レースといえばライバルとの鎬を削るバトルが楽しいですが、僕個人としてはエンジンチューニングへの興味もまた強いです。ミニ1000クラスで参戦していた頃から、Mk1のボディのままでエンジンチューニングでどこまで戦えるか、という姿勢でレースに挑戦してきましたので、ライバルに対して少しでもパワーを稼ぐのが非常に重要な開発ポイントになります。この姿勢は今でも変わりませんが、最近はさすがに周囲のパワーアップも著しくて苦戦を強いられてます。
そんなわけで、2021年を締めるにあたってSBoM各参加車両のチューニングの集大成であろう最終戦のリザルトから、現状のチューニングレベルと自分とお仲間の位置を割り出し、今後のチューニングの方針を得るべく解析してみました。以前もやったことがあるのですが、最高速と排気量からチューニングレベルを割り出す手法をとってます(こちらご参考)。
三和さんのHP(こちら)から、各クラス各車両の予選での最高速を排気量に対してプロットしました。
クラスによって分布は異なりますが、全体を眺めると排気量が大きい方が最高速が高い、という大きな傾向があるのが分かります。
縦軸の最高速を出力に換算しました。換算には単純に運動エネルギーの式(E=1/2mv2)を使ってます。また、リアルに馬力表示すると生々しすぎるので、2019年のMRRC70号車の出力を1とした相対比較でまとめました。
さらに、縦軸の出力を排気量で割って排気量あたりの出力でプロットしました。
この縦軸がチューニングレベルになります。ちなみに全車両の中で最も上に来たのは三和の83号車でした。一昨年と去年は51号車が最高でしたが、今年は逆転される結果となってます。両車ともマルチポート仕様ですが、その仕様の中でお互いに鎬を削って年々高め合っている印象です。そりゃどんどんレベル上がるわけですよねw
ちなみに一昨年の到達レベルは1.1が最高でしたが、今年は1.15まで上がってますし、1.1を超える車両が5台もいるという状況です。
一方、5ポート仕様の中で最高だったのは、スポット参戦されていた99号車でした。1,287ccという控えめな排気量から157km/hrという最高速を絞り出した結果です。当初はこの車両が5ポート仕様なのかマルチポート仕様なのかわからなかったのですが、レース当日に撮影した写真を見直したら偶然撮影してまして、
・・・ガチの5ポート仕様でしたねw その時はインダクションボックスが印象的で思わず撮影しましたが、よく見るとラジエターの配置とかかなり作り込んでます。勉強になります。おそらくですが、排気量をあえて控えめにしてクランクシャフト周りの振動を減らし、その分高回転まで回してパワーを絞り出しているのではないかと想像してます。
話を元に戻しまして。マルチポート、5ポートに続き、インジェクションとATでの最高点を抽出し、各仕様でのベスト線を引いてます。各仕様でココまでは行ける、行き得るという、現段階での技術の到達点を表してます。
MRRCメンバーの位置を示すとこんな感じです。
MRRC86号車はマルチポート仕様の中でトップではありませんでしたが、三和の83号車に近いレベルに至ってます。MRRC27号車はインジェクション仕様の中のベストになってます。MRRC70号車は99号車がいなければベストでしたが、少し差を開けられてしまった結果となってます。逆に考えればココまでは向上させることが出来るという指標でもありますので今後が楽しみとも言えるでしょう。
MRRC29号車は・・・、もうちょっと頑張る余地がありそうですねw エンジンパワーが劣っているというよりはブレーキングが早すぎるのが影響している気もします。
最後に、SVがプロデュースしているハートピストンを使っている車両を赤枠で示してみました。上から順に、MRRC86号車、MRRC70号車、MRRC27号および25号車、そしてキャメルの114号車になります。インジェクション仕様の中ではトップに位置してますし、ATでありながらチューニングクラス優勝をゲットしたキャメル114号車の活躍も記憶に新しいです。また、マルチポート仕様でもトップに近い位置を占めることが出来てます。
ハートピストンの特徴として、ピストントップの形状を燃焼室に合わせていることと、オートフィットコート仕様とすることでピストンクリアランス狭めていることがあります。どちらも振動の大きい旧車のエンジンに使うにはリスクが大きいと個人的には感じていてこれまで試してませんでしたが、これだけプルーフが積み上がるとメリットに目を向けたくなります。次の仕様変更では試してみようかと計画中です。
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