クルマの中で作る電気を作る

 

イグニッションの項でも書いたように
クルマにとって電気は第2のエネルギー。
電気自動車じゃなくても、電気が無ければ走れない。
その電気を作っているのが発電機である。

ミニに限らずクルマの発電機は
オルタネーターと呼ばれる交流式の発電機が搭載されている。
実は’60年代のビンテージミニなど昔のクルマには
ダイナモと呼ばれる直流式発電機が搭載されていたのだが
ダイナモは回転数によって発電量が大きく変わるため
低回転域では発電量が少ないという問題があったのだ。
そこで発電量の調整が利き
低回転域から発電量を稼げるオルタネーターが主流になったのである。

オルタネーターの基本的な構造はモーターと同じだ。
中心にコイルを巻いたローターがあり
その周囲もコイルが囲んでいる。
回転するローターに少し電気を送ることで
電磁石のような効果を生んで発電するのだ。
この電気を送る量を調整することで
低回転時や電力消費量の大きな時には
よりたくさん発電できるようになっている。

そんなオルタネーターにも消耗していく部品はある。
ローターを支えるベアリングや電気を
ローターと出し入れするブラシ
電圧を調整するボルテージレギュレーターなどは
走行しているうちに劣化して
やがて交換が必要になる。
さらにオルタネーターを駆動するベルトも消耗品だ。

ベアリングがダメになってくると
走行中にウィーンとノイズが出始める。
ブラシの磨耗が極限になれば発電しなくなるし
レギュレーターがパンクすれば電気の流れはストップする。
10万km前後でオルタネーターもオーバーホールが必要な機械なのである。

走行中にバッテリーのマークのチャージランプが点灯したら
それはオルタネーターの発電が不足しているというサイン。
その状態でバッテリーの電力がカラになったら
エンジンもストップしてしまう。
日頃からバッテリーの充電量を見ることは
実はオルタネーターのコンディションもチェック出来る点検なのである。

 

ベルトのチェックと調整(〜’96年モデル)

1/写真はクーラーの付いていない仕様。
ベルトの中心部を指で押して
12〜13mmくらいたわむくらいが丁度いい張り具合。
緩いとベルトが外れることもある

2/ベルトの張りを調整する場合、
オルタネーターを固定している
上部の2箇所のボルトナットを緩める

 

3/次に下側を固定しているステーのボルトを緩める。
これでベルトのテンションはなくなってオルタネータは動かせるようになる

 

4/オルタネーターとエンジンの間にバールなどを入れて
オルタネーターを持ち上げるようにしてベルトを張る。
丁度いい張り具合にした状態で
下側のステーのボルトを締める。
その後、バールを抜いて
上側のボルト2本をしっかりと締め付ければ完了だ

5/クーラー付きのミニの場合は
コンプレッサーとオルタネーターだけを
短いベルトで回しているが、調整方法は基本的に同じだ

6/クランクとウォーターポンプ
コンプレッサーを回している長いベルトは
コンプレッサーの下にあるテンションプーリーで張りを調整する。
テンションプーリーの中心のボルトを緩め、
下のアジャスターでプーリーの位置をズラすのだ