
VINTAGE MINI AUSTIN MINI COOPER ’69 ×
Noriyuki Narusawa

サングラスをかけると、映画「The Italian Job(邦題:ミニミニ大作戦)」に出てきそうな雰囲気のNさん。クーラーが付いていないこのクーパーを、真夏でもスーツを着て通勤に使っているというからオシャレ。まさにミニのあるライフスタイル!
「これまでMkIIIとインジェクションのATに乗ってきて、3台目のミニとして’02年から所有しているのが、このMkIIクーパーです。一部MkIルックになっていますけど、キャピタル企業のディーラー物です」と話すオーナーのNさんは、このMkIIクーパーに18年間乗っている。もちろんミニ歴20数年にもなるベテランだから、もれなく熱狂的なミニクーパーの大ファン。英国・クーパーレジストリーというクラブの日本支部として精力的に活動していた時期もあるそうだ 。レジストリー系のクラブ所属していただけに、当然、ご自身のMkIIクーパーのヒストリーもきっちり調査済みだ。
18年間の間にエンジン、ミッション、クラッチ、キャブレターなどをO/H。ホース類やワイヤーハーネスなども交換するなどして、毎日の通勤に使えるようなコンディションが保たれる。 新車当時オプションだった右側フューエルタンクユニット(ツインタンク)。ダミーではなくホントの燃料タンクだ。 ボディカラーはアーモンドグリーンとスノーベリーホワイトのルーフ。ホイールは4.5J×10のアルミにタイヤはダンロップSP10 145SR10。 助手席は純正シート、運転席には’70年代のバケットシートを装着。メーター類はスミス製で統一した。センターメーターのkm表示はオリジナルの黄色で、スケールは200km/hまでのタイプだ。 センター出しのマフラーはRC40。 サスペンションはハイドラスティックからラバーコーンに変更済み。ショックはSPAXを組み合わせた。またリアブレーキはミニファンドラムとしている。
「シリアルナンバーが*****56Cのクーパー1000になります。MkIIはクーパーの中でも希少なモデルで、’67~’69年の3年間に渡って生産されていたことはよく知られていますが、実際の生産期間はわずか19か月だったため、総生産台数は16396台。その中でもオースティンブランドのものはわずか9168台とミニの中でも希少なモデルです。
私のMkIIクーパーは、BMIからヘリテイジトラスト(車両証明書)というファクトリーレコードも発行してもらっています。シャシーナンバー、エンジンナンバー、生産時のボディカラー、生産日、仕向地などが記載されているのですが、ボディカラーはラインオフ時からのアーモンドグリーン&スノーベリーホワイトルーフ、ディーラーはキャピタルエンタープライズと記載されていまして、うちのクルマはかなりいいコンディションで生産から50年を迎えたのがわかります」
また驚いてしまうのは、こんな希少なクーパーを、Nさんは18年間、毎日の通勤に使っているんだとか!
「’69年式ですからクーラーは付いていませんが、18年も乗っていると慣れてしまって夏場でもなんとか我慢できています。もちろんMkIIで通勤するときでもスーツを着ていますよ(笑)。
もう50年モノではありますが、エンジンはO/Hをしていますし、ミッション、クラッチ、キャブレター、ホース類、ワイヤーハーネス類も含めてすべてに手が入っています。サスペンションはハイドラステイックからラバーコーンに変更して、消耗品はすべてO/Hと交換。ショックアブソーバーにはSPAXを入れるなどして、通勤にも快適に楽しく乗れるようにしていますので、今後もずっと家族として乗り続けたいと思っています」とNさん。
Nさんの現在の熱中度からすれば、あと20年、70年モノになってもNさんは毎日このMKIIクーパーをドライブしてそうだ。