ストックヴィンテージ オリジナル鍛造ピストン+20
「新車当時のエンジンコンディションを永く維持する」ことを目的に開発されたオリジナルピストンは、エネルギーロスだけでなく、エンジンの長寿命化のためにさまざまな工夫が施された「最高のリペアパーツ」なのだ。
ミニのエンジンが持つ弱点を克服し「理想の爆発と長寿命を実現することで、新車当時のエンジンコンディションを永く維持すること」をコンセプトとしたストックヴィンテージのオリジナルピストンであれば、エンジンの長寿命化はもちろん、思わぬパワーアップも期待できるのだ。
燃焼室だけじゃないブロックにも優しい設計
田中代表によれば、そもそもこのピストンは「理想の爆発と長寿命を実現することで、新車当時のエンジンコンディションを永く維持すること」をコンセプトに設計したもので、レースやスポーツよりも、ノーマルエンジンに向けて開発されたのだという。というのも、近年のミニのエンジンは消耗が激しく、ピストンをサイズアップしなければならない状況が増えてきたのだという。そこで、田中代表はメカニックとしての目線で「最高のリペアパーツ」を実現すべく、ピストン開発に乗り出したとのことだ。したがって、このオリジナル鍛造ピストンには、エンジンにダメージを与えないための工夫が随所に凝らされている。
「まず、この黒いコーティングはオートフィットコートと呼ばれるもので、これを施すことによってシリンダーとのクリアランスを最適化して、首振り運動によるシリンダーへの攻撃性を抑えます。まずこのピストン径はシリンダー内径71.000mmに対し70.935mmとなりますが、コーティング膜厚が片側0,03mmなので、ピストン全体では70.995mmとなります。これにより組み付け時のクリアランスが0.005mmとなります」。
また、このコーティングが完全に剥がれるまではピストンもシリンダーも消耗しないため、オーバーホールまでの期間が純正ピストン使用時よりもさらに延ばせることが期待できるわけだ。さらに、ピストンリングは高品質なNPR製のスリーピースを採用しており、それぞれのサイズを1.0mm、1.2mm。2.4mmに設定することで、摺動抵抗の低減も狙っているという。また、ピンを含むピストン自体の重量も純正品より33g軽量化することで、フリクションやクランクメタルへのダメージも抑えており、エンジンの長寿命化につなげているのだ。
アルミ鍛造に加え、裏面を徹底的に削り込むことで、ピンを含む重量が1個あたり33gの軽量化に成功した。
田中代表
「ミニのパワーアップは、コンディションを整えることでロスを減らし、最大限のパフォーマンスを引き出すことがいちばんの方法」と語る、SV田中代表。同店からリリースされるパーツはサーキット向けの印象が強いが、実はいずれも快適な街乗り仕様を目指して開発されているのだ。
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ストックヴィンテージ
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2019.4月号より