SタイヤA048と、チューニングヘッドの2点によるモノですが、前号で、『各コーナのボトムスピード(最低速度)が上っている』という話で一区切りしておりましたが、じゃぁ『ヘッドでどれ位短縮して、タイヤでどれ位短縮したのだろう』って思いますよね!
前号でご紹介した、タイヤのグリップ力増加によるボディのヨレ、ショックのストロークの問題(ロールの増加…私のMINIは前後共にスタビ未装着…(爆))の具体的な解決策を見出すためにも、ボディなのか? サスペンションなのか…? 等々、まずは、タイヤをR7と048を履き比べてGPSロガー『 LAP+ 』を使い、数値的なものとドライビングヒィーリングとの両方から確認してみます。

画像②

 画像②でおわかりかと思いますが、検証は日本海 間瀬サーキット、実際は色違いでなので走行ラインの違いがわかるようになっていますが、走行軌跡はタイヤの違いがあってもほぼ一緒です。
タイムはR7/048で約1.3秒差でした。間瀬のタイムにマイナス4秒すると、ほぼ筑波タイムと同等になります。すなわち『 R7 : 1分14秒1 』『 048 : 1分12秒8 』←(第二戦の決勝BESTと同じ)となります。
大雑把にいうと、3秒短縮の内訳はタイヤとエンジンがほぼ半々で実現したという事になります。

画像③

画像③の各セクターのタイム差ですが、概ね0.3秒〜5秒、048が速い数値になっていますが、最終のセクター6のみ、逆転してR7の方が、速い結果となっています。
理由はドライバーがダメ、という場合もありますが、間瀬の最終コーナは路面がややバンピーです。R7は70扁平のしなやかさと絶妙なグリップ感でリヤタイヤが跳ねずにクルマの向きが変わり、結果早めにアクセルONでき、セクター6のみ速いタイムとなりました。
048はグリップが高く、55扁平も起因してか、『ちょっと流れてはグリップ』を繰り返す感じで、リヤタイヤが跳ねて『引っ掛かり』感がでて姿勢が一定に保てず、結果アクセルONのタイミングが遅れてしまいました。
筑波の最終コーナは路面が綺麗ですが、コーナのRが大きく、車体の姿勢を一定に保つ操作がシビアになります。車体に大きく『G』が掛かり、車体を『よじる』力が強くなっています。タイヤのグリップが限界にきてリヤが流れ出すと、それまで『G』によりよじれていたボディは戻ろうとします。インリフトしていた側のタイヤが路面に接地しグリップを取戻すと、またボディがよじれる。これを繰り返し、前に進む力が弱くなる。
うまく表現できませんが、結果フロントタイヤのトラクションに悪い影響がでるという構図になります。

2017.10月号より