今回から不定期に”ミニの常識”というカテゴリーでブログを書かせていただきます。
先ず今回はファンベルトの張り加減
最近でもFacebookのミニ愛好者サイトでファンベルトの鳴きを何か重大な故障のように取り上げる板が立ちます。
大きく分けて、3つ。
① 96年以前のVベルトでクーラー無し
② 96年以前でクーラー付き
③ 97年以降のリブベルト
ベルト鳴きが起こった場合、どの場合も今以上にベルトを張るしかありません。
①の場合は、オルターネーターの角度で張りを調節します。三日月型のオルタネーターとエンジンをつなぐ部品の取り付けネジを少し緩めて、オルタネーター上部のステーとオルタネーターの隙間にタイヤレバーやそれに準じたものを差し込んでオルタネーターを持ち上げるようにベルトを張ります。ネジを少しだけ緩めればレバーで張っても緩む方向に戻らないので作業も楽です。
②の場合、クーラーコンプレッサーとウォーターポンプ、クランクプーリーを回すベルトと、コンプレッサーからオルタネーターを回す短いベルトの2本。長い方はテンショナーを移動して張ります。この部分でもテンショナーを留めているナットは少しだけ緩めて四角い調整部分を回して張ります。ベルト鳴きの多くはコンプレッサーとオルタネーター間のベルトが原因である場合が多いので、①の方法と同じ様に張ります。
①も②も新品のベルトに替えた場合はそれほど強く張る必要はありません、どんな場合でもベルトがプーリーになじんで少し張りが緩むので、再調整は不可避です。むしろショップにおいて、そういうミニの実情を知らないお客さんからのクレームが嫌でパッツンぱっつんに張るところがありますが、ウォーターポンプへのダメージを与えて水漏れの要因になります。
Vベルトはスリップで粉状に削れて痩せてしまいます。プーリーに食い込むようなら交換時期です。
③のリブベルトの場合でも、Vベルトよりはるかに安定していますが、最低でも20年経ったプーリーです、山がすり減って低くなっています。ベルトが新しい場合は食い込みも良いので鳴きませんが、やはり馴染んだ後でもう一度張りを調節すべきです。
全てのプーリーを一本のベルトで回すのでテンショナーが本当なら国産車のようにバネでオートテンショナーだったらよかったのですが、ミニの場合ベアリングの入った大きめの固定式テンショナーなので、クーラーを入れた時に少し鳴くようなら様子を見て少し張りを強くしてください。
つまり、全てのプーリーが新車時のように新しいものを使わない限り、一発できれいに張ることは困難です。
そういうミニの古さを理解できない人は、古い車に乗るのを諦めてください。
修理に出したのにベルトが鳴くじゃないか、どうなんってんだ?取りに来いだの金返せみたいなことを一言でも言う人は
弊社なら分かるように丁寧に説明して、それでも不満を言う方にはレッドカードですよ。
ミニから降りてください。それがWIN WINだと思います。