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インジェクションエンジンの最も大切な制御

以前に比べて、ミニに乗っている皆さんの、ミニに対する興味の深さが浅くなってる感じがあります。似たようなことを何度も書いていますが、オーナー気質が変わる中、イベントや情報発信内容が今まで通りで良いのかな?と思うからです。

分かりやすく言うと「走ればいいじゃないか」的な方が多く、その後に、やたらと自分の立ち位置みたいなことに触れる人が増えてます。たかが小さな車一台に人生だの生きがいだのとは大げさすぎます。

人は人、自分は自分、とか、まるで外から自分がどう映るか避けてるみたいな言い方です

その逆に、「人は」それで納得できても「自分は」納得できない、みたいな。自己満足と都合のいい時だけ学校で習ったことのない表現「ご教示ください」でとんちんかんな話をしてる人が少なくありません。

クルマもバイクも、関わる多くの高齢男性が事故や騒動を起こすのをネットのニュースとして取り上げられることが増えています。
一時期、暖気と称して朝早く住宅街でエンジンを掛けたままにしてご近所問題にされた話題は減ったように思います。
理由は、当事者がけっこう高齢化しているから「若いやつに文句言ってやる!」で蓋を開けたら年齢が近かった、で落ち着いたのかもしれません。

昔は((笑))ミニの専門誌があって、年に何冊もムック本や特別号がでて、それを欠かさず買ってる人が多かった。ですから、本から得た知識は専門店のスタッフでもかなわない人が多かった。特にMK1~2時代のミニに関してはよくご存じでした。

で、今はというと、お客さん側の問題じゃなくて、店のスタッフが勉強不足で、無価値な知識、自分の得意分野だけ押しつけてくるような人が多いと、誰かから聞きました。伝聞、個人の意見だそうです(核爆)伝言ゲームみたいに途中で内容がねじれているだけかもしれません。

さて本題に入ると、これだけ自動車が低燃費で高性能、複雑なシステムが当たり前の世の中で、古い車のエンジンについて何が必要なのかわかってる人が少ないと思います。

ミニのエンジンはOHVと言われる古い形式で、環境問題からキャブレターによる燃料供給方法がインジェクションに変わりました。

つまりコンピューターの必要なエンジンになったわけです。

ミニがインジェクション化された当初、ディーラーはともかく、いわゆる街のミニ専門店はトラブルに対してほとんどと言っていいほど対処できないでいました。新車が売られていた関係で、そのままディーラーに預けて直してもらうのが普通だった時期があります。
現在名の通った店も、元はそんなレベルだったのです。

ハンチング(アイドリングが上がったり下がったりを繰り返す)とかに全く手が出ない時期もあったのです。

今だと、SNSでハンチングが出ています、直し方をご教示願います、と書き込めば、それはバキュームホースです、とかすぐに返事が書き込まれますが、そういう時代はミクシーが登場するまでありませんでした。

さて、エンジンの状態を確かめる行為に、スパークプラグを抜いて焼け具合を見ることがあります。

一般的なポイントとしては、プラグにカスがついたり、ガソリン、オイル、などがついて湿ってないか

プラグ同士極端な見た目の色の違いがないか

電極の焼け具合、などですが

ミニのインジェクションエンジンだと、通勤で片道10キロくらいを走ってると、たぶんプラグは真っ白~かるく黄み掛かるような色です。住宅街から幹線道路に出て、そのあと60キロで走るようなパターンです。そうだったらミニは健康と言いますか、その乗り方ゆえにプラグが真っ白の良い色になってるんです。

真っ白=薄いのでは?と昔は言いましたが、インジェクションで薄ーくガソリンを吹いて、点火時期を早めて調子を維持してるので、従来のキャブレターの常識はここでは当てはまりません。

真っ白に少し黒い煤が電極根元につくようなものも、基本全く問題はありません。例えば通勤距離が短くて十分に水温が上がる前についてしまったり、込み合う街中を短い距離走るようだと、プラグが真っ白に焼けるようなことは難しいかも

申し上げたいのは、近距離、走り出してすぐ止めるような乗り方はガスが濃いまま発進から停止まで完結しています。
ですからプラグも白くはなりません。通勤以外にそれなりに走らせる機会が多い乗り方なら、その際にプラグは白くなります。

そういった焼け具合に何が起因するかというと、一つは水温が設定値に達するか否かです。
もう一つはスロットル開度やO2センサーによる補正範囲を超えた回転数を超える・超えない、です。

先ず、標準的なサーモスタットが88度になっていますが、それをもっと低い温度の物に替えてある場合、水温が上がらない範囲で燃調が濃くなるように設定されています。水温が上がらないと省燃費型の設定が機能しません。この温度は後付けメーターの読んだ温度ではなく、インマニパイプ内部の水温センサーの温度です。

ミニについてるコンピューターは学習能力ともいうべき、プログラムされたマップに幅を持たせてアジャストする機能を持っています。
O2センサーと水温センサーとスロットルポジションセンサー、吸気温センサーがそれぞれの数値に対して適正な設定でエンジンを運転しやすい状態に制御します。しかしO2センサーがナローバンドタイプなので、アクセル開度の大きな高回転域ではECUに情報を送る能力がありません。そのため、O2センサーが機能しない域はあらかじめプログラムされた濃い目の設定でエンジンを保護しているわけです。
通常3000回転を超えると点火時期も固定されて動きません。それと同じように燃調もそのあたりから一定になっていてもエンジンは調子よく走るわけです。

空燃比計などはワイドバンドのO2センサーを使ってレッドゾーンまで回した際の数値を出してきます。そのおかげで回してもピストンが溶けない設定に出来るわけです。

なぜワイドバンドのO2センサーを使わないかというと、値段が高いのと、省燃費目的なら十分だからです。

そういうわけで、エンジンを制御するいくつかの要因の中で、水温を適温に保つことは比較的容易で、だれでもできるエンジン保護の重要な方法です。

ラジエーターを今の日本の気候に合わせた熱帯向けの大きなものにすること、そして水路、ホース内やインマニのパイプなど腐食を水路に残さない。これは人間でいう血栓に等しいのです。

先に触れたように、「走ればいいじゃないか」的な考えでミニに乗っている方は、いつか手遅れになってしまう事もあります。

安定した水温のもと、少し長距離を走ってやれば、排気管や触媒内の煤けや燃え残りも焼き切って排出されるでしょう。

以前に、私のエンジンはDHRのように回らないんですが、なぜですか?と聞かれたことがありますが、それは上に書いたように、排気系が煤けていることも原因です。運転する回数を増やして、その際に回してやることを習慣にすれば、重いエンジンも軽く回るようになります。

上にも触れていますが、ミニばかりではなく、欧州車一般の小型エンジンは、現代のVWであっても、ある程度の距離を相当の速さで走ることでエンジンの調子を維持できます。日本のように走り出して、すぐ到着!みたいな使い方は、VWでさえシリンダーヘッド内のカーボンで不調になったり、触媒をダメにします。

ミニも含めてECU制御されたエンジンは販売当時の古く緩い排ガス規定をクリアすればいいので、触媒の種類に排ガスのレベルはほとんど影響を受けないはずです。つまり、触媒の新品部品が入手できない今、触媒内部の煤だらけのセラミック触媒を破壊して取り出し、内部にパイプを通してメタル触媒を入れれば事足りるはずです。

というわけで、長い立ち話になりましたが、DHRは今何を考えて何を開発してるかチョビッと漏らして今日のブログ終了でございます。


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