窓の曇りの洗礼を強烈に受けるミニ。ドアポケットにも、ギアセレクタとシートベルトのキャッチやサイドブレーキレバーの隙間にも、シートとサイドシルのわずかな空間にも、クリンビューのスプレーと窓拭き用のウエスが詰め込んである。ドライなウエスで窓を拭きたいから、どーしてもそんなことになってしまう。
まぁ、それはそれで受け入れるとして、近年は『マイクロファイバー』のウエスが安く購入できるので、もっぱら化繊派になってしまった。ちょっと前までは、オーガニックなコットン派(要は、ボロタオル……だな)だったのに、サクッと拭き取れて、ギュッと絞ればドライに近い状態が維持できるのだから、使わない手はない。ダイソーやコストコ様々なのだ。
で、以前友人に「これ使いやすくて便利だぞッ」ともらったのが、封筒型に縫製されたマイクロファイバー。手が差し込める袋状ってことだ。窓を拭くときにこのマイクロファイバー袋に手を差し込んで使うと、手のひらでも手の甲の側でも実に簡単に窓拭きができる。これには感激して、以来愛用のグッズだった。
それでも封筒型では、そのままステアリングを握ろうと思うと、親指の自由が利かずに少々不愉快な思いが残ってしまう。そこで、ミトン型にしてしまえば万事解決だっ、と画策した次第。というわけで、アイデア第一弾は名付けて『ミトン窓拭きマイクロファイバー』である。
ミシン使いが趣味のワタクシ、こんなものはチョイチョイッとできてしまうぜッ、と思い立って手を付けたは良いが甘かった。実に難儀して、結局はマイクロファイバーのウエスを8枚も使いまくることになってしまうのである。それでも、実は満足していないのだ。
作業は型を取って切り出し、周囲を縫って裏返すだけのことなんだけれど、思い通りにはならない。まずはマイクロファイバーの生地は、ミシン運びが悪くて実に縫いにくい。半径の小さなアールは厄介だ。それに、切り出すと小口がほつれて部屋中が細かい切りクズだらけになる。ロックミシンも直線以外では使い物にならない……。それでも生地自体に伸びがないから直線縫いとジグザク縫いでなんとかなったけれども、今度はその生地が伸びないことがネックになる。
ようやく出来上がったものの、手のひらサイズギリギリで型紙を作ったら、仕上がりで手が入らなくなった。う〜ン、である。結局、最初に縫い上げた何枚かは、手の小さな母親と妹にプレゼントした。どう使うかは、自由に考えてくれ……
最終的には、かなり余裕をみた型紙にしてなんとか。当初、2枚のマイクロファイバーウエスから4枚(2双)取りしようと思ってけれども、結果的には1双しかできなかった。しかも、不格好……。まぁ、今回の作品を使い切ったら、再トライする。興味のある人は、ぜひともトライして欲しいものだ。
田代(G)基晴
10月号より本誌編集長:ミニより1歳年下の1960年生まれ。ミニ・フリーク誌のスタートからどっぷりミニ漬けの人生。現在はフリーランスの写真家、編集者として活動。趣味の伝道師を目指し、日々精進している…