曽根です。
HSI様、数日前から、時々油圧警告灯が点灯するようになったかと思ってたら、
2度ほどエンジンストールしたので、キャメルに点検入庫しました。
右のオイルジョッキマークのランプは、エンジン油圧の警告灯です。
全体の油圧が低いのか、それともエンジン油圧だけが低いのか・・・・
点検させていただきました。
オートマMINIの場合は、オイルポンプから吸い上げたオイル全量がオイルフィルターを通って
その後、オートマ内部のバルブボディに全量が送られます。
なので、オートマに掛かる油圧はフィルターヘッドで測定します。
十分に暖気して油温を上げた状態でテストしました。
バックに入れた時は、10㎏以上の油圧がフィルターヘッドに掛かってます。
基準は8.3㎏以上とされてるので、十分に高い油圧がかかってることになります。
この油圧計はエンジンに掛かる油圧です。
メーターの中にある油圧警告灯は この油圧です。
バックに入っているとき、アイドリングだと油圧はゼロのままで・・・・・動きません。
エンジンを軽く吹かすと少し上がりましたが、 0.5㎏にも満たず
これでは油圧警告灯は点灯したままです。。。
オートマに掛かる油圧はオイルフィルターのところで測り
エンジン油圧は緑の矢印の先で測ってます。
エンジンに供給する油圧はピンクの部分のバルブボディが分配しています。
さて、果たして、どこに原因があるのでしょうか・・・・
分解点検してみます。
オートマのフロントパネルを開けて、まずは怪しいと思われる
赤丸の部分のバルブボディを点検することにします。
バルブボディ内部は複雑な油圧経路があり、6個のバルブが変速や
エンジン側への油圧供給などのさまざまな仕事をしています。
その各バルブの分解点検したところ・・・・
レギュレータバルブにある貫通している小さな穴にゴムの破片が詰まってるのを発見。
ここはエンジンへの油圧供給に重要な働きをしているバルブです。
バックで油圧が無くなってしまった原因は これで間違いないでしょう。
詰まっていたゴム片には角があり四角い形状だったものの一部と思われます。
太さは1mmちょっと 長さは8mm少々。。
オイルパンのストレーナーはギリギリ通り抜けることができても
磁力型フィルターPECSのメッシュフィルターは通ることができないくらいの大きさです。
実はPECSに付いてるメッシュフィルターはは、まさしくこの1㎜穴のバルブに異物を詰まらせないためのものだったのです。
このレギュレーターバルブの穴は入り口は1mmですが出口はもっと細くなっているので
ゴムのような物は、入り込んでしまうと抜けられなくなってしまうのです。
今回は、そのゴムも断面が四角い形状なので 奥の方まで詰まるまではオイルが少量でも流れていたのだと思われます。
四角い断面を持つ形状から、これはオートマのフィルターパッキンだと思われます。
これは、キャメルの おとーと君 赤丸の部分がオートマのオイルフィルター。。
A: このフィルターパッキンがバルブボディまで流れこむには、フィルターが付いてない状態の時に
① の経路で流れこむ。 (フィルター交換作業中 もしくは、フィルターを入れるのを忘れたか・・
B: ノーマルの紙フィルターが詰まって通り抜けられなくなった時に、②の経路でリリーフバルブから流れ込んだか・・
このフィルターパッキンは、ゴムの硬度が柔らかすぎる場合や、
フィルターを強く締めすぎてゴムの弾性限界を超えた場合に
切れてしまうことがあります。
キャメルでは2016年秋ころから、プロトタイプの青緑色のオリジナルフィルターパッキンを使い始め、
2017年1月に現在の硬度のフィルターパッキンになりました。
今回詰まっていたのは黒いフィルターパッキンなので、これが混入したのは
前オーナーが安心オートマにした2015年5月から、2016年秋までの間・・ということになります。
ということは、2年以上の期間、オイルフィルター~バルブボディの間に滞在し続けていたことになります。
今回、エンジンに油圧がかからなかった原因は判明したので
分解はここまでで終了。。。 フロントパネルを取り付けて完了です。
お待たせしました。
これで再び安心して快適なオートマを楽しんでいただけます。
今回の事例はたいへん勉強になりました。
一般的には、エンジン油圧がかからなくなったオートマエンジンは、
原因究明されることなく廃棄されてるケースも多くあるんじゃないかと思います。
原因が想定できるようになって、生き残れるオートマエンジンが増えることを願います。
本編に戻ります・・・・
HSI様 せっかくのレイクサイドミニパーティーの日に油圧警告灯が点灯で緊急入院です(*_*;
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