’60年代ミニを語る上で忘れてはならないのが、いわゆる「当時モノ」。当時の純正パーツやチューニングパーツを多数ストックするミニ業界の重鎮、越後廣正氏の希少なコレクションをご紹介していこう。
一番乗りやすいスリーリングカムシャフト53°
このカムシャフトは1960年代後期の幻のスリーリング、C-AEA731.53°のCパーツである。
スタンダード1275クーパーSのカムシャフトは、ワンリングのピンタイプAEG510の31°がついている。
BMC、B/L社ではRoad、Rally、Race用に、各コンペティションチューニングなどのCパーツを販売していた。
73°はRally用としてフランジタイプのみ、C-AEG643。95°はRace用としてフランジタイプC-AEG529とピンタイプC-AEG648。その他105°、115°、8Port用などが発売されていた。
街乗りとしてワンステップチューニングにはスリーリングの53°が一番乗りやすく、それ以上の度数はレースなどで走るには良いチョイスではないかと思う。
1963年キャピタル企業が創業
当時の自動車検査証入れ
Austinの代理店として1963年7月24日、渋谷の富ヶ谷にキャピタル企業が創業された。
’63年に850ccを数台輸入。
’64年に997Sクーパーを輸入。早崎治氏がレース参入。
’65年、1071クーパーを数台輸入。
’66年、クーパー1275S MKⅠを本格的に35台輸入。
最終前のMKⅠの34台目は、1968年1月25日京都(京5む)のシングルナンバーである。
当時の車検証は幅25.5cm縦18cm(現在は29.5×21)とひとまわり小さく、現在の車検証は’60年代のキャピタル車検証入れに折り畳んで入れている次第。
’70年代初期、ノンスリップデフ入りストレートカットClose RatioギヤのC-AJJ3371コンペティションギヤボックス。
Std.R MKI IST-3.20 2nd-19.2 3nd-13.6 Close.R IST-25.73 2nd-17.22 3nd-12.55でLaygear23、20、17、13のC-AJJ3371を入れ(Std.R26、23、19、13)、一度はノンスリップデフ、ストレートカットギヤのクロスレシオを入れて乗りまわしたがギヤ音がうるさく、都内の信号の多い街乗りには乗りにくく、やはりCパーツとジャックナイトのストレートカットクロス、ノンスリップデフはサーキットでのレースなどで使用して楽しいパーツである。
当時ポンド780円時代、£600近く支払った記憶がある。現在はグリスをふりかけ当時の木箱に保管してある。
2019.4月号より