曽根です。
SKG様が7年間乗ってるMINIです。。
94500㎞ですが、センターメーターなので実メーターは不明です。。
オートマは、発進の時にガガガッと振動を伴うジャダーと
3から4速に上がる時に吹き上がってから入ります。
始動時の白煙、オイル消費も多いので、安心オートマと併せて
ヘッドやピストンなども含めたフルオーバーホールコースをお選びいただきました。
足回りも総リフレッシュしますが、ここでは安心オートマの作業報告です。。。
本編は『SKG様 安心オートマとエンジンOH 水廻りも足回りも全部交換大作戦』
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では、ここからは九州 岩崎自動車さんから
分解から安心オートマ+エンジンOHのレポートです。
手術台に乗ってこれから点検開始です。。。
1年前の初キャメルの時にPECS取付済みですね。。
サーモスタットは82℃が入っていました。。。
これは後ほど、標準の88℃に交換します
イリジウムプラグの焼けは悪くないですね
ブローバイセパレーターは洗浄しておきます
更に分解を進めます。
PECSのフィルターケースの中から摩擦材のカスと思われるものが出てきました
オートマに何が起こっているのでしょう。。。
フィルターヘッドに液体ガスケットが使用されてましたが、
この部分への液体ガスケットは厳禁です。
食みだしたものがそのままバルブボディへ直通です。
フロントパネルを開けてブレーキバンドの消耗度合いをチェック
まずはリバースバンド。
大きく動き、摩擦材の消耗は進んでます。
3速バンドの消耗は少ないようです。
2速も大丈夫そうですね。
オイルポンプのクリアランスは0.13㎜
安心オートマの使用限界基準は0.10㎜ですので交換します
オイルポンプのブッシュも打ち替えます
プライマリースラストは大きく広がってたので
既製品では合うものが無いのでワンオフ品にて・・・・
追い込みました。
各シリンダーのリークダウンテストは悪くないですね。。
ヘッドをはがしました。
ドライバーの先にある水路のメクラ蓋が錆で塞がってます。
真鍮素材で打ち込みます。
シリンダーはやや消耗してて樽状になってますね。。
良い状態のブロックが在庫であったのでそれと交換しましょう。。。
テンショナーパッドの消耗から走行距離は15万キロ前後と思われます
ミッションを分離します。
ギヤドラムを取り出しました。
この時点では傷も無く再使用できそう・・・と思ってました
手前のリバースバンドは消耗しているもののまだ金属までの露出はしてませんでした。
メインシャフトの軸受けブッシュは
大きく消耗してるので交換になります
オイルポンプのストレーナーメッシュにはブレーキバンドやクラッチ板の摩擦材のカスが
引き寄せられてました。。
こうして剥がれだすと加速度的に剥がれが進むのでオーバーホールのタイミングとしては
ちょうど良かったと思います。
ジャダーの症状からフォワードクラッチの破損も考えられましたが
割れは無かったですね。。
クラッチの消耗はこのくらいが限界です。
T&Rクラッチの消耗は限界を超えてました。。。
3速ドラムのブッシュは拡大してました。
ブッシュが減って軸がズレることでバンドの掴みのタイミングが遅れてタイムラグとして現れます。
Oリングは硬化してオイルシールの役目を果たせない状態でした。。
3→4速のギヤ抜けはここからの油圧漏れが原因ですね
ギヤキャリアを分解点検したら
ここで問題発見!
向かい合う二つのベベルギヤの片方が剥離してます。
この状態で普通に走れてしまうので症状で確認することは不可能ですが、
もう片方のベベルギヤが剥離した瞬間に前にも後ろにも動かなくなってしまいます。
こうして分解点検するしか確認する方法がありません。。。。
ベベルギヤ剥離の説明ビデオです。。
SKG様のは、両方剥離してしまう前で良かったですね。。
ブレーキバンドと当たる外周は削れてなくて再使用できると思ったのですが
ギヤキャリアは部分的な部品で交換することができない所なので
全体で交換することになります。
クランクスラストは正常でした。
親子メタルは正常摩耗です。
油圧保持のためにも重要なパーツなので安心オートマではすべて親子メタルは新品交換します。
カムに叩かれ続けてるバルブリフターは虫食い状態でした。。。
新品交換します。
ピストンを抜き取りました
オイルリングは完全に張り付いてました。。。
ピストンリングはもちろんすべて交換します。
カムメタルも交換します
組付けはSKG様のブロックより消耗が少なく状態の良いブロックを使います。
バルブリフターホール測定
シリンダーの拡大も 1/100㎜程度です。
出会いは大切。。。いいブロックに出会うことができました♪
組付け作業に入ります。
合体。。
タイミングプレートとミッションケースが干渉してないかチェックしながら組み付け
ハーモニックバランサーの取付けもご依頼いただいてます。。
振動を打ち消してスムーズに回るエンジンになるハーモニックバランサー。。。
エンジンを降ろしてる今なら特に取付け工賃なしでつけられるのでグッドタイミングです。
キャメルの安心オートマはSVオリジナル・オイルポンプガスケット
オイルポンプも規定トルクでキチっと取付。。。
2018年後半からコンバーターシールのメーカーがNTKからTTOに変わってます。。
オイル漏れしやすいところでしたので、材質の改善がなされてるとイイのですが・・・
カバーと干渉しないかクリアランスをチェックしながら組み付けていきます
ロープレッシャーバルブ・・
インヒビタースイッチの導通確認。。
PECSは鉄粉を取ってしっかり仕事してくれてました
5段コアなので鉄粉吸着量はまだ余裕がりますね。
お掃除して、また今日から心機一転 頑張ってもらいます。
今までも摩耗粉は多くなかったので、安心オートマで更に少なくなれば
PECSの清掃は3万キロ後でもOKそうですね。。。
耐油、耐摩耗に優れた材質を選んで、さまざまなテストを経て
82HSの硬度で作られたキャメルオリジナルのフィルターパッキン
ゴムの幅はフィルターヘッドの溝にキチっと奥までいれてピッタリする1.95~2.00㎜
締め付けトルクは19Nm~20Nmで15%の変形率に設計してあります。
*2019年~の仕様はもうすこし強めに締め付けても大丈夫なように若干硬度を上げてあります。
キックダウンの調整は標準的なところにセットしておきます
キックダウンレバーの取付角度の確認。。。
実際に動かして作用角も確認しておきます。
ヘッドもオーバーホールしました。
ヘッドは0.11mmの修正面研しました
ヘッド取り付け
サーモスタットハウジングのネジ穴が傷んでたので修正します
タップ切り直してネジ山修正。。
実車に載せてエンジン始動。。。
エンジン油圧・・・・ 針が無くなっちゃってるけど6kgくらい出てますね(笑)
写真無いけどオートマ油圧も測って
OKなので実走行テストに出ます。。
約30kmに及ぶ実走行テストを行います。
タイムラグ シフトアップとシフトダウン・・・・・
キックダウンなど様々なテストで動作確認してきます。
もちろん、このテストで異常があればもういちど分解する覚悟で行います。
実走行テストは快調でした
工場に戻って温間でのオートマ油圧測定します
前進側 7㎏ OKです。
リバース油圧 12.3㎏ OKです。
温間でのエンジン油圧 アイドリングで3.5㎏くらいありますね。。。
ニュートラルで無負荷状態でのバキュームは34kpa
正常です。
ドライブに入れて負荷をかけた時のバキューム値 51kpa 正常値です。
これが60kpa以上だと何らかの異常な負荷がかかってる可能性があります
テストは合格!
エンジン降ろして出荷の準備。。
走行テスト後のプラグの焼けも正常。。
ドレンプラグの状態。。 OKです。
エンジンまでフルオーバーホールされた安心オートマの完成です
スムーズなエンジン、スムーズなオートマ。。
今回もいい安心オートマができました。
気持ちのいいシフティングをお楽しみください。
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