昨日深夜のブログを読んだ方からお電話いただいて
お話した内容が役に立ちそうだったので書き起こしています。
その前に、”御社のブログはチューニングとかになると、少し難しくて分かり難いから、もう少し詳しく書いてくれないか?”とも言われたんですが、
その原因は、一つのブログを書く時間が、おおよそ10~15分と短いので、ついつい内容を端折って、おまけに誤字脱字もある、その事が原因だと思います。
今日お話したのは、キャブレター車とインジェクション車、全く別物ということ。
別物というのは、インジェクションエンジンは純正ECUのままではいろいろ制約を受けるという事です。
キャブレターならどんなカムを使おうが、圧縮をどれだけ上げようが、燃費を気にしなければ、アイドリングするとかしないとか気にしなければセッティングは出ます。
インジェクションミニは当時販売されていたローバー車の4気筒シングルインジェクションモデルと共有ECUです。
中身を書き換えてあるだけで、基本構造は同じ。1300ccから1800ccまで同じECUで販売しています。
当時すでに厳しくなった排ガス規制燃費規制に対応すべく作られているので、圧縮を上げた仕様には対応出来ません。
この辺りは今の省燃費エンジンとは全く異なります。
ですから、オーバーラップの大きなカムではアイドリングしないし、圧縮が高いとノッキングからブローになります。
今でもそうですが、インジェクターのインマニポートをせっせと磨いてる方がいますが、それが吸気に与える影響は、元々がざらざらの低品質でないかぎり、ありません。
とにかく、チューニングに関する内容で書かれてるミニの記事は物理的根拠が無いに等しいです。
時々書いていますが、何でもそうなんですが、エネルギーは速度の二乗に比例します。
3000回転と6000回転では、エンジンが受ける応力は4倍になります。
メーカーはその辺りの事情を踏まえて量産車を作っていますので、メーカー量産品以外の部品を使う事はリスク大です。
もしもお乗りのミニのエンジンを少しチューニングしたい、そう思ったときは、それが今申し上げたような物理的な要件を考慮して作られているかを考えてください。
お電話で話したお客様は”分かるような分からないような”と正直なご感想でしたが、
であればなおさら、意味の理解できない物をただ勧められるままに装着する事は無駄に終わるので、
そういう意味でいろいろ考える時間を持っていただけると幸いです。