ローバーミニ Mk-IクーパーS仕立てのTRMを徹底分析！1/2【STMコレクション】

by streetmini2021年2月11日2021年2月12日

AUSTIN MINI COOPER S Mk-I 仕様

’91年のローバー・ミニに現代の技術を込めることで、ミニ・クーパーS Mk-Iの姿を再現。ただし完全に同じ姿にするわけではなく、LEDヘッドライトバルブに替えたり、ラリーのイメージを取り込んでカスタムするなど、世界で１つのルックスを手にいれた。

単なるカスタム＆ドレスアップ車ではない、単なるレストア車とも違う、TRMというオーダーメイドで理想のミニを実現する。

　思い描いてきた理想のミニを形にしてくれるタートルトレーディングのTRM（タートルリバイバルミニ）。これまで十数台、TRM仕上げのミニを本誌では取り上げてきたが、そのすべてのオーナーが「一生このミニに乗り続けたい！」と言うほど夢中になるその魅力を、バーチグレーのオースチン・ミニ・クーパーS Mk-I 仕様から探ってみよう。この車両を担当したのは、タートルトレーディングの佐藤店長だ。

「車両のベースは’91年のミニ１０００で、このTRMは当社のテストカー＆デモカーとして仕上げました。エンジンはA＋１３００をベースに、キャブレターにはウェーバー45DCOEをセットして、走る楽しみを追求したストリートチューニングであり、公認車検も取得しています。

　TRMのコンセプトは、クラシックミニの原点、Mk-I、II、IIIのフォルムを取り入れて、内外装の仕上げはその当時を再現し、そこにオーナーの個性を加えることで、カッコいいクルマへと自由に創り込みます。

　中身は実用性を重視し、安心して走れる内容にし、同時に楽しく乗るためにエンジンを１０００ccから１３００ccへと換装。G・BOXはクロスミッションへ変更。ファイナルギア比はストリート向けの３・２レシオに変更。これらを支えるサス回り、ブレーキ回りもアップグレードしています。

　また当社のテストカーでもあるこの車両では、新しいことにトライしたり、当社のオリジナルパーツが各種取り付けられています。
　例を紹介すると、クーラーの吹き出しをデフロスター側に切り替えたり、クーラーの吹き出し口を運転席側に増設して機能性を向上させています。

　TRMの製作にあたっては、お客様のご予算やご希望に合わせて対応していますが、長年経過した消耗品は徹底的に交換し、リセットするのをまずお勧めしています。これにより、新車時と同じようにトラブルなく長く乗れるようになります。長年使った消耗品を中途半端に残すと、交換していないパーツが劣化してトラブルを起こしますので。

　さらにTRMでは、ミニの楽しさを満喫できるように各部に手を加えます。
　例えばエンジンは、OH時に排気量をアップ。１３８０ccにすれば、85～１００BHPを発生します。エンジントルクも低速から全体にアップし、乗りやすくて余裕を持って走れるようになります。

　エンジンチューニングの一例として、SPiインジェクション車で１３８０cc＋ノーマルカムで、１００BHPを出すこともできますよ。
　サス回りでは、サブフレームマウント交換、NEWラバコーン、コイルサス、車高調ショック、前後スタビ、キャンバーキットなど。お客様の走りへのイメージに合わせてセットアップします」
　なるほど。ここまで来ると、レストアやチューニングをはるかに超えて、世界で１つのミニを作っているってこと。それがTRMなのだ。