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ホイールアライメント調整

 2022年11月26日、Super Battle of Mini第4戦の前日ですが、愛知から埼玉の三郷への移動の途中で八王子のキャメルオートさんにお邪魔して、ホイールアライメントを調整して頂きました。

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 先日の記事でも載せましたが再掲です。上の写真は第3戦までのフロントタイヤ。ホイールアイーチに比べてタイヤがかなり前に出てます。

 緑ミニはFIAのAppendix K準拠のボディという由緒正しいヒストリックレース仕様であるため、それにふさわしいホイールアライメントということでP師がGoodwoodの仕様を調べてくれた結果、Goodwood車両ではキャスターを4度程度まで寝かせているらしいという情報を得て、それに倣ったセッティングにしています。が、キャスターを寝かせるとタイヤが前に出るのでステアリングを切ると前側のフェンダー端にタイヤが当たってしまうんですよね。

 おそらくGoodwoodで使用されているCR65ならばタイヤの接地面が狭くてショルダーが角張っていないのでフェンダーに当たらないのではないかと想像してます。あるいは当たっても全然気にしてないかw
 ところが、今使っているのは10インチのA032か12インチのA048で、タイヤの接地面が広くてショルダーが角張っているのでどうしても当たってしまうんですよね。
 緑ミニの場合はタイヤがフェンダーに当たった結果、タイヤショルダーがカンナをかけたように削れたり、それだけでなくお気に入りの黒モールが削れてしまったりフェンダーの塗装が振動で割れて欠けてしまったり、と、いろいろ問題を起こしておりました。コーナー毎にギョーっという当たっている音が聞こえて気になって攻めきれないし、当たるのを避けるために車高を上げたりネガキャンを大きめに付けたり・・・と、セッティングとしても本末転倒な状況に陥っておりましたので、心機一転リセットすることにしました。

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 八王子に出かける前の自宅ガレージにて。念のためロック・トゥ・ロックでステアリングのセンターと切れ角を確認してみました。まずは左に目一杯切った状態がこちら。

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 タイヤの切れ角はこんな状態。

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 逆に右に目一杯切った状態のステアリングがこちら。ステアリングの回転角は左右均等なので、ステアリング自体の取り付けがズレているって事はないですね。

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 タイヤの切れ角はこんな感じ。

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 少し切れた状態・・・このくらいの舵角の時に、

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 フェンダーとのクリアランスがヤバくなります。というか削れてしまった黒モールが痛々しい(涙

 10インチの1G接地状態でこれですから、コーナーでロールしたら即アウトですね。で、ショルダーが角張っている12インチだと更に激化する、と。

 今回のアライメント調整で最優先で解決したい課題がコレです。その外には前後のキャンバー角度の現状を確認して、ネガキャンが過大なようだったら戻しつつ左右でそろえる、とか、フロントがかなりトーアウト状態になっているのでトーゼロに揃えつつ、直進時にやや右に舵が取られるので左右のキャスター調整で症状を収める、ですかね。そんなことを課題として考えておりました。

 実はキャメルさんに相談する前に愛知県内で3軒のショップに相談したのですが、以前お世話になったショップさんはアライメント調整機を更新した結果ミニには対応できなくなったとのことでNG、もう一軒は来年1月まで予約がいっぱいでNG、最後の1軒はなんとか対応してくれてアダプターがタイヤに取り付けられるところまでは確認できたのですが、ステージの手前の段差を緑ミニが超えられずにNG、と、3連続で惨敗を喫しました。旧車に厳しい世の中ですよね。で、最後の拠り所としてキャメルさんに縋ったわけです。レースの前日になってしまいましたが汗

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 自宅を土曜日の朝8時に出て、静岡あたりで雨に降られてSAで1時間ほど雨宿りをした以外には特に渋滞もなくスムーズに走れた結果、13時前にはキャメルさんに到着することが出来ました。久しぶりの光景です、何年ぶりだろうw

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 先約のお客さんのアライメント調整が押していたので待つことしばし。若手が担当してくれるとのことでしたが、下準備として曽根さん自らが現状のキャンバー角を測ってくれました。

 測定の結果、フロントのキャンバーは右が-3.4度、左が-3.4度。ネガキャンの大きさはともかく意外にも左右で揃ってましたね。ネガキャンを大きめに付けているのはA048を履いた時にフェンダーに当たらなくするための苦肉の策で、A032の時に比べて-1度ほど余分に付けてもらった結果です。通常はインチアップしてタイヤの剛性が上がったらネガキャンは小さくするのがセオリーですので、セオリーに逆行している状態です。できれば-3度弱に落ち着けたいです。

 リアのキャンバーは右が-1.9度、左が-1.2度でした。Goodwood仕様、ケース剛性の低いCR65ならば納得できるセッティングです。もともと剛性低くて滑りやすいタイヤですのでネガキャンがゼロだろうが強めに付いていようが滑り出すことに変わりは無く、逆に滑り出して外輪に荷重が乗った時にはタイヤが撓む分を考慮して少しでも接地面積を稼ぐために大きめのネガキャンを付けているんでしょう。
 現在の剛性の高いSタイヤを履く場合はリアのネガキャンは基本的にゼロでもいいくらいなので、右の-1.9度は明らかに付けすぎになります。ちなみに赤ミニの時は-0.5度にしておりました。-1.0度にしたらテールハッピーになって慌てて戻した経験があります。コーナーに入った時のリアの落ち着きの無さはどうやらコレが原因だったのかと気づくことが出来ました。

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 リアのトーイン測定用のキャメル特製SST(スペシャル・サービス・ツール)w 角材の先がフロントタイヤのどのあたりを指すかでトーインの程度を測ってます。

 左リアはフロントタイヤの真ん中ぐらいを指してますので、結構大きめのトーインになってます。筑波の最終コーナーを安定させたくてトーイン大きめに付けてもらうようお願いしてましたので、その結果かなと思います。リアのネガキャンを大人しくさせればここまでのトーインは必要なくなるかもしれません。

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 右リアはフロントタイヤの外側1/3位を指してます。左リアに比べて大人しめのトーインですが、少なくとも左右のトーインは揃えたいところではあります。

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 ところが、緑ミニが使っているこのKAD製のブラケットの場合、トーの調整はシムを挿入してブラケットの取り付け位置ごと調整するタイプでしたので、シムが用意できてない本日は調整できず。リアのトーの調整に関しては次回以降の課題となりました。

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 というわけで、リアに関してはキャンバーの調整に絞って作業を進めて頂きます。作業担当は若手のムナカタさん。よろしくお願い致します。

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 先輩の厳しい指導を受けながら作業を進めてます。石川さんそれ何の指導w

 リアのネガキャンは左右とも-0.8度に落ち着きました。あまり急に変えると挙動が変わりすぎて僕の感覚が付いていかないかもというのと、赤ミニ同等の-0.5度を狙うと12インチ履いた時にフェンダーに当たるかもと心配になったのが理由です。KAD製ブラケットのノッチ1本で約0.4度調整できることが分かりましたし、現状も今後の方向性も明らかになりましたので、筑波で12インチで走ってみて当たるかどうかを確認したら次は-0.4度を試してみようと思います。

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 最後に今回の最難関箇所であるフロントのアライメントに取りかかります。リフトアップしてタイヤが下がるとキャスター角は更に大きくなる方向に変化します。その状態ではありますが、10度位あるように見えますね。ちなみにミニのキャスター角の純正規格は3±1度ですが汗

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 右フロントも同じようなキャスター角です。

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 ミニのフロントサスペンションはダブルウィッシュボーン式で、アッパーアームは非調整式で固定なのでキャスター調整はロワー側のテンションロッドの長さで調整することになります。で、テンションロッド長くしてキャスター角を立てると共連れでネガキャンも大きくなるし、トーアウト方向になるし、とアライメントが複雑に変化します。各項目のバランスを取るにはこれまでに蓄積したノウハウが重要になりますので、曽根さんが相談役になってくれてます。社長自ら若手に指導!・・・素晴らしい職場ですねw

 調整の順序としては、まずはテンションロッドを伸ばして左右のキャスター角を3度狙いで調整し、その後キャンバーを-3度になるよう後ろ側のロワーアームで調整、最後にトーゼロを狙ってタイロッドを調整、でした。この状態で試走したところ、まだわずかに右に進路がぶれたので右のキャスターを更に立てる方向に調整し、共連れで変わるキャンバーやタイロッドを更に調整・・・のサイクルを2回繰り返し、満足いく結果に落ち着くことが出来ました。

 最終的なアライメントは、フロントについてはキャスター2.5〜3度(推定)、フロントのキャンバーは左右とも-2.8度、フロントのトーイン0mm。リアについてはキャンバーは左右とも-0.8度、トーは調整せず、となりました。リアのトーが左右で違う状態のまま直進するようフロントのキャスターで調整してますので、そのあたりは今後もう少し詰める余地があるかもです。

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 フロントタイヤの中心がホイールアーチのほぼ中央に来るようになりました。これこそ設計上のノミナル、正しい状態ですよね。

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 筑波にて。再々掲ですが12インチのA048を履いた状態です。こちらが調整前の状態。

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 こちらが調整後の状態です。

 調整前とは左右逆の様子ですが、タイヤがフロントフェンダーアーチのほぼ中心に落ち着いてくれてます。キャンバーを立てたにもかかわらずフェンダーとのクリアランスにかなり余裕が出来ましたので、もう少し車高下げられるかもしれません。

 レースに関しては、予選のタイムアタックで失敗したとか、スタートで半クラミスってホイールスピンかましたとか、前走車にビビってシフトミスして後続車に抜かれたとか・・・散々だなあ自分(汗)。まあ結果的に4位に入ることが出来ました。
 レースで感じた足周りの印象としては、リアに関してはまだおっかなびっくりで探りながらではあるものの最終コーナーの安定感が抜群に向上しましたし、フロントに関しては直進安定性は若干失ったもののコーナーリング中の増し切りやアクセルのオンオフに対する余裕も増えた印象で(ということはグリップ限界まで使えてないって事ですが汗)、前後輪とも大幅にレベルアップできた印象です。

 今後が楽しみですし、とりあえずは年末に自分が得意とする成田モーターランドで限界まで試してみるつもりです。得られたゲインを使いこなせるように早くなりたいですね。

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