ROVER MINI CAB COOPER MkI style
細部に至るまでMkIの仕様が再現された外装に、ワークスマシンを思わせる、機能美を兼ね備えたメーターまわり。
この洗練されたスタイリングは、オーナーの持田孝良さんが、テムズガレージ埼玉店で作り上げたという。
インタビュアーによれば、持田さんが愛車について語るとき、あまり強いこだわりをもっていないかのような口ぶりだったとのことだが、
「結果として、統一感があるかっこいいミニになっているところがスゴい」と、同店・矢代店長を唸らせてしまったというから、持田さんがミニへの深い理解と、抜群のセンスを秘めているのは間違い無いだろう。
持田さんが愛車を初めて手にしたのは、発売から1年半経ったころ。当時BRGだったボディカラーはサーフブルーを経て、現在のOEWに塗り替えたという。
「サーフブルーのときは、当時の純正色になかった色だから選んだんだけどね。その半年後にヘリテイジモデルが発売したから「なんだよ、やられた!」って、ちょっと悔しかった(笑)。しばらくして、またオールペンを考えはじめたときに、今度は白がいいなって思ったんだよ」。
MkIを目指したきっかけは、後輩から譲り受けたMkIテールだったという持田さん。もともとはあまり深く考えていなかったとのことではあるが、本来のMkIに習って、Bピラー上部とドアステップの継ぎ目をスムージングしているほか、ドリップレールもMkIのものに変更したりと、徹底的に作りこまれている。
MkIテールも、オリジナルさながらに取り付け箇が盛り上がるよう、再整形したという。
オーバーフェンダーは、ボンレーシング製の7Jミグリアタイプをセット。持田さんによれば、もともとイメージにはなかったとのことだが、ケントガレージ製チンスポイラーとの合わせ技で、非常に精悍な雰囲気を演出している。
レーシースタイルではおなじみのツインタンク仕様。多くの場合はダミーガスキャップを取り付けているだけだが、持田さんの愛車はキチンとタンクを装備している。
テムズ製メーターボックスに各種メーターやランプ類が整然と並ぶインパネは、まさに壮観のひとこと。
持田さんのイメージにあったメーターでレイアウトされたとのことで、タコメーターは希少なスミス∅100に、油圧警告灯は大きなオレンジランプをチョイス。
さらに、ボックス右上には、夜間の視認性を高めるためにパネルライトをセットしている。
レカロシート背面にはネットで購入したスケルトンのステッカーを貼り付けることで、遊び心とスパルタンな印象を演出している。
1293ccにボアアップされたエンジンは、ヘッド面研とポート研磨で圧縮が高められており、ロッカーにはダブルバルブスプリングを使用。
さらに、キャブレターにはウェーバー40を搭載しているほか、ミッションケースにピックアップパイプが取り付けられているというから、高回転域での走行にあわせた使用であることが推測できる。
クラシカルなイメージとスポーティなシルエットが見事に調和したスタイリングに、走りを意識したセッティングを見事に合わせられた1台なのだ。
photo=naoki yukioka
interviewer=yuta miyaguchi
text=ken nakajima
special thanks=テムズガレージ埼玉店 http://www.thames.jp