ジョンクーパーってミニ・クーパー?
『STREET MINI』本誌で連載中の「日本のミニ60年史を彩った男 丸山和夫」では、1980年代では唯一のクーパーである「ジョンクーパー」の秘話が明かされ、ミニフリークたちからの反響が大きかったのだけれど、「そもそもジョンクーパーってどんなミニだったの?」って人のために、『STREET MINI WEB』では、基本的なことから綴っていきたいと思う。
ジョンクーパーモデルが初めてメディアに取り上げられたのは、1987年2月26日発売の『スクランブルカーマガジン 90号』において。当時、運転免許を取得したばかりの編集Nは、ロータス・エランやヨーロッパ、ミニ・クーパーなどが憧れで『スクラン(スクランブルカーマガジンの通称)』を買い始めたのが、なんとこのジョンクーパーモデルの特集号!古い自動車雑誌を詰め込んだダンボール箱を20数年振りに開けて90号を取り出し、そんな奇遇が判明した!
丸山社長によれば、当時『スクラン』はジョンクーパーモデルのオフィシャル的な媒体で、ジョン・クーパーさんとの初対面の時から、『スクラン』も同行していたのだそう。
まずはジョンクーパーモデルの車名の話から。今では中古車で販売されているジョンクーパーモデルは「ジョンクーパー」という車名になっていることが多いが、1987年の『スクラン』記事やミニマルヤマの雑誌広告では「ミニ・クーパー’87」という車名を使っていた。1988年のミニマルヤマのカタログでも「ミニ・クーパー’88」だ。
ジョンクーパーモデルに1300cc(キャブレター)が追加された1991年2月発売の『カーマガジン』の記事やミニマルヤマの雑誌広告では、1300cc車は「ジョンクーパー1300S」、1000cc車が「ジョンクーパー1000」と表記されていた。
で、話をミニ・クーパー’87&’88に戻すと、このミニのベースはオースチン・ローバー・ジャパン(ARJ)が輸入した正規モデルのメイフェア。トランスミッションは4段MTの右ハンドルだ。
この正規輸入車がミニマルヤマにおいて内外装がミニ・クーパー’87&’88にコンバートされ、ジョン・クーパー・ガレージで製造されたジョンクーパー・パワーアップ・キットを組み込み、ミニ・クーパー’87&’88はミニマルヤマからコンプリートカーとしてオーナーに納車された。
それでいてARJの新車保証(1年あるいは2万km)が付くのはユニークと『カーマガジン」には書かれているので、当時からスペシャルすぎる存在だった。
ちなみにこの当時、ARJが輸入・発売元になっていたのはメイフェアで、チェルシーやピカデリー、パークレーン、アドバンテージなどは、ARJが輸入、アニックが発売元になっていた。そしてミニ・クーパー’87&’88はARJが輸入、発売元がミニマルヤマとなっていた。
編集N
自動車雑誌編集者歴30年の、カメラマン・ライター・英語翻訳・動画撮影・動画編集、そして雑誌企画制作もこなすハイパーマルチメディアクリエーター。プライベートではミニメイフェアと30プリウス、フェラーリなどを所有。
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