ミニは本当にサビやすい?

「ミニはサビやすい」と言われるけれど、その原因は大きく分けて2つある。
1つは、ミニの構造に起因するサビやすさだ。
ミニは設計当時、合理的な生産方式を実現するため
かなり大胆な構造が採用された。
ボディパネルの継ぎ目を外側に露出させ、スポット溶接の手間を大幅に軽減している。

そのため、どうしてもルーフ回りやボディパネルの接合付近に水が溜まりやすいこともあって
サビが発生しやすいのだ。さらに鉄板の防錆処理も
昔ながらの方法なので製法からもサビに弱い。
それに加えてもう一つの理由として
’97年以降の高年式のミニの方が防錆処理がいい加減で
十分な対策が施されていないことがある。
ドアの裏側やダッシュボードの裏側は塗装されていない部分があるミニも存在する。

そのためドア下などが裏側から錆びて徐々に内部まで進行し
腐食が鉄板の反対側にまで達して膨らみ
表の塗装面を持ち上げてしまうことも珍しくない。

サビを防ぐには雨など水分に濡らさないことが一番だが
実際に乗り回していればそれは不可能に近い。
であれば、対策は2つ。
水に濡れたら、なるべく早く乾かしてやること。
ドア回りの水分は、ドアをバンバン開閉して、締める時の室内の圧力で追い出してやろう。

もう一つは錆び止め剤などのケミカルでサビを防ぐこと。
ボディ外板へのワックスがけなどは
塗装を保護する効果は高いが見えない部分からのサビの発生を防ぐことはできない。
ドアの裏側やボディの接合日など水が溜まりやすいところに
水置換タイプの防錆潤滑剤をスプレーしたり
錆び止め剤でコーティングしてやる対策法だ。
錆び止めによるコーティングは
事前にサビや油分の除去など下地作りをしっかりと行なう必要があるため
ちょっとハードルが高い。
ドアトリムを外して、下地作りができるようになったらチャレンジしたいメニューだ。

純正カラーをラインナップスプレー塗料&タッチアップペン
せっかくきれいに洗車してもキズがひとつあるだけで愛車の外観は損なわれてしまう。
そればかりか、クルマにとって大敵のサビの原因にもなるから困ったものだ。
大きな損傷はプロの板金・塗装にまかせなければならないが
ある程度リペアすることはビギナーでも可能だ。
そこで役に立つのがミニの純正色をそろえたペイント。
小振りの筆で塗るタッチアップペンタイプから
広範囲の塗装も可能なスプレータイプまで揃っている。
イザという時のために自分のミニのカラーの塗料をストックしておきたい。

キズのリペア
1/塗装表面の深いキズでも、
凹みがない線状のキズならタッチアップペイントで補修するだけで
ほとんど目立たなくなる。補修部分の油分や汚れを取り除いた後
ペイントを良く振って混ぜ、付属の筆に含ませてから少し乾燥させて粘度を高めてから
キズの上に置くように塗っていく。

2/少し盛り上がる程度に塗ったら、丸一日以上乾燥させる。
そのままでもいいが、塗装面との継ぎ目が気になるようなら
コンパウンドをウエスに付けて磨いてやる。
一ヶ所だけ磨きすぎるとムラになるので注意しよう。

3/広い面積でキズや凹みがあるようなら、さらに本格的な補修が必要だ。
パテを盛る必要がある場合は、
凹み周辺の塗装を300〜500番くらいのサンドペーパーで足付けしてからパテを盛り
あて板をした300番のサンドペーパーで周囲と平らになるように削る。

4/表面が整ったら、大きめに周囲をマスキングしてサフェーサーをスプレーする
(写真はドアパネル単体を利用した作業見本なので、マスキングはナシ)。
十分に乾燥させるため、次の作業までは一日以上開けること。

5/500番〜600番程度のサンドペーパーで表面が滑らかになるまで研ぐ。
耐水ペーパーを使った方がペーパーの目は詰まらないが水分が入るので、さらに1日以上乾燥させる。

6/ボディと同色のスプレーでペイントする。
一度に厚く塗らず、何度か分けて塗り、最後に垂れないように気を付けて艶が出るように吹く。
缶スプレーは50度程度の湯で暖めて圧力を上げるといい。
旧塗装と色の差があるならボカシ剤を使う。
耐油性を高めるためにも後日、二液性のクリアを仕上げに吹いてやるといい。

7/数日経って塗装が十分に硬化したら、コンパウンドなどで磨き込む。
周囲の塗装と違和感が少なくなれば出来上がり。
力を入れ過ぎないことと、一方向にばかり磨き込まないこと。
色んな角度から見て、確認しながら作業しよう。