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【Bestcar Classic オーナーズボイスVOL.2】新車から21年18万kmを一緒に過ごしてきたR32型GT-Rとの相思相愛の関係とは?

【Bestcar Classic オーナーズボイスVOL.2】新車から21年18万kmを一緒に過ごしてきたR32型GT-Rとの相思相愛の関係とは?

 一台のクルマには、縁あってオーナーになった人との歴史や思い出があり、物語になるほどのエピソードが生まれることもある。

 そんなクルマと人との関わりを、オーナーさんに直接取材して、リアルな生の声を紹介していきたいと思います。はたして、どんな生の声が聞けるのでしょうか?

 購入した動機から、愛車に対するこだわりのポイント、年間の維持費、故障箇所、愛車の主治医まで、これからそのクルマを購入しようと思っている人にも役に立つ情報満載でお届けします。

文/松村 透、写真/松村 透

【画像ギャラリー】R32GT-Rを購入したい方必見!! オーナーこだわりのポイントはココだ!


■グローバルで注目度抜群のR32GT-R Vスペックのオーナーさん

 早いもので、衝撃の復活から30年以上も経過したR32型スカイラインGT-R。伝統あるの車名を冠したこのモデルへの注目度は、日本はもちろん、海外でも高まる一方です。今回、そんな周囲の喧噪とは一線を画すオーナーさんを取材させていただきました。

 1993年式日産 スカイラインGT-R Vスペックと21年・18万㎞以上をともに過ごしてきた大澤哲也さん(55歳)の相思相愛の関係とは?

オーナーの大澤 哲也さん(55歳)と1993年式 日産スカイラインGT-R Vスペック(BNR32型)

■プロフィール&愛車紹介
・お名前:大澤 哲也さん
・ご年齢:55歳
・ご職業:会社員
・所有しているクルマ(年式、グレード名):1993年式 日産スカイラインGT-R Vスペック(BNR32型)
・購入時期:2000年 
・所有年数;21年
・購入時の走行距離:12000km
・現在の走行距離:200000km
・購入時の金額:400万円

■GT-Rを手に入れようと思ったきっかけを教えてください

 私はスーパーカーブーム直撃世代です。ランボルギーニに憧れたこともありましたが、いつしか幼少期の頃から大人になったらスカイライン、それもGT-Rを買おうと心に決めていました。

 これまでの愛車遍歴は、パルサー(N12型)や4ドアのスカイライン GTS-t type-M(R32型)やオーテックバージョン(BCNR33型)です。

 当時「MOTOR LAND 2」というテレビ番組でグループAの模様が紹介されていたんです。カルソニックスカイラインの縁石走りや、当時、日本車がなかなか勝てなかったインターテックで優勝したインパクトが強烈でしたね。

 R33は2年ほど楽しんだのですが、どうもしっくりこなくて、一念発起してR32GT-Rを手に入れることを決意。実際に所有してみて、数値上は30mmくらいですが、ノーマルのR32と比較しても、放たれるオーラがまったく違うという印象がありました。

購入時の見積もり書をはじめ、修理の明細などをファイリングしてきちんと保管している大澤さん

■愛車との濃いエピソードを教えてください

 GT-Rに相応しいオーナーになろうとボディメイクに挑みました。あるイベントに参加した際、スラッとした体型の方がさっそうとクルマを運転する姿を目にしたんです。それが印象的で……。

 映画「007 カジノ・ロワイヤル」などに出演していた俳優ダニエル・クレイグがパリッとスーツを着て、ポンドカーをサラッとかっこよく乗っていますよね。私自身もそういうイメージで乗っていたんです。

 以前の私は、いまより20キロほど太っていたんです。愛車のコンディションは気にかけているのに、自分の体のことをおろそかにしていては本末転倒だと気づいたんですね。

 そこで2〜3時間ウォーキングしたり、特に夕飯の量を控えるなどしてボディメイクに励みました。当時は手書きでしたが、現在はアプリを駆使して、日々の体重管理はもちろん、食べたものを記録してカロリー計算も怠らないようにしています。

20年以上ともにすごしてきたことを感じさせるドライバーズシート

■愛車に対するこだわりを教えてください

 こだわりというものは特にないんです。しいていうなら「自然体で接する」ことでしょうか。私が子どもの頃、親戚がスカイライン2000GTを普段使いとして乗っていたんですね。その印象がいまも強く残っていて、GT-Rだからといって特別扱いはしません。

 買い物はもちろん、雨の日も乗りますし、このクルマで全国どこにでも行きます。東日本大震災、熊本地震のボランティアにもこのGT-Rで行きました。

 あと、この種のクルマに乗っていると「いかにも飛ばす人」に映るようですが、高速道路も走行車線をキープして巡航しています。料金所や合流時などの場面で280馬力のパワーを堪能するくらいですね。

GT-R NISMO用ダクトを装着。このフロントマスクに憧れた人も多いはず

■大まかな年間の維持費を教えてください

 だいたい20万〜30万円前後(自動車税、オイル関係、ガソリン代などを含めた概算)だと思います。税金が年間で6万円くらい。

 年間走行距離は、かつては年1万キロ、最近は5000km前後です。ガソリン代は月に換算すると1万円前後です。任意保険にも加入していますが、これまでいちども使ったことがありません。

NISMO製フルスケールメーターに交換されたことが記録簿に明記されており、これが実走行なのだとか

■失礼ながら、これまで大小の故障はありましたか?

 GT-R定番の故障はそれなりに経験しました。長く乗っていると、このクルマ特有のトラブルは避けられない印象です。

・エアコンコンプレッサーASSY(リビルト品):48,000円/2005年当時
・エアコンガス(R-12):13,500円/2005年当時
・デフO/Hディスクキット(ニスモ8kg仕様):18,000円/2017年当時
・エアミックスドアアクチュエーター:22,100円/2017年当時

その他
・O2センサー
・社外コンピューター
・エアフロ
・パワステポンプ
・燃料ポンプ
・イジェクター
・ヘッドライトバルブ
・リアデフなど

メンテナンスは基本的にディーラーで実施しているという

■純正部品の入手に苦労していますか?(欠品・製造廃止している部品などご存知でしたら教えてください)

 いまのところ、苦労はしていません。NISMOヘリテージパーツの試みもありがたいですね。ただ、ヘッドライトやシートベルトが早い時期に生産廃止になっているので、ぶつけたり、ぶつけられないように気をつけています。

 古いクルマのオーナーさんのなかには、現在でまわっている部品を購入してストックしている方もいらっしゃいますが、私はあえてやっていません。私がかき集めることで、他のGT-Rオーナーさんが苦労されることになりかねないからです。

ステアリングおよびシフトノブはオリジナルのまま。革についた傷が使い込まれたことを感じさせる

■愛車の主治医はどのようなお店ですか?

 近所の日産ディーラー、目黒メンテナンスサービスさんにお願いしています。普段はディーラーに預けて、どうしても直せない箇所やトラブルついては目黒メンテナンスサービスさんに預けています。

直6、RBエンジン特有の澄んだ音とともに加速するGT-R

■これからも乗り続けるご予定ですか?

 いま、私は55歳です。少なくともあと30年、85歳までは乗り続けたいです。そのためにも適度な運動、体調や食事、姿勢などにも気を遣い、常に万全な体勢でGT-Rに乗りたいんです。

 体のことは自分自身で気にかければよいのですが、将来、どこまでガソリン車のクルマに乗り続けていられるか……。最近はそちらのほうが気掛かりです。

使い込まれた愛用のキー。あと30年は乗りたいと大澤さんは語る

■未来のオーナーのために購入時のチェックポイントや愛車のウィークポイントを教えてください

 これはGT-Rに限った話ではありませんが、やはり事故歴がある個体は避けるべきだと思います。ジャッキアップポイントの周辺の状態をよくチェックしてみてください。塗装をしてあっても修正をかけた履歴が分かるので、そういう個体は避けたほうがいいです。

 それと最終型であっても、25年以上前のクルマであることをしっかりと認識したうえで手に入れてください。

 例えばアテーサET-Sやエアコンなど、このクルマ特有の故障やトラブルに遭遇する確率が高いということです。せっかくGT-Rを購入したのに「こんなはずじゃなかった」と手放してしまうようでは、クルマがあまりにもかわいそうです。

愛車に向けるまなざしが優しげ。運転もあくまでもジェントル

■あなたにとって愛車はどんな存在ですか?

 唯一、子どものころからの夢を実現できた存在なんです。ケンメリGT-R以降、このクルマの名を冠したスカイラインが途絶えていた時期がありました。

 子どもの頃「もし大人になってGT-Rが復活したら、必ずそのクルマのステアリングを握るんだ!」と思っていたんです。それだけに、1989年に復活したときは本当に驚きました。

 「思い続けていれば夢は叶えられる」という経験は、生きていく上での自信にもなりました。R32GT-Rは一目惚れして以来、いまだに醒めることのない、大好きなクルマです。

スカイライン伝統の丸目のテールライト

■取材後記

 少年時代からスカイラインが身近な存在だった大澤さん。そのなかでもGT-Rは別格、憧れの存在だったようです。「実は、熱しやすく冷めやすい性格」とのことでしたが、手に入れてからすでに21年・18万㎞以上とともに過ごしてきたGT-Rへの想いは、冷めるどころかますます熱くなる一方のようです。

 そして取材中「自分のことよりもまず、他の方への配慮を欠かさない」という大澤さんの姿勢を随所に感じました。大澤さんの他人への気遣いは、GT-R乗りとしてだけでなく、いちドライバーとして見習うべき点が多々ありそうです。

カタマリ感のあるサイドビュー。ローダウンしていないので、車高もオリジナル本来の姿を維持

【画像ギャラリー】R32GT-Rを購入したい方必見!! オーナーこだわりのポイントはココだ!

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