ヴィンテージミニのヒストリーを調べる!
‘60年代のクーパーやクーパーSを取材させてもらうと、たいていのオーナーが額縁に入れて持っているのが愛車のヒストリーレコードだ。ものを大事にするイギリス人の国民性なのか、もう生産から50年以上経ったヴィンテージミニでも、自分のミニがいつどんな姿で生産されて、新車時はどこで販売されたのかまでわかってしまうから、ビンテージ好きには涙もの!? ってわけ。
この証明書の名前は、ヘリテージトラストサーティフィケート。ドキュメントの一番上には「ブリティッシュモーターインダストリーヘリテージトラスト」とあって、「ブリティッシュモーターコーポレーションヘリテージトラストじゃないのはなぜ?」って疑問に思うし、ブリティッシュモーターコーポレーション(BMC)は1966年には無くなっているし、これって一体どういうこと!?
調べてみるとこのドキュメントの発行元はブリティッシュモーターミュージアムだった。ブリティッシュモーターインダストリーヘリテージトラストとは、その昔に生産された英国車の工場ラインオフ時の記録を一括して管理しているブリテッシュモーターミュージアムが、1950年代から残されている英国車の生産データをヘリテージサーティフィケート(工場出荷時の仕様証明)として発行してくれるサービスであり、BMCやオースチン、モーリスなどミニのグループでは1959年から1981年生産のものまでが記録に残っているそうだ。
この証明書にはシャシーナンバー、エンジンナンバー、ボディナンバー、内装の仕様、外装のカラーリング、生産日、出荷日、販売されたディーラー、主要な装備品などが記されているから、ヴィンテージミニ乗りならまさに必携。
まぁキャピタルものとか日英自動車ものなのか、並行物なのか、エンジンはオリジナルのものなのか、外装のカラーは今の状態? みたいな知りたいような知りたくないような記録が明らかになるので、意外な結果に喜んじゃうこともあるし、落ち込んじゃうこともあるだろうけど、それはそれで。
この証明書は今でも有料で発行してもらえる。
https://www.britishmotormuseum.co.uk/archive/heritage-certificates
’60年代のクーパーやクーパーSにしか発行されてないと言われているけど、クーパーじゃないミニでも証明書が取れるようだ。
編集N
自動車雑誌編集者歴30年の、カメラマン・ライター・英語翻訳・動画撮影・動画編集、そして雑誌企画制作もこなすハイパーマルチメディアクリエーター。プライベートではミニメイフェアと30プリウス、フェラーリなどを所有。
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