曽根です。

新車からのワンオーナー96年式クーパーです。

MINIは奥様用で・・セカンドカー・・いやサードカーくらい?

23年目のリフレッシュオーバーホールとしての一環で安心オートマをチョイス

オートマにはタイムラグはあるもの普通に変速する状態でした。

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オドメーターは2万キロ

室内保管で紫外線に当たってる時間が短いので内装もきれいです

シートの擦れも少なくしっかりしています

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メンテナンスは交友のある某国産新車ディーラーで行っており

エンジンルームは洗浄されていて見えるところは綺麗で

整備工場でも丁寧に扱われてきた感じは伝わってきます。

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さて、今回は『もうちょっと元気よくしたい・・・』 というプラスワンの希望で

今話題の、SVオリジナルピストンを組み込む予定です。。

チューニングヘッドやカム・・・などはノーマルのまま、

このピストンの効率アップだけの効果を確認させていただくことにしました。

ま、その結果は本編の WTN様 23年目の総リフレッシュ作戦・・・・ で

では、安心オートマになるまでの分解点検の様子をお伝えします。

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水路メンテナンスの頻度は少なかったようです

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サーモスタットはインジェクション車は88℃が標準ですが74℃が入ってました。。 

水温が適温まで上がらず慢性的に濃い目の燃調だったと思われます。

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ドレンボルトの鉄粉は少ないですね。

ドラムは再使用できそうな感じです。

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キャメルでの入庫チェック時でバキュームホースが抜けてたが見つかりましたが

その影響で黒煙が出てたのでオイルも真っ黒ですね。

低水温だった影響もあると思います。

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オイルポンプのクリアランスは規定値を超えてるので

リプロダクト品と交換します。

オイルポンプは新車当時からクリアランスが広かったことも考えられます

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オイルポンプブッシュのガタは大丈夫でした。

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プライマリースラストは広がってましたので

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ワンオフのスラストスペーサーで調整しておきました。

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バルブクリアランスは広がってましたので最後に調整しておきます

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燃焼室のリークダウンテストは良好

バルブの密閉は良いですね。。 

さらに今回はピストンまで交換するのでヘッドも分解OHします。

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2,3番が抜けかかってました。。 ヘッドも修正面研いたします。

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シリンダーの消耗はほとんどありませんでしたが、

今回SVオリジナルピストンを入れるのでオーバーサイズにボーリングします

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フロントパネルを開けてブレーキバンドのレバーチェック

リバースバンドから・・・

消耗は少ないですね

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3速バンドも

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2速バンドも消耗は少ないです

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エンジンと切り離しオートマの分解に入ります

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ドラムは大丈夫!  再使用できます。

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先ほどのブレーキバンドレバーの点検での予想通り

バンドの消耗は3本とも少なく剥がれてるところもありませんでした。

ここはさすが走行2万キロ・・・というところ。

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メインシャフトブッシュの消耗は・・・・

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やや大きくこれはブッシュ交換が必要です

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アウトプットのCリングが折れてました

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デフサイドのダストシール部分が割れてます

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デフのベークライトスラストが滑落していました。

オイルポンプストレーナーに引っかかってました

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ギヤの状態は少々荒れた感じ。。。  ガツンと入ることが多かった??

あれっ、

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2万キロしか走ってないのにフォワードクラッチのスリッドが残ってない・・

ツルツルです。

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T&Rクラッチも同様にスリッドが全く無くなってました。

まったーマン1ss

低走行でこのような状態になるのは暖機運転が足りないことが原因のひとつに挙げられます

しばらくエンジンを掛けてない状態だと、コンバーターのオイルもオイルパンに落ちてます。

また油膜切れの早いオイルだとギヤの表面や、湿式多板クラッチの隙間からもオイルが抜けると考えられます。

コンバーター内にオイルを汲み上げるまでの間は油路にエアを噛んだ状態でしっかり油圧が掛からないのと

湿式多板クラッチは隙間に浸透したオイルの表面張力により動力伝達するので、オイルが抜けた状態では滑ってしまいます。

暖機(準備)運転が足りないと、しっかり油圧が掛からず、クラッチは滑りやすい状態でオートマに負荷を掛けてしまい、摩擦材はすり減ってしまう・・ことになります。

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3速ドラムの軸受けブッシュの摩耗測定・・

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ブッシュ交換が必要です・・。

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クランクメタルは走行の割には消耗してます。

親子メタルの消耗は油圧低下につながりますので安心オートマでは

すべて必ず交換します。

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バルブリフターは傷の多いものと少ないものが混在します。

せっかく分解してますのでもちろん全部交換します。

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さて、ここからは今回のスペシャルメニューですが

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中低速トルクアップでオートマとのマッチングが良いSVオリジナルピストンへの交換は

これからのオートマMINIのエンジン造りの標準になる可能性を秘めています。

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シリンダーブロックは内燃機屋さんにボーリングに出しました。

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シリンダー側は0.08㎜の修正面研を入れました

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内燃機屋さんから戻ってきたブロック

通常は個々のピストンに合わせて測定加工するのですが

SVオリジナルピストンはワイセコへスペシャルオーダー品で、ピストン精度が高いので

71.0㎜ボアでの加工を指定します。

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いつものブルーマイカでペイント。。。

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組付けていきます

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バルブリフターはチューニングエンジンにも使える純正最良品をチョイスしています。

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ピストンの周りの黒いオートフィットコートが5/1000㎜というピッタリクリアランスを実現。

シリンダーとピストンのクリアランスを自動的に最適化。。

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コンロッドは重量合わせ程度ですがバランス取って組み付けてます

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キャメルの安心オートマのこだわり・・・・

親子メタル、カムメタルはACLをチョイスしています。

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完成した安心オートマと組み付けていきます

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タイミングプレートとミッションケースが干渉しないか点検しながら組み付けます

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ハート形のディッシュ形状が高効率の吸入と燃焼を促します

見えなくなっちゃうのがもったいないですね‥(笑)

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これもキャメルの安心オートマだけのスペシャルチョイスの

SVの銅製オイルポンプパッキン

パッキン破損が原因でオートマが壊れる原因にもなるのでこれは重要なパーツです。。。

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キチっとトルクで組付けていきます

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オートマMINIのオイル漏れの原因で比較的多いのがこのコンバーターシール

去年から供給メーカーが変わったことで今後のオイル漏れが減ることを祈る思いです。

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スターターシール交換

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腰下はほぼ完成。


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パーキングスイッチの作動確認しておきます

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三和さんの対策品のキックダウンレーバーを採用しています。

ケースと干渉しないかを確認して組付けます

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レバーは右に13時方向、左に10時方向の稼働を確認しておきます。

さて、あとはヘッドを載せるだけ・・

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ヘッドも0.12㎜の修正面研で整えました

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ノーマルヘッドとしてキッチリ仕事してもらえるように

バルブ ロッカーはすべて分解し シートカット 擦り合わせで仕上げてあります。

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トルクでキチっと組付け、

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バルブクリアランスは0.3㎜で合わせました

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補機を付けてテスト車両に積み込む準備して

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テスト車両に積み込みエンジン始動。。。

サーモスタットが開いたところでオートマの冷間油圧チェックOKなので

約30㎞の実走行テストに向かいます。

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オートマのタイムラグ、ギヤの入り、変速状態、すべて快調です。

エンジンは・・・さらに快調。 このピストンのポテンシャルを感じさせます。

詳しくはキャメルオートに戻ってから報告します。

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テスト走行から戻って、最後に温間時のオートマ油圧チェック

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前進油圧  7㎏  良好です

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リバース油圧 約12.2㎏  良好です

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完成です。

乾杯1

今回もスムーズで良いオートマに仕上がりました。

スペシャルピストンで力強いエンジンとのマッチングを楽しんでください

では、本編に戻ります。

WTN様 23年目の総リフレッシュ作戦。。安心&快速オートマと新ピストンでエンジンもフルオーバーホール

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