曽根です。
マニュアルになったオートマ団長。。
今年からSBoMのインジェクションクラスが
① 1分11秒台までのレボリューション ② 1分17秒台までのスプリント
③1分18秒台以降のリーガルクラス の3クラスになり
MCZさんは ②のスプリントにステップアップですね。。
MINIの研究に余念の無い団長。。。
そっちですか・・・
さて今日は・・
空燃比計が動かなくなっちゃったんでO2センサーの交換です。
ライトチューンされたMCZ号にとって、パワーバンドに乗ったときの燃調は
最重要データなので、空燃比がわからないのは困ります。
去年秋、オートマからマニュアルに変身のときに、
SVオリジナルピストンとやや緩めのハイカム(SW5)が付加されています。
SVチューンヘッド+SW5 だけなら 1271ccのころのワークスATを始めとして
今まで作った何台ものエンジンのデータがあるので
どのくらいの燃圧をかければ、このくらいの燃調になる・・ってのがおよそ予想がつくのですが
独自の新設計のSVオリジナルピストンでどこまで充填効率が向上するのか・・・・
このピストンによる違いを実走テストでデータ収集中です。
設計者のSV.田中氏によると、このピストンはMINIの燃焼室を反転したデザインにより、
プラグから遠くなってしまう燃焼室部分を無くすくことや
スキッシュクリアランスを小さくとるなどの工夫で燃え残りを減少させよい燃焼を生み出す・・・
とのこと。
このピストンを装着してから、去年11月のSBoM第4戦の走行会
そして、袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催のTBCCではレースに参戦。。
MCZ88号車はオートマ時代から何度も走ってるので、クラッチを踏んで変速する以外は
何の不安もなく激走。。。
筑波よりやや長い2.4kmのコースを10周を全開走行するTBCCの走行後に
エンジン不調が起こったのでヘッドを開けての分解点検で・・・
2、3番は異常ありませんが、1番と4番の排気バルブのみに変形が発覚。。。
こちらは4番ヘッド側
燃焼による熱と圧力で排気バルブの傘の部分が変形しステム方向に伸びて
タペットクリアランスが詰まることで更に、バルブの密着が悪くなって過熱したようです。
1番も同様の状態でした。
実は、異変が起こってまず心配したのは新設計のピストンでした。
周りの黒い部分はオートフィットコートといって、現車のシリンダーに合わせて
擦れて馴染んでいくというもので、組み付けクリアランスは5/1000mmというMINIにとっては
未知の領域のものだったからです。
ピストンメーカーのワイセコにとっては膨大なデータを元に完成されたものであっても
それを初めて組み込んだ MCZ88号車にとってはもちろん初体験の世界初!
自信を持って設計したSV田中氏も、『やっぱりクリアランスが小さ過ぎたか・・』と
不調の原因はピストンに異変が起こったに違いないと思ったとのこと。
しかし、予想に反しピストンやシリンダー壁には全く異常なく
オートフィットコートもスカートの下の部分がほんの少し削れただけでした。
ということは非常に密閉のいい状態を保ってることになります。
トップの形状と従来より一桁小さいクリアランスのこのピストンが
吸入量や燃焼に変化をもたらした最重要参考人として調査です。。
今回、バルブ変形を起こしたヘッドは・・・
オートマ時代の2016年秋にビッグスロットルと同時に装着したノーマル加工のチューニングヘッドで
その時ハイリフトロッカーも装着済みで、レースやロングツーリングに使って
2年以上ノントラブルで活躍してきたものです。
今の仕様との違いは、ノーマルピストンとノーマルのカム だったことです。
今回ハイカムで高回転での吸入効率がよくなったことも原因のひとつとして考えられますが、
冒頭に書いたようにノーマル排気量時代のワークスATはじめ
ハイカム+チューニングヘッドのMINIはたくさんありますが、今回のような問題はなかったことから
やっぱり新設計のピストンが今まで想定した以上の仕事をしてると考えて間違えなさそうです。
インジェクションMINIの場合、充填効率が高くなるということは『空気』をたくさん吸うということで
ノーマルピストンよりたくさん空気を吸った分、燃料は余計に噴射させてあげないと燃調は薄くなってしまいます。。
ガソリンは燃焼室の冷却の役目もあり、薄くなりすぎると高温になりすぎて今回のようなバルブ変形をも誘発してしまうことになります。
2番、3番は大丈夫だったのに、1番、4番が高温になった原因として
そもそも、MINIのシングルポイントインジェクション➕5ポートエンジンの宿命ともいえる構造的な問題も考えられます。
まず、スロットルバルブの上流からバシャっと吹き出した燃料が各ポートに向かう短いパイプの中で
空気と完全に混ぜるのが難しい点。
そして、4気筒5ポートとは、排気ポートは3つで 2・3番がポートを共有
インテイクは上の写真のように、1・2番 と 3・4番 が共有ポートになります。
爆発順序 1 → 3 → 4 → 2 なので
それぞれのポート内での吸入は 3→4 2→1 という順で吸い込まれることになり
先に吸う側 (3番と2番 )の方が多くの混合気を吸い込みやすく
1番と4番は、残りの混合気を吸う・・・・ことで希薄になりやすいと言われています。
吸入効率が大幅によくなって全体の充填効率が上がったSVオリジナルピストンのために、
この気筒間の差も比例して大きくなったと・・・考えます。
アイドリング時の燃圧をノーマルの約0.1Mpaから 0・155Mpaまで上げてあります。
全負荷時には約0.4Mpa上がるので、最大燃圧は0.195mpaと、ノーマルの約2倍まで上がることになります。
ノーマルピストンで同じ程度のチューンの場合は、最大燃圧は0.17Mpaくらいなので この燃圧はかなり高く
普通だと踏み込むと濃すぎてカブリの症状が出るのですが
MCZ88号車はそんな気配もなく、ニューピストンのおかげで良い燃焼をしてるようです。
その燃圧調整も、薄くなりやすい1・4番がちょうど良くなるように燃調を合わせることが必要になります。
そのために空燃比計がどうしても必要なわけで・・
こわれてしまった空燃比計のO2センサーを交換するという今日のメニューになったのでした。
高回転高負荷で起こった気筒間の燃調の差は普通に一般道を走ってきたときはどうか・・
まずはプラグチェックしてみます。
1番プラグ いいですね。。
2番のほうが白っぽく見えるくらいで、1番が薄いということは無いですね。。
ポート拡大されたチューニングヘッドとハイカムで高回転で、その差が広がるのでしょう。
ノーマルエンジンなら心配いらないくらいの差と考えて良さそうです。
1.5倍の燃圧をかけてるのにプラグの焼け具合が普通なのは
低負荷時にはECUが燃調の補正して、
排ガスの濃さからの短期学習で、燃料噴射量を本来の86%に下げてるからです。
高回転高負荷になるとこの補正は無くなり、掛けた燃圧に比例して濃い燃料を噴射することになります。
なので高負荷時での空燃比に合わせて燃圧を調整する必要があるわけです。
では、壊れてしまった空燃比計のO2センサーの交換します。。
交換してるのは たつろうメカですが・・
O2センサー 新旧交代の儀
通常はすべての排気ガスが集合した二又パイプの直後で測るのですが
今回特に
知りたい空燃比は 1と4番ですので LCBの 1と4番が集合した直後にO2センサーを取り付けます。
空燃比計 復活です。
燃調が薄くなった原因として、インジェクターの詰まりもあるかもしれないので
念のために交換しておきます。
燃圧0.15Mpaでアイドリングでの 1,4番の空燃比は、
ECUの補正がかかって理想空燃比よりやや濃い目の14.3
空燃比が見えるようになれば安心。。
筑波のバックストレートや最終の立ち上がりあたりの
一番燃料を必要とするところでの燃調が目視で確認できます。
先ほど交換した、インジェクターや空燃比計が正常に作動しているかの確認のため
アイドリング時の燃調補正(フュエルトリム)を100%として、ECUのプログラムどおりの燃料噴射量に
したときの燃圧チェックします。
0.11Mpaで燃圧もノーマル車とほぼ同じ そして
空燃比も適正なのが確認できたので、インジェクターも空燃比計もOKです。
ここからはテストコースで・・
いや一般道なので速度を守りながら燃調テストに行ってきます・・
走り出して驚くのは低回転からしっかりトルクがあってスムーズってこと。
高圧縮で捻り出したトルクって感じじゃなく普通なんです(笑)
高回転で全開加速してる時の燃調がポイントです。
このあたりから 全開で加速〜・・・
高負荷の時の燃調は11〜12.0位にしたいので
やはりノーマルと同じ燃圧では高負荷時の燃料は不足してるのがわかります。
激しい加速にミシュランマンも おっとビックリ!!!
こうして、常に燃調を確認しながら走行してください・・
レースでは薄くなり過ぎないように特に注意してください。
室内から燃圧が微調整できるようになると便利ですね〜
春頃にはSVからそういう便利なパーツが出てきそうな予感が・・♪
一般道を普通に走るなら ノーマル車と同じ燃圧でOKですね。
これからは、1、4番の燃調を確認しながら走れるから安心ですね。
では、今シーズンはまずはマニュアルに慣れて
そして暴れまくっちゃってください。。。
飛ばしすぎ注意です。。。(笑)
ありがとうございました。
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