12ヶ月点検を終えたばかりの編集部ミニ。しかしミニのようなヒストリックカーになるとコレだけじゃ終わらない! そこで今回は大阪の10フィートワンダーさんでミニの泣き所!?ともいえる、クーラントやサーモスタッドなど、地味だけど怠るとシャレにならない重要消耗品のチェックをしてもらった。
やっぱりというか、案の定、要交換!!
という結果(涙)。まぁレースにも出場し、日本全国走りまわっている編集部のミニじゃ仕方がないかもしれないが、年式の旧いクルマは乗らなくても潤滑系統の痛みは年々悪化の一途をたどるという。ということで、皆さんのミニもぜひ一度チェックしてみてね!
エンジンオイルは“定期交換品”というのは一般的にも浸透しているが、冷却系等やドライブシャフトなどは“一生モノ”なんて勘違いしている方も多い。実はクーラント、2〜3年くらいで交換するのがベストなのだ。ミニの場合サブタンクがないので、水を継ぎ足すのがメジャーなメンテになる。でも水を継ぎ足すということは、クーラントが薄まり防腐効果が下がり、結果としてラジエターが錆びてしまう。この状態でサビごと冷却水をまわせば当然、傷を付けてしまったり、最悪、冷却ライン内を塞いでしまう。なのでクーラントの点検と交換はミニにとって「肝」といってもいいだろう。
さらにドライブシャフト。こちらはエンジンルームにこもった熱や走行中の摩擦熱で、ブーツが熱劣化や路面からの飛び石などで劣化し、ブーツが破れけてしまう。そのまま走行を繰り返すと破れ目から中のグリスが走行中外に飛び散り、ベアリングが摩擦熱で焼き付きを起こしてしまうのだ。ドライブシャフトは、脱輪など命にもかかわってくる重要な部品なので、チェック&リペアは怠らないようにして欲しい。
中級 エンジンオイル&エレメントの交換
難易度/★★★
まずはメンテのなかでは基本中の基本、エンジンオイルの交換から始めてみよう。
オイルの交換目安は2500km。少なくとも3000km以内に交換して欲しい。
さらに1年に1度はぜひ交換してほしい。使わなくても酸化してオイルは劣化してしまう。
見た目にはきれいでもオイルとしての性能は格段にダウンしてしまう。
また忘れてはいけないのがオイルエレメント。
コチラはエンジンオイル交換二回に一度、ぜひ交換して欲しい。
せっかくオイルをきれいにしてもエレメントが汚れていたり、目詰まりを起こしていたら効果半減。正しいオイル交換でエンジンを元気にしてあげよう!
01
まずは車両を水平にジャッキアップ。
クルマが傾いてしまうとオイルパンのオイルが全部抜けずに残ってしまうので注意が必要だ。
02
オイルパンの右タイヤ側にオイルドレインボルトがある。
ドレインボルトとオイルパンの間にある銅ワッシャーは必ず交換、再利用禁止!
03
15/16インチでドレインボルトを軽く緩めてみよう。
かなり力が必要な上、このボルトは非常になめやすいので注意してほしい。
おっと、まずは1回転ほど緩めるだけにしてね!
04
指でまわせるくらいボルトが緩んだら、次は外す作業。
エンジンオイルは温まった状態での交換が理想。というコトはドレインボルトはかなりの高温。
ぜひ軍手などで火傷対策して欲しい。
05
ドレインボルトはオイルパンに軽く押さえつけながら緩ませよう。
指の感覚が変わったら、一気にボルトを上に持ち上げる。
勢い良くオイルが出てくるので火傷やオイル被りに注意!!
06
ドレインボルト先の鉄粉を拭き取り、銅ワッシャーをボルトに締める。
規定トルク3.5kg/mで締め付けること。
とはいえ林さんの場合、体の感覚がトルクレンチなので使わないという。
07
オイルが抜き終わったら、次はオイルエレメントを交換しよう。
こちらの作業には特殊工具、エレメントレンチが必要になる。
08
エンジンのフロント側、フロントグリルとの間にオイルエレメントはある。
年式にもよるが写真を見れば判るとおり、かなり狭い場所にあるので作業は困難を極める。
09
エレメントレンチで少し緩めたらドレインボルトと同じようにエンジンに軽く押さえつけながら手で緩めていく。
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外れたオイルエレメントはこんな感じ。
中心の穴から汚れたオイルが入り、
エレメントで濾されたオイルが外側の穴からエンジンに戻っていく。
11
写真中央のシャフトがエレメントの中心の穴に入る。
オイルが抜けた後、このシャフトやエレメントを外したときに
汚れた部分を拭いてキレイにしておくこと。
12
新しいエレメントを取り付ける直前、
新しいオイルを必ず、エレメント取り付け面のOリング表面に手で軽く塗っておく。
締め付けは手でギューッと締め付けるだけ。
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フィラーキャップを外してゆっくりオイルを入れている。
MT車はバルボリンの20-50を採用。
オイル量は5リットル。
なお今回はオイルエレメントも交換しているのでオイルは5.5リットル使用した。
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規定量を注ぎ込んだらオイルレベルゲージを抜いてウエスなどで
レベルゲージの先を拭き取り、もう一度差し込む。
オイルがオイルパンに落ちるのに若干時間が掛かるので注意!
15
もう一度レベルゲージを抜き取り、入ったオイルの量を確認しよう。
今回はエレメントも交換しているのでオイルを入れた直後の油糧レベルは2/3くらいが理想。
お願いしたのは大阪の10フィートワンダーさん。
社長の林 練成さんはミニの整備歴23年というミニのスペシャリスト!
基本に忠実に、そしてそれぞれのミニの癖を見抜く力は林さんの「経験値」によるもの。
SHOP DATA
2019.4月号より
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