8/10からお盆休みですが、休みに入った初日に夏風邪で熱出して寝込みまして、ようやく回復してきてこれからがお盆休み本番のみくた52歳です。ええ、台風来てますから何も出来ませんけどね←

半年ぶりのブログ更新となります。理由として本業が忙しかったのももちろんあるのですが、緑ミニのエンジンが絶不調で対策の光が見えず、話としてまとめる気力が無かったというのが実は大きいです。

そのエンジン不調ですが、いくつかの症状が重なったのと、各症状に目が行ってしまってその裏に隠れている真因の特定に時間がかかったのが、解決に時間がかかってしまった原因かと思います。いや、まだ解決できてないんですけどね←

8/24〜25の32FESに向けてエンジン作り直してますので、この半年間の苦悩の歴史と、原因の予想と対策内容についてまとめておこうと思います。この対策が当たっているかどうかを検証するのが32FESですね・・・32FESの後で更新がまた止まったら、ああ対策外したんだなと思ってやって下さいw

エンジン不調の症状を列挙すると、
1)7000rpm付近でタコメーターが振れてそれ以上回転が上がらない。
2)ファンベルトが外れてオーバーヒート。
3)ダンパープーリーを交換するも再度ファンベルトが外れてオーバーヒート。
4)プーリーの位置調整するも再々度ファンベルトが外れてオーバーヒート。
5)設計ほどトルクが出ない、当然パワーも出てない。

てな感じになります。ウンザリしますねw

実は更にもう1つ「1番4番気筒で深刻な失火」という症状もあったのですが、これはコンピューターのパンクが原因でした。これも深刻なトラブルのはずなんですが、割とすんなり原因が特定できたので僕の中ではトラブルにカウントされておりません。でも上記のトラブルと時期が重なって絶妙に真因特定を邪魔してくれた事に対する恨みはありますw

話を戻しますが、これら5つの症状は一つの原因から発生していたと考えてます。というかようやくそこに考えが至りました。まずは時系列で順番に紹介しつつ、その時々の考察を書き綴らせて頂きます。

緑ミニに今の仕様のエンジンを搭載して初めて走ったのが2018年10月27日の成田モーターランドでの走行会でした(こちら)。
この時はエンジンもトルキーで上手くチューニングできたと思っておりました。トルクに負けてクラッチが滑っておりましたので、フライホイールとクラッチを高年式タイプに交換し、11月25日のSBoM最終戦に臨みました。

SBoM最終戦(こちら)では、予選前にまずはフリー走行枠で走ったのですが、その際に7,000rpm付近でタコメーターが振れる症状が出てそれ以上回転が上がらなくなってしまいました。7,000rpmを中心に6,000〜8,000rpmの目盛りの間をメーターの針が振動するという症状です。ハンチングっぽいのですがエンジンからの振動は感じませんでしたので、この時は「安全策でP師がレブリミッターを下げすぎたのかな」と思っておりました。
フリー走行後にP師に確認してもらったところ、レブリミッターの設定は8,500rpmだったとのことで当てが外れ、原因不明のまま「もう一度走って様子を見よう」と判断したのが運の尽きで汗

続く予選でも同じ症状が出たのですが、悩みながら走っていたその数周後にファンベルトが外れてエンジンがオーバーヒートし、リタイヤしました。オーバーヒートに気がついたのは最終コーナーでスピンしたのがきっかけなんですが、実はラジエターから吹いた冷却水を左後輪が踏んでしまったための自爆技でした。

水温が120℃を超える(メーター振り切れていて実際にどこまで上がったのか不明)という結構酷いオーバーヒートで、正直言って「早々にエンジン壊しちゃったな」と覚悟しましたが、SVでチェックした結果、ヘッドやブロックに歪みは無く再利用可能と判断されなんとか九死に一生を得ました。ヘッドガスケットがしっかりしていてヘッド周辺から水を吹かなかったのと、慌てずに自然放熱でゆっくり冷却したのが良かったのかもしれません。これも貴重な体験でしょうか汗

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タコメーターの針が振れる症状の原因です。症状自体はハンチングっぽいのですが、エンジンからの振動が無かったのと、レブリミットの問題でもなかったことから、おそらく検出系の問題だろうと当たりを付けました。

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で、クランクプーリーに取り付けた回転角センサーを確認したところ、見事に削れておりました。

ギア自体のセンターがズレてはいなかったことと、症状が7,000rpm前後の高回転域だけで起きていたことから、おそらく高回転域でダンパープーリーがブレて断続的に回転角センサーに当たり、センサーが回転を正常に拾えなくなってタコメーターの針が振動したのではないかと考えました。
オマケに、と言っては何ですが、ファンベルトはダンパープーリーに掛かってますので、ダンパープーリーが異常振動すればベルトも強制的に振れるので外れることもあり得るのかもしれない、とも考えました。

実はダンパープーリーの異常振動自体は単なる症状であって真因ではないんですよね。そして真因としては、ダンパープーリーの設定を超える大きさの異常振動がクランクシャフトに生じたということになるのですが、この時はそこまで考えが至らず、対処療法に留まってしまいました。

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で、対処療法として用意したのがMED製のダンパープーリーセットです。
ダンパープーリー(写真左側)とピックアップ用のギアが掘られたプーリーがセットになってまして、

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組み合わせるとこんな感じになります。

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エンジンに組むとこんな感じです。

ベルトが掛かるプーリーを中心に、内側にピックアップギアが、外側にダンパー機構が設置されるので、仮にダンパーが振れたとしてもピックアップセンサーに干渉しないような位置関係になってます。

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こうして万全の体制(?)で2019年SBoM初戦を迎えたのですが、

IMG0502m.jpg

タコメーターの針の振れは期待通りに無くなったのですが、またもやファンベルトが外れてオーバーヒート。予選リタイヤです。おまけに自分が吹いた冷却水に乗っての最終コーナーでのスピンもきちんと再現してしまいまして、大変に肝が冷えました。

ともあれ、ファンベルト外れに関してはダンパープーリーが原因ではないことがはっきりしたわけですが、では何が原因なのかということになります。その時に考えた要因は以下のようになります。

・フライホイールとクラッチを交換してから症状が出ているので、フライホイールのバランスが取れていない。
⇒ クランクおよびフライホイールは単体でバランス取り実施したので組み合わせても問題ないはず。それにフライホイールのバランスが取れていない場合の振動はもっと酷い。

・1番4番気筒で失火がひどい。失火によって爆発が不等間隔化してクランクが異常振動。
⇒ 失火の原因はコンピューターの不調であることを特定。デスビに戻す。

・クランク、ウォーターポンプ、オルタネータの各プーリーの位置が最大で5mm程度ずれている。
⇒ 一般的には問題ない範囲だが、念のため調整。

そんなわけで、点火系をデスビに戻し、プーリーの位置を合わせて再トライしました。

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デスビに戻したことによって失火の症状がなくなり、かなりトルクは増しました。これで行けるかな〜っと期待したのですが現実は厳しくて、またもやベルトが外れてオーバーヒート。予選リタイヤです。

3度目ともなると水温計の変化にも敏感になり割とすぐに気づけたのは不幸中の幸いでしょうか←

デスビに換えてトルクが増したと書きましたが、それでもこんなレベルなんですよ。

上の比較動画は同じ時期にSVで作ったMRRC70号車とバックストレートでの加速を比較したものです。
スペックは、僕の緑ミニが1,440ccで車重630kg、MRRC70号車が1,380ccで車重530kgという違いはありますが、カム、ヘッド、減速比、排気系はほぼ同一仕様になります。

パワーが出てないのは自覚していたのですが、こうやって並べてシフトタイミング等を比べてみるとあまりの違いに愕然とします。
ちなみに最高速で比較すると、MRRC70号車が156km/hrに対して緑ミニは140km/hrです。ちなみに1,075ccだった赤ミニでも145km/hrでしたから、赤ミニの方がまだ速い程なんですよ。「排気量に勝るチューニングなし」のはずなのにおかしいですよね。

これ程の差が何故生じてしまうのか、成田ではトルクフルなのに筑波では何故ダメなのか、一向に直らないファンベルト外れの真因は何なのか。

次回に続きます。

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