スポーティなイメージが強いキャピタル企業
Sならではの雰囲気を醸す
現在のオーナーはスペシャルショップ、プラザNYHを率いる高木氏。このミニとの馴れ初めを伺った。
出会ったのは20年程前、雑誌の販売広告に掲載されたのを見て連絡をした。しかし、その時すでに“17番目の権利”といわれ、ほぼ諦めていたという。
「ミニのクラブに入会してメンバーのところに遊びに行ったときにガレージの隅で見かけたのが、このクルマ。初めての遭遇でした。すでにドンガラ状態で、さほど程度も良くはなかったけれども、この巡り合わせを機に譲ってもらいました」
’65年の登録後は約10年間、およそ8万kmの走行をして昭和50年に抹消された車輌だという。高木氏のもとに来て13年ほどの歳月が過ぎた。
「私としては、キャピタル企業から出たミニは格好良いもの、といったイメージがあったので、極力、当時ものの新品パーツを使ってレストアを完成させようと取り組みました。購入後からパーツを集め出し、大方の部品は揃えたのですが、ホイール、アッパードアモール(左)、ガソリンタンクキャップ、フロントバンパーだけが間に合っていません……、残念ながら」
それでも、令和元年となる今年の11月、実に44年ぶりにナンバーが付き、見事に復活を果たしている。その思い入れをこの場でお披露目するとともに、オーナーたっての希望で、さまざまに尽力してくれた方々に謝辞を送る。
それは、半世紀を超えて永らえてきたミニを当時の姿で蘇らせるには、多くの人たちと想いを共有して取り組まなければならないことを示唆している。幸いにしてミニは、自らが媒介となって多くの仲間を繋いでくれるミラクルなクルマだ。これからも愛すべきミニをそれぞれのカタチで良い、大切に守っていこう……。
「このクルマを託してくれた友人。クルマとの出会いはもちろん、ボディに関することのアドヴァイスに感謝しています。参考のため、無理を言って押しかけたのにもかかわらず、存分にボディを見せてくれた3人の先輩。後にも先にも人のミニをこれだけ拝見したことはありません。私のこだわりにつきあって、パーツ集めに奔走してくれたふたりの友人。このクルマのためにオリジナルのパーツを作成してくれた友人ふたり。わがままをカタチにしてくれたことには感服です。鈑金塗装を完遂してくれた弟。何十年も一緒に仕事をしていますが、何度もやり直しをしてくれたことにはお礼をいいます。そして、組み込みをしてくれたスタッフ。かなり緊張しながらも完成させてくれたことにありがとう」
オーナーの高木氏は来年開催のイベント、『イタリアンジョブ』の会場でこのクルマを囲んで多くの人と言葉を交わすことを楽しみにしていると話していた。時を遡ったようなミニに刺激を受けながら、ミニオーナーの輪がさらに強固に、そして一段と広がることを期待している。
おわり
プラザNYH
TEL.0773-33-4385