ボロボロのボディが職人さんの手を経て蘇るってロマンですよね。ええ、こういうの大好きなんですよ。そんなわけでオーナーさんを差し置いて当ブログにてご紹介させて頂きます。SV広報担当って事でご容赦下さいw
Before/After編、ボディ構造詳細編、緑ミニとの比較編の3部構成でご紹介する予定です。今回はBefore/After編です。

Hさんのミニは1967年型のMk1クーパーSです。Hさんが生まれる前の個体ですが、たしかおばあちゃんから引き継いだと伺ってます。親子3代にわたる歴史がつまったミニ、いいですね。

Hさんはこのミニを引き継いで一緒に上京し、学生時代からジムカーナやレースを楽しまれてました。ただ、親子3代にわたるお住まいが北海道だったのもあって塩害によるボディ腐食がかなり激しく、僕がSVに顔を出した際にはHさん自身がこのミニを直している姿をよく拝見しました。ただ個人で直そうとしても焼け石に水な状態でしたので、SVと英国のAwens Fabricationとの縁が出来たのを契機に(こちら)、徹底的なレストアと同時にFIA Appendix K準拠のボディ補強によるレース車両化に踏み切られました。

ボディの状態です。エンジンルームは見える範囲では比較的良好な状態に見えますが、

下から見ると腐食がかなり進んでます。

オールドイングリッシュホワイト/ブラックの塗装はオリジナルのようですが、ルーフの塗装が広い範囲で剥がれてしまってます。こちらは運転席側ですが、ドアを閉めるときの衝撃が影響しているんでしょうか。

助手席側もかなり錆が回って塗装が浮いてきています。

ドアヒンジ自体も錆びてますし、取り付けられているボディ側も塗装が浮いて日々が発生してます。

フロント側のフロア。

かなり来てますね。

リア側は比較的綺麗に見えますが、塗装の下がどうなっているのか不安なところです。

ドアは比較的綺麗に見えますが、窓のレールの部分はやはり錆びてます。ここは水が溜まりやすいんですよね。

フロントホィールハウスです。表面がザラザラしてますが、対チッピング塗装・・・ではなく、錆で浮いてます。

ホィールハウス後方は塗装が完全に剥がれてますが、その割には穴あきには至ってないですね。Hさんのタッチアップの努力の賜物でしょうか。

フロントフェンダーの内側です。ドアヒンジの補強材がかろうじて原形を保ってますが、全面で塗装が浮いてます。

こちらは反対側のフロントフェンダー内側です。このドアヒンジが付く部分のボディパネルってMk1だけ2枚構造になっているのですが、その内側のパネルが完全に腐食して浮いているように見えます。こうなるとパネルの間に水が入ってしまうので更に腐食が進行してしまいます。

リアセクション下側です。来てますね。

リアのホイールハウス内側。

左フロントのサイドシル。ロールケージを固定した部分から亀裂が生じてしまってます。

右フロントも同じ状態です。

左リアのサイドシル。

右リアのサイドシル。

サイドシルの腐食が運転席側のドアの下あたりで激しいですが、ルーフと同じくドアを閉めるときの衝撃が原因でしょうか。錆が進行して、ドアの衝撃でクラックが進行し、水が浸入して更に錆が進行して・・・という悪魔のサイクルですね。

英国のAwens Fabricationにてまずはレストアからスタートです(写真はFBのAwens Fabricationの投稿から拝借してます)。レストアの最初の作業は、生きている部分の見極めと腐食した部分の撤去になりますが、なんとフロア全撤去です。

フロント側。

リア側。治具だけで支えられてる状態ですね。

フロントセクションも左側のパネル以外は全撤去です。

ここはフロントバルクヘッドとエンジンルームの横の壁との接合部分ですが、撤去されずに残った側にも内部まで錆が回ってます。この錆を完全に除去しないと新しいパネルとの溶接が上手く行かないため、サンドブラストによる錆除去が行われてます。

ここはリアの背もたれパネルの下側でしょうか。撤去されずに残された側も、溶接されていた部分の合わせ目は錆が進行してます。こういった部分もサンドブラストで徹底的に錆除去がされたようです。FBの記事では「サンドブラストの広告のような作業」と表現されてました。見てみたいですね。

新品のパネルでフロアを再構築。

リアセクションも。

エンジンルーム右側も。
三和トレーディングさんのHP(こちら)にレストア過程の写真が載ってますのでご参照下さい。腐食したボディパネルを手でむしり取った写真はインパクトありますねw
この一連の写真を拝見すると最終的にはエンジンルーム左側のパネルも交換されたようです。レストアの観点ではオリジナルのパネルをどれだけ残せるかが重要なポイントになるのですが、この車両はレース車両として完成させるため、おそらく強度確保を最優先した結果ではないかと想像しています。

サフェーサーの塗装までが終わった状態でしょうか。この後、Awens Fabricationでロールケージの組み込みを行ってから塗装工程に出荷し、

完成。塗装の色艶が美しいです。

英国から日本の三和トレーディング宛てに出荷されて、8月吉日にSVに引き取られました。ウェルカムバックです。輸送込みで約8ヶ月の里帰りでした。

SVのガレージにて。淡く光を放っているかのようです。

生まれ変わったエンジンルーム。

サイドシル。ボロボロだった面影はどこにもありません。

FIA Appendix K準拠のロールケージが組み込まれた室内。白一色で実は撮影が大変でしたw ディテールについては次の記事でご紹介する予定です。
この固体のボディはかなり悪い状態だったと思いますが、それがこの期間でこのレベルまで修復できるという事実が衝撃でした。今回はレース車両作製が目的でしたが、レストア目的でも十分に有効な打ち手かと思います。
生産終了からかなり時間が経ってミニ自体の個体数も減りつつあり、さらに国内では職人さんの高齢化でレストアを引き受けてくれる工場も減ってきている現状で、英国でのレストアというこれまでかなりハードルが高かった手段が身近に選べるようになったというのは朗報ではないでしょうか。お値段も国内でレストアする場合のコストに比べれば輸送費込みでも相当にリーズナブルな印象を受けました。
赤ミニもお願いしたくなったのはちょっと内緒ですw
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