からキックダウンの時に3速を飛ばして2速に入ることがありました。。
3速のサーボピストン・ブレーキバンドも消耗しているかもしれませんね。
バックできないので・・ドキドキしながらの試乗でした。。。
無事戻ってこれたので・・
次はECUチェックします
フォルトは3連発入ってました。。
先ずは吸気温センサー
MAP(インマニ内の負圧)センサー
スロットルポジションセンサーの3つです。
過去の整備歴がわからないので一旦フォルトは消しておきます
フォルトリセットしても吸気温センサーのフォルトは消えずに再発。。
吸気温センサーはホントにNGの可能性ありです。。
マルチ画面・・
アイドリング944回転・・ちょっと高いです。
『N』・・・NOT IDLE アイドル認識できてません
『C』・・・燃調補正できてます。
0.66V・・・スロポジ電圧 アイドリング時の規定値より高め
105・・・・スロットルバルブを動かしてアイドリング調整するステッパーモーターの位置⇒数値は大きすぎです。
インマニの負圧 MAP は正常値
水温88度は適温ですが、水温センサーの温度精度は未確認です。
センサーはエンジン脱着時に新品交換することをお勧めします
吸気温センサーは35℃ おそらくフェイルセーフで仮の数値で動いてると思われます
オルタネーターは交換されてましたね。。。
発電は元気いっぱいです。。
アイドル認識できてないのはスロットルポジションセンサーが原因であることが多いです。
回転が上がったり下がったりのハンチングの症状が出ることはありませんでしたか?
スロットルボディにあるスロポジセンサー。。
純正のままですね。。 もう古くなっているので内部で接触不良を起こしていることが多いです。
すでに部品供給が無くなっているので他車の流用品をMINIに使えるようにしたパーツを使用してます。。。別名『お尻ぺんぺん』です。。
O2センサーは稼働しています。
O2センサーの情報を元にECUから燃調補正がされています。。
補正値は基準値内でした
リフトアップして下回り点検します。
右前足回り・・・
アッパーボールジョイントに中ぐらいのガタがありました。
ドライブシャフトブーツはヒビが入り始めてますね。。
エンジン脱着するのにドライブシャフトは抜くのでこの機会に交換をお勧めします
隙間からペッチャンコになったラバコンが見えます。。
乗り味は固いですが強烈な突き上げが少なく感じたのはショックアブソーバーが効いているのでしょう。 新しいラバコンに交換するとしっとりとした本来のMINIの優しい乗り心地になります。
ミッション番号と・・
デフケース番号は同一です。。
テンションブッシュは社外品に交換されてました。
ヒビが入ると割れやすそうなので注意して点検してください。
ロアームブッシュはノーマルのままですね。 ヒビが入ってました。
コンバーターシールからのオイル漏れは少ないです。。
左前足回り・・
ロアボールジョイントに中くらいのガタがあります。
その他のガタは無く良好でした。
ドライブシャフトブーツはこちら側もヒビが入り始めてました
オートマを後ろから見たところ。。
比較的オイル漏れは少ないですが・・・
左のデフサイドシールから少々オイル漏れ・・
左のインナーブーツは切れかかってグリスが漏れ始めてました。
ダウンパイプは交換されてしっかりしています。
リヤマフラーもまだしっかりしていますね。
リヤのラバコンもペッチャンコ・・硬そうですね。。
燃料フィルターは次回の車検で交換お勧めです。
リヤのショックアブソーバーはノーマルのままのようです。
リヤのサスは乗り心地に大きく影響するのでラバコンとショック交換して新車の乗り心地を復活させたいですね♪
5月13日追記
今日はオートマに掛かる油圧とドレンボルトに付いた鉄粉をチェックします
30分以上暖機してフィルターケースの表面温度は82℃。。
油圧はフィルターヘッドから取り出してメーターをフロントガラスにつけます。。
ニュートラル時の油圧は
680kpa 適正値の範疇です
Dレンジに入れてしばらくは繋がりません・・
アクセルを煽ってちょっち回転あげるとガツンと入って660kpaくらいです。
Nから10kpaくらい下がって正解です。。
そして滑って動かない問題のリバース・・
入れるとカツンと油圧が掛かってる振動は伝わってくるのでオートマ内部で油圧は動いているようです
しかし・・670kpaほどしかありません。
安心オートマですと1100kpa以上はありますから全然低いです。。。
リバースのサーボピストンシールからの油圧抜けは原因の一つとしては濃厚です。。
全体の油圧確保のためにオイルポンプやメタルなどの点検・交換は必要かと思われます。
つづく
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