日曜朝のバラエティー番組サンジャポで、日本通のデイブ・スペクター氏の車検についての考え、ご覧になっていない方のために言うと、日本車の2年ごとの車検制度は不要でないか、という話で、日本車は出来がいいので車検期間を
延ばすなり簡素化すべきだという内容です。
もっともな意見で、今じゃオイル交換1万キロ、ラジエーター液10年10万キロが交換のサイクルですからね。ブレーキもパットやシューの減りはあっても漏れはほとんどありません。
日本車には通用しそうな話も、輸入車にはちょっと無理があります。
それがローバーミニとなると、すでに車齢23年以上ですから、ここまでの話の中に入れない車種となります。
ミニの専門店を自称するお店は、車検が高すぎて最近ミニに乗り始めた人は車検に出しません。
乗っている方も、ブレーキやクラッチの不具合がぎりぎりまで自覚できないケースが、今も昔も多いのがミニです。
ベアリングのガタや、ブレーキの左右制動差もあまりわからない。
それが良くないと言ってるわけではなくて、はっきりと車検の要件に引っかからないレベルなら、そこはスルーする方がお客様には喜ばれます。
喜ばれるというのは誤解が生じる表現ですが、その反対が、些細なことも大げさに説教臭く修理を勧める、やってしまう事なんです。
長期間交換履歴がない部分は、乗り続けるなら交換が必要なことは誰だって納得できますが、購入時に整備したものを買ったのに、とか、前回の車検で結構な費用を払ったのに、と思う場合は、なんか維持費掛かりすぎ、と思われても仕方ありません。
もちろんその逆で、整備から帰ってきたら随分とフィーリングが良くなったと思われる場合も、整備する側としては当たり前なので、喜んでもらえないと、費用だけ負担させたかなぁ、と思ってもおかしくないですよね。
今年は自賠責保険料が下がって、保険税金印紙代で44650円が諸費用です。この金額にミニを車検で通す整備費用や車検を代行する費用が加算されたのが皆さんに請求する車検費用総額です。
SNSなどでもユーザー車検で陸運局のラインを通って車検を取ってくる方の投稿が昔からありますが、最低限のブレーキ制動や排ガスチェック、ヘッドライトの光軸やブーツ類の破れがなければ、検査員さんもオイルだだ洩れラジエーター液滴りがない限り通してくれる”場合もあります”(笑)
ベテランの詳しい、検査員の指導的な立場にある人に掛かったら、ツッコミどころ満載です。
昔のように何度も検査ラインに入れませんので、落ちればその日一日を棒に振ることになるのが最近のユーザー車検事情で、時間も暇もたっぷりある方は良いですが、現在、ネット社会を反映して、ユーザー車検で落ちた車輛を整備工場に持ち込んで車検を取ろうとすると、陸運局で引っかかった個所を100%指摘問い合わせしてきます。
車検に関しては、押しつけがましくならないように、最低限車検要件をパスするような範囲で整備修理を行い、ユーザーが気にしていない不具合については、なるべくあれこれ言うのは控えめにしています。
何かあったら、すぐ来てくださいね、が今風の専門店の在り方かなあと思うんです。
客を選ぶような態度のお店もありますが、そういう場合はだいたいが車検費用で20万を超えますし、リアのホイルシリンダーぐらいしか交換していません。
どんな仕事も値段だけで選ばれては受ける方も相手を選びます。本当はそんなに大掛かりな整備じゃなくても解決出来たんじゃないかと思われるような故障はよくあります。
もう現代の日本車とは比較対象にならない古い車ですから、乗り続けるにも手が掛かることだけは確かと思ってくださいね。