スカイラインGT-Rと言えば、日本の高級スポーツカーの代名詞と言っても過言ではない。中古でもニスモバージョンともなれば2000万円超えはあたりまえの世界なのだ。
奈良日産の「中古車登美ヶ丘店」はそんなR35型GT-Rを数多く扱う数少ない日産ディーラー直系の中古車販売店であり、メンテや保証もバッチリ。
なんと、そして、店をのぞいてみるとスカイラインR32型GT-Rや34型GT-Rがあるではないですか、いまやネオクラシックカーブームでこちらも2000万円近いクルマが多数!! そしてさらに初期型NSXの低走行車まで……これはどういうこと?
そんな奈良日産自動車株式会社の中古車部門である「中古車登美ヶ丘店」の店長さんに直撃インタビューしてきましたのでいろんな疑問にお答えします!
文/谷津正行、写真/奈良日産、編集部
■奈良日産中古車登美ヶ丘店は要チェックの店だった!!
すでによくご存じで、「公式サイトを毎日チェックしてますよ!」なんて人もいるかもしれないが、今、奈良日産自動車株式会社の中古車部門である「中古車登美ヶ丘店」が非常にアツい。
日産ディーラーの中古車センターといえば、「2019年式 日産 セレナe-POWER ハイウェイスターV/走行1万9000km/299万8000円」みたいな物件がメインになるはずで、こちら奈良日産自動車にも、当然ながらその手の一般的な中古車は展示されている。
だがそれ以上に、「……ここは1990’s国産スポーツの桃源郷なのか?」と叫びたくなるほどのお宝が多数、陳列されているのだ。
例えば2022年4月上旬現在、第2世代スカイラインGT-Rの販売物件はR34が8台もあって、R32も1台が展示されている。
さすがは正規ディーラーの中古車部門だけあって、それらはどれも「上モノ!」と叫びたくなるレベルの個体なのだが、叫びたくなるのはその点についてだけではない。
■なんで!? 日産ディーラーなのにホンダ『NSX』やマツダ『RX-7』が……
日産ディーラーであるにもかかわらず、「1991年式ホンダ NSX/走行1万2000km/ワンオーナー/1788万8000円」や、「1992年式マツダ サバンナRX-7カブリオレ ファイナルバージョン/走行5万4000km/463万8000円」といった、他メーカーのネオクラッシックも普通に陳列されているのだ。
で、それらのホンダ車やマツダ車が「NISSAN認定中古車」になっているという、なんともシュールな状況が発生しているのだ。
奈良日産自動車株式会社の「中古車登美ヶ丘店」はなぜ、こういったネオクラシック車を前のめりで扱っているのか? ていうかこんなにたくさんのお宝を、どこから仕入れているのか? そしてなぜ「ホンダNSXのNISSAN認定中古車」みたいなシュールな状況が生まれているのか?
……謎は深まるばかりで夜も眠れなくなってしまったため、同社同店の田中克典店長を電話で直撃し、諸々の背景や真意を尋ねてみることにした。
■疑問を解決すべく奈良日産 中古車登美ヶ丘店の田中店長に直撃インタビュー
――ということで奈良日産自動車株式会社 中古車登美ヶ丘店の田中店長、ぜひいろいろ教えてください。
田中店長 承知いたしました。なんでも聞いてください。
――いきなりですが、貴店はなぜこんなにもステキなラインナップにしているんですか?
田中店長 弊社は奈良県下で新車販売7店舗と整備工場7店舗、中古車販売2店舗を展開しており、弊店は2店目の中古車販売拠点として2019年1月にオープンしました。
――はい、なるほど。
田中店長 そしてオープン当初から「R35 GT-Rに強い店」という方向性に特化していたのですが、それと同時に「やはりネオクラシック車のニーズもかなり高い昨今、そちらにも力を入れたほうがいいんじゃないか? ウチはショールームもかなり広いから、それらを展示するスペースもあるわけだし」ということになって、2年ほど前からネオクラシックを徹底的に集めるようになったんですよ」
――なるほどぉ。それにしても素晴らしいコンディションの90’s名車ばかりですが、これはどうやって集めているのですか?
田中店長 日本全国のオートオークションと、後はユーザー様からの直接買い取りですね。日産の正規ディーラーということで、多くのお客様が弊社を信用してくださるからでしょうか、おかげさまで本当に多くの素晴らしい個体を買い取らせていただいております。
――とはいえ、昨今はネオクラシック車の相場がかなり高騰してしまっているじゃないですか?
田中店長 おっしゃるとおりです。
――それゆえ、おそらくは仕入れ価格もかなり高いと思いますし、その結果として売価も高くなっちゃいますよね? 例えば2002年式のR34 GT-R Mスペックが2498万円とか。そいったプライスでも、買っていく人は買っていくのですか?
田中店長 おかげさまでお問い合わせの数はすごいことになっておりますし、実際にお買い求めになるお客様も数多くいらっしゃいます。
■他メーカーのネオクラシック車を取り扱いだした理由
――どんな人が買ってらっしゃるんですかね?
田中店長 お客様はもう多種多様でいらっしゃいますね。「若い頃に憧れていたクルマを今!」というお客様もいらっしゃいますし、ネオクラシック車を「資産」として捉えているお客様もいらっしゃいます。本当にまちまちですね。
――なるほど……。まぁ確かに私もお金さえあればR34 GT-R、いろいろな意味で絶対に欲しいですしね。ていうかホンダの初代NSXとかマツダのFC(サバンナRX-7)とかも扱ってらっしゃいますね?
田中店長 はい、おかげさまで。
――それって日産ディーラーとしてどうなんですか?
田中店長 日産車以外を販売しても、規定としては何ら問題がないというのがまずはあります。しかしそれ以上に私ども自身が、他社さんのネオクラシックスポーツも大好きなんですよ。NISSAN認定中古車として扱える状態の個体に巡り会えたなら、日産車かどうかにこだわらず、積極的に取り扱いたいと考えています。
――「ホンダNSXやマツダのFCがNISSAN認定中古車である」というのはなかなかシュールでいいですよね。
田中店長 はい(笑)。NISSANのワイド保証(走行距離無制限の基本保証)を、ホンダさんのNSXや、マツダさんのFCなどに付けさせていただいております。
■今後も中古車登美ヶ丘店のGT-Rを中心とした良質なネオクラシック車に注目!!
――今後も、奈良日産自動車株式会社 中古車登美ヶ丘店は「ネオクラ路線」を続けますか?
田中店長 状態のいいネオクラシック車の数はどんどん減ってきていますし、ご承知のとおり仕入れ価格の相場も、現在はちょっと大変なことになってしまっています。しかしそれでも最大限の企業努力をしながら、良質で上質なネオ・クラシック車を、これからもずっと扱っていきたいと考えています。ご興味のある方はぜひ、当店自慢の――スカイラインGT-Rを中心としながらも、決して日産車だけにとどまらない――90’sスポーツの数々にご注目いただけましたら幸甚に存じます。奈良市登美ヶ丘の広いショールームでお待ち申し上げます!
――……私もぜひぜひ伺いたいと、本気で思います。本日はありがとうございました!
投稿 ここは1990年代スポーツの桃源郷か!? 奈良日産登美ヶ丘店に続々入る国産ネオヒストリックモデル! は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。