みなさん こんにちは。
大変 ご無沙汰してしまいました。
久々のテーマは、 ストリートミニ今月号に取材頂いた NARITA SPRINT GTS MK1です。
我々の大先輩であり、ミニの先駆者のナリタさんの製作したスプリント、車輛の各部を見ていくと
30-40年以上前の時代にノウハウがない中、ここまで素晴らしい車を作り上げたのは、
並みならぬ、情熱とスキルとセンスの結晶のような感じがしました。
昨年末 ご縁があって私共のガレージに入庫したナリタスプリントですが、新しいオーナーの
もとへ6月初旬に無事納車出来ました。
現車を真近で見るのはなかなかありません。皆さんもイベントへ行った時ぐらいでしょうか。
ナリタスプリント 入庫時の貴重画像 車が仕上がって30年以上過ぎています。
私共も昔からスプリントへの憧れがあり、イギリス ミニマシーン社に依頼し、ロブオーカースプリント
の中でも、最も美しいボディフォルムをベースに90年代初頭から製作して来ました。
私共の第1号車は、当社 西村店長が所有する オースチンクーパー MK1 スプリントです。
当時はまだベースとするMK1も本国に多数あった時代、1号車は何とクーパーS Mk1を
ベースで仕上げました。
エンジンは車両により異なりますが、100馬力ぐらいのロードエンジンに、当時供給できていた
ジャックナイトのストレートカット5速クロス G BOXを標準にしておりました。
製作にはとても時間がかかり、年間に1台ペースがやっとです。
ナリタスプリントは合計10台製作されたと聞きますが、1台の車をボディに始まりゼロから
組上げるのは相当な時間が必要で、工程を考えるととてつもない台数だと思いました。
今回、新しいオーナー様の希望に合わせ、各部を仕上げ直し、更にカッコいいスプリントに
なりました。
エクステリア
6Jモール付用同色オーバーフェンダーに ミニライトタイプアルミ6J-10 ホイールのカラーは
こだわりの濃いガンメタ、タイヤはダンロップCR65 5.0-10 フロントはプラス21mmのスペーサーを付け、
よりワイドに仕上げました。
キャンバーはフロント3.5度、リア1.5度 バンパーはオーバーライダーなしでスッキリと。
車高は実用性を踏まえた高さです。
ナリタスプリントはフロントグリルサイズがオリジナルと同じで、ボンネットのフロント部分が
1インチぐらいショート加工されています。
インテリア
ナリタスプリント オリジナルのオーバルメーター
スミス クロノメトリックのスピードメーター、タコメーター
水温、油圧、フュエルメーターが並びます。
ダッシュライナー、マットはニュートン製グレー/ゴールドブロケード材
ヒーター左側は、吊下げクーラーユニットです。極力 Mk1スプリントのイメージを
壊さないよう、コンパクトにまとめました。クーラーのフロントカバーはワンオフで
製作したものです。 Mk1にクーラーを付けるのはまれですが、基本はオーナー
様の希望が第一 オールシーズン 楽しく乗って頂ける方が良いと思っております。
皆さんもご希望があれば柔軟に対応させて頂きますので、ご相談ください。
フロントシートはマイクロセル、適度なホールドと乗心地が良く、デザインも
気に入っています。 リアシートは当時からのニュートン製生地で仕上げられて
おります。
右ドアにはリモートスイッチパネルを新設しました。
IG,スターターボタン、ライト、ワイパー、クーラーON-OFF、ハザード
ドリングホルダー
ポジション的に4点シートベルトをすると、センタースイッチパネルに
手が届かない為です。
ペダル廻りは、扱いやすさを基準に当社のクイックアクセルメダル、
フッドレストを配置、
手元にバッテリーキルスイッチ、その他を配置
トランクルームは、オリジナルのトランクボードやトランクパネルカバー
を装着、バッテリーはドライ
エンジンルーム
アルミ増量ラジエター、ボディがカッティングされスペース的に厳し中
ラジエターサイズを変えないでマウントできるように工夫
WB45DCOE スプリット、 エンジンルーム内も出来るだけオリジナルの
イメージを生かしながら、シンプルに仕上げています。
オイルクーラー セトラブ 13段 ホースはラバーで製作
デスビはポイントレス イグナイター、水除プレート付
クーラーコンプレッサー、ハイパワーオルタ70A
クーラーコンデンサーは高年式のミニ用 134a対応を流用
クーラー高圧、低圧ホース類はすべて当社で製作、極力ホース類が
目立たないようレイアウトしました。
冷却性はサイドコンデンサー化でエンジンルーム内に熱気が溜まらない
ように対策。
スプリットウエーバー用キャブBOX ナリタオリジナルのオーバルメーター
裏を綺麗にまとめる為工夫。
メンテナンス性も踏まえ2分割構造
サス廻り
ナリタオリジナルの前後スタビライザー
ナリタオリジナルフロントピロテンションロッド、ロアーアーム
ショックはGAZロアード、サスはラバコーンからコイルサスに変更
サスはいつも迷うところですが、オーナーの希望や用途によりチョイス
個人的にはどちらでもOK
電動ファンも大容量化
KAD4ポットキャリパー、ステンメッシュホース
サーボレスでも十二分に効きます。
マフラーはマニフローセンター出し ラージをベースに出口パイプを加工
BMCワークス風にアレンジ
その他 作業工程
少々 車両の紹介が長くなってしまいましたが、皆さんご自身も 自分スタイルでをこんな風にしたいとか
こんな車が欲しいとかありましたら、お気軽に是非ご相談ください。
長年の経験とノウハウを生かし、ご希望以上に叶う車を製作致します。
皆さん同様 車が大好きなスタッフが仕上げさせて頂きます。
担当 TT #6