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知っておきたいパーツ解説【ケントカム(kentcams)】

エンジンには低回転で大きなトルクを出すタイプもあれば高回転で力を発揮するタイプもある。
こうしたエンジンの性能、性格を決めるのが、カムシャフトだといっても過言ではない。

カムシャフトはバルブに開閉の動作をさせるのものだが
重要なのはバルブ開閉の「タイミング(時期)」
「作用角」、「リフト」さらに「カムプロフィール」である。
これらの設定でエンジンの性格も変るのだ。

まずバルブの開閉タイミングだが
エンジンがごくゆっくり回るなら吸入バルブは
ピストンの上死点で開いて下死点で閉じればよい。
しかし、実際にはエンジンはある速度で回るので
吸気は連続して吸気マニホールドを流れる。
吸気も質量をもっており慣性力を持つ。
慣性力というのはその状態を維持しようとする性質で
動いているものはいつまでも動いていようとする。
そのような吸気に対しては、上死点でバルブを開いたのでは遅く
もっと早いタイミングでバルブを開けても
吸気は勢い(慣性力)でシリンダー内に入ってくる。
吸気バルブの閉じるタイミングも同様である。
ピストンが下死点を通り過ぎて上昇し始めても
勢いのある吸気はまだシリンダー内に入ってくる。

結局、吸気側のバルブタイミングは、早く開けて遅く閉じることになる。
こうしたほうがたくさん吸気を取り込むことができる。
なお、慣性力はエンジンの回転数が上がるほど強くなるので
高回転のエンジンはより早めにバルブを開き、より遅く閉じる。
逆にいうと、そのような設定により高回転型のエンジンとなる。

バルブの作用角とはバルブが開いてから閉じるまでを
クランクの角度で表わしたものだ。
上死点で開き下死点で閉じるのであれば180度でしかないが
実際のエンジンではこれより広くなる。
たとえば上死点前10度で開き、下死点後50度で閉じるなら180+10+50=240度となる。
高回転型ほどこの角度は大きい。

カムリフトはカムの基本円に対してカム山(カムローブ)の高さである。
これが大きいとバルブが大きく開くので吸排気の量は多くなる。
カムプロフィールはカム山全体の形のことだが、
楕円に近いか三角に近いかで、バルブを急に開けるか、なだらかに開けるかの違いが出る。
リフトを大きくするとかバルブを急に開き
開いている時間を多めに取るのは吸気効率の点では良くなる方向だが
バルブジャンプとかバルブバウンスといった
バルブがカムに追従できなくなるリスクが出てくる。
そのためにバルブスプリングの強化やバルブ系の
軽量化を図るチューニングも行なわれたりする。

なお、排気バルブも吸気同様に高回転型ほど早く開いて遅く閉じることになる。
そのため排気行程の終わりと吸気行程の始めでは両方のバルブが開いている期間がある。
これをオーバーラップというが、高回転型ほど大きいといえる。

●カムデータの読み方

上で述べたようにカムシャフトのカム山はエンジンの性能
性格を決める重要な要素である。
そのカムのデータの意味を知れば
そのカムがどのような狙いのカムかが想像できる。

まず、カムのバルブのタイミングとは「開閉時期」のことで
吸気バルブでも排気バルブでも、高速回転型はバルブ開の時期が早くなり
バルブ閉の時期は遅くなる。
このことは作用角(開いている期間)が大きいことでもある。
したがって、この値をノーマルカムの値と比べると
その性能、性格が見えてくる。
(たとえば「12/59」は吸気が上死点前12度開、下死点後50度閉を表わす。)

リフト量(押す量)は大きければバルブを大きく押し下げるので大きく開口し
吸気が流入しやすくなり、トルクの増大が期待できる。
ただしリフトが大きすぎるとバルブジャンプするなど副作用もでるので
その対策のチューニングも必要になる。

カムプロフィールはカムの形状そのもので
急速に開けるか滑らかに開けるかの違いがある。
素早く開けるほうが理論的には良いが
バルブジャンプやストレスが大きくなり磨耗が早まるといったリスクがある。
これらを知った上で選ぶとよい。

インジェクション用のスポーツカム
広いパワーバンドで乗りやすい
ケントはカムシャフトをはじめバルブ駆動系パーツでヨーロッパのトップメーカー。
ミニの世界でも旧くから知られているが
F1やWRCでも信頼を得ている。
そのケントがインジェクション用に出したのがMD274MB。
ハイリフトでパワーバンドも1000〜6000rpmと広く
低い回転域からトルクが出て、高回転まで良く回る。
バルブタイミングデータ:12/59、69/25、中心角112°

 

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