当然、エンジンオイルとATフルードも一本化。
調子のいいAT車に乗る機会がありました。以前、1000ccのAT車に乗ったときには、「なんだこれ、遅っ。古っ」って悪い印象しかありませんでしたが、ミニの歴史を少し勉強してみると、基本設計が50年以上も前の機械式ATながら4速ATであり、しかも各ギアがホールドできるとか「ミニって実は先進的じゃん!(当時は)」ってイイ印象に変わりました。最新のローバーミニでももう21年のヴィンテージものですから、調子いいミニに乗ると、ほんと楽しくなりますネ。
で、いろんなショップに取材していると、どのショップでもAT車が人気だそうで、AT車でクーラーが付いてたら、初めてクルマを買う人でも問題ないよなぁ、と納得。
さて、ミニのATもMT車と同じく、エンジンとAT、デフオイルを一本化しているんですが、「ATフルードとエンジンオイルが一緒かよ!?」と、もう一つナンジャコリャ的なイメージを持っていましたが、これはこれでよく考えてみると悪くはないのかも、と。
ミニ以外のAT車ではATフルードの交換サイクルは3~5万km程度です。ぶっちゃけ15万km交換していないクルマもざらにあります。「そんなら普通のAT車にはフルード交換のお金かかんないじゃん!」と思われがちですが、実はそうではないんです。
どうしてかというと、長い距離を走ったATのフルード交換にはリスクがあるんです。ディーラーでも7万kmを過ぎたら、ATフルードの交換はオコトワリされちゃうんだそうです。例えば、7万kmまで1度もATフルードの交換をしていないクルマでは、フルードを交換した際に、フルードの流れるラインに溜まっていたスラッジが剥がれてフルードラインをふさいでしまう可能性がすごく高くなるんだとか。フルードが流れないってことは、当然ATがブローしてしまうことになります。これって、人間に起こる心筋梗塞とか脳梗塞とかと同じメカニズムです。
もっともミニの場合は、ほとんどの人が3000km程度でエンジンオイルを交換しているはずなので、逆に言えばATフルード交換とかフルード交換時のリスクを考える必要なんて全然ありません。
ただエンジンオイル交換は、3000kmごとに1万円以上(ATの場合はMTより費用が高い)かかってしまうけれど、5万kmごとのATフルード交換の費用と車検ごとのデフオイル費用、あと3000kmごとにメンテナンスしているんだって意識があれば、トータルでは同じくらいの費用だから、「1万円オーバーはたけーよ!」とモヤモヤした気持ちの人も納得しましょうネ。
あとAT車の場合は、オイル交換はミニ専門店でしましょうネ。エレメントからオイル漏れしやすいので、量販店での交換とかDIY交換はナシかなぁ、と思います。
編集N
自動車雑誌編集者歴30年の、カメラマン・ライター・英語翻訳・動画撮影・動画編集、そして雑誌企画制作もこなすハイパーマルチメディアクリエーター。プライベートではミニメイフェアと30プリウス、フェラーリなどを所有。
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