曽根です。
YB様、MK-1仕様のボディと内装が気に入って遠方から1年ほど前に購入したんですが
発進や変速時にガガガーッという音と振動が出るので気持ちよくなくてあんまり走ってなかったとのこと・・
試乗させていただきましたが仰るようにジャダーが酷くてアクセルを踏み込むことができません。。
リバースのストールテストはOKでした。。
ドレンボルトの鉄粉は少ないのでギヤドラムは再使用できることに期待しましょう!
入庫時のオートマ油圧チェックでは・・・
前進側 6.5㎏ リバース11.5kg と油圧は基準値をクリアーしてました
せっかくエンジン降ろすなら・・・・・
吸入効率と燃焼効率が飛躍的に良くなると好評のハートピストン・・‥入れることにします。
今までアクセル踏むとジャダーが出るので加速恐怖症気味(笑)のYBさんにとっては
トルクアップするのは魅力だけど、不安もちょっとだけあります。
さて、今回の安心オートマ + ハートピストンでどのように生まれ変わるのか・・・・
YB様の入庫から納車までのブログ
『発進のたびにガガガッ。 気持ちよく乗りたいから安心オートマ+ハートピストンにします』 はこちら・・・
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では、岩崎さんからの分解点検レポートです。。
さぁ、手術台の上に乗せられ分解開始です。
サーモハウジングボルトは12角でした。。
開けてみると82℃のサーモが出てきました。。。
インジェクション車は88℃が標準なので交換します。
コアプラグの状態は悪くありません
インナージョイントのブーツバンドは結束バンドが使用されてました。。
結束バンドのロック部分がオートマケースと接触しますのでお奨めできません。
キャメルオートの入庫チェックでも報告がありましたが、ドレンボルトはきれいでした。
燃焼状態はまずまずOK・・。
各部に液体ガスケットが使用されてます・・・
過去の1度はケースを開けているようです・・・
コンバーターを外しました
コンバーターシールは純正品がそのまま使用されてました。
オイルポンプのクリアランスは 安心オートマ基準では再使用不可です。。
サービスマニュアルでは使用限界のクリアランスが0.15㎜です。。
安心オートマはこの先もずっと活躍してもらうためにクリアランス基準を0.10㎜としています。
プライマリースラストは広がってましたので・・
ワンオフ品のスラストで追い込みました。。。
各気筒のリークダウンテストは良好。。
バルブの色もイイですね。。 オイル下がりも現在は無いようです。
ヘッド面の 水路のメクラ蓋は作り直す必要あります。
ハートピストンを組み込むので今回はワンサイズ大きくボーリングしますが
現状の状態を確認しておきます
シリンダーはほとんど摩耗してないです。。。
良い状態のブロックですが今回はハートピストン組込みのためにオーバーサイズにボーリングいたします
テンショナーパッドの消耗から走行距離は6~8万㌔程度でしょうか・・・
エンジンとオートマを分離します
フロントパネルを開けてブレーキバンドの消耗チェックします。
リバースバンドがやや消耗している以外は・・・
3速も、
2速も摩耗は少ないようです。
オートマの分解を続けます
ジャダーの原因はコレですね。。。
フォワードクラッチのエンドプレートが割れて破損してました。
ブレーキバンドはフロントパネルを開けての事前チェックの通りまだ摩擦材は残ってる状態でした
メインシャフトのブッシュの測定・・・
減ってましたのでブッシュ交換が必要です。
オイルストレーナーの下に、摩擦材のカスが溜まってました・・・
クラッチ板のスリッドは無く使用限界を超えてました・・・
3速ドラムブッシュの摩耗チェック
消耗してるので交換します。
ドラムブッシュの摩耗はブレーキバンドを締めつけても軸がぶれることでタイムラグが発生させることになります
3か所あるギヤキャリアブッシュもそれぞれ測定します
3つともブッシュは交換の必要あります。
クランクを外します
親メタルの方が若干減ってますが正常摩耗ですが、
安心オートマは オイルの通路である親子メタルはすべて新品に交換します。
カムに叩かれ続けたバルブリフター達。。。
高耐久のリフターに交換します。
取り出したノーマルのピストンとは今日でお別れです・・・・
カムメタルは1周キズが入ってました・・・
ヘッドの分解清掃・・・
バルブの当たり面もOK
内燃機屋さんからボーリングされ戻ってきました
ブルーマイカでペイントしました。。
そして、これから組み込まれるハート型ピストン
専用のピストンスライダーを使ってピストンを組み込みます。。
魅力的なハートピストン・・・
ヘッドが乗ったら見えなくなっちゃいます。
今のうちによーく見といてください
ひっくり返して・・
カムメタル交換
親子メタルも交換して組付けます
完成した安心オートマ。。。
毎回同じように下記のように組み込まれます。
● オートマ組み込み ギヤトレイン編
● オートマ組み込み ハウジング編
合体して組付けていきます
テンショナーパッドも交換
エンジン降りてる時がハーモニックバランサーを取付けるチャンスですね
磁力型フィルターPECSを取り付けます。。。
キックダウンS/Wの取付け調整・・・
組付けも終盤・・・ 完成に向けてヘッドを乗せます。。
バルブクリアランスは0.3mmで合わせました
P/N スイッチ(インヒビター)の調整して導通確認
テスト用車両に載せます。
エンジン始動
サーモスタットが開くまでの冷間油圧OK
そして実際に走らせての走行テストに向かいます。
約30㎞に及ぶ試運転。
エンジンの状態、オートマのギヤの入り、タイムラグ、変速、キックダウンなど 走行しなければわからない実際の動きを確認します。
オートマはスムーズで問題なし。。
ハート型ピストンによる中低速トルクの増大は、アイドリング状態からアクセルをチョンと開けるだけですぐに感じ取ることができます。
交換したのはピストンだけですが、
吸入効率の向上と、燃焼が効率よく運動エネルギーに変換されているようです
戻ってきて温間油圧測定
リバースは12.5㎏ 十分です。
プラグの燃焼状態も良好ですね
アイドリングの負圧(MAP)は正常。。。
Dレンジに入れた時のMAP 46kpaは低いです。
負荷をかけた時でもエンジンが楽に回ってることがわかります。
ハートピストンの威力!
実際に動かしてのテスト終了。。。 すべて合格です。
ドレンボルトOK
今回もよいオートマができました
ハートピストンによるトルクアップとのマッチングは非常に良いと思います。
ハイレスポンスなエンジンとスムーズなオートマを末永くお楽しみください。
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