その3 化粧直し、くすんだマーカを変えて気持ちをシャープに
メインテナンスの取材でサイドマーカーを外したときにクリアレンズの曇りが妙に気になった。ヘッドランプのバルブをBELLOFのLEDに交換したのと、リアのコンビネーションランプ、3色テールはブレーキランプをLEDにしていたものはキャリーオーバー。リバースランプは1.3i ATに旧来装着していたIPFの500lmを流用して、少しだけバージョンアップを図ったので、より気になってしまったのかも知れない。
で、たしか使っていないクリアレンズがどこかに置いてあったはずだと、そこら中を探しまくって、ようやく見つけた。当時、三和トレーディングが販売していたものだと思う。アンバー色の純正マーカーレンズを作っているメーカーにクリアレンズを作らせたと標榜していた製品。つまり、純正リプレイスのクリアレンズということ。実にレンズ面のモールドが純正同様なのだ。
中古物件なので、シールがくたびれているのは仕方なし。が、そのまま装着するとボディの鉄板とマーカーユニットの間に隙間が空いて、少々カタ付くではないか。それでもシールを2枚重ねると厚みがありすぎて爪がかからなくなってしまう。ラバーのシールなので、すでに変形し、弾力もない、いやはやなんとも、使い物にならないということだ。細くなった部分は切れてしまっているし……。
そこで考えた。リアテールランプ用のリプレイスパッキンを購入すると、中抜きの部分が余る。発泡ゴムのシートなので、何かに使えないかと保管していたものを使うことにした。趣味人たるもの、『断捨離』なんぞには見向きもしない気骨が大切なのだ! 従来のパッキンをテープで補修して型紙にする。発泡ラバーはたいそう切りにくいので、彫刻刀で押し切りをする。角刀、丸刀、平刀、切り出しを駆使して部位を分割して打ち抜く感覚だ。刃を引いて切るカッターを使おうと思わない方が無難。鋏も小さな内アールなどは難儀すると思う。周囲の長い辺だけならロータリーカッターは使えるだろうけれど、彫刻刀の押し切り、これに尽きる。
結果、自作パッキンの厚みと弾力はバッチリ。周囲の泥汚れをキレイに清掃して、防水のOリングを交換して装着。完了である。マーカーの明るさはさほど変わらないと思うけれども、クリアなレンズはシャープな見映えがグッドだ
さ、これからコツコツとドレスアップやモディファイを楽しむことにしよう。ゴーリー・スペシャルへの道、だっ(笑)
田代(G)基晴
10月号より本誌編集長:ミニより1歳年下の1960年生まれ。ミニ・フリーク誌のスタートからどっぷりミニ漬けの人生。現在はフリーランスの写真家、編集者として活動。趣味の伝道師を目指し、日々精進している…