ミニのほとんどの車輛に中古車購入でもハイローキットがあらかじめ装着されている場合がほとんどだと思います。
特にオートマティック車はフロントヘビーでラバーコーンがつぶれてアンダーガードまでわずかなクリアランスのまま走っている場合が多く、たぶん車検でフロントだけハイローキットの装着を勧められてつけてるはずです。
今回、かなり以前にフロントだけハイローキットの入れられた車輛の修理がありましたので、気を付けておきたいポイントをお話しておきます。
実際にオーナー自身が作業を行う場合のポイントで、プロならあったりまえの内容です。
リアのハイロー化には、助手席側の場合、フューエルタンクをトランク内にずらさないとショックを外すことが出来ないため、ガソリンをタンクから抜けるだけ抜いて軽くしてから作業します。
タンクを外して、いざショックを止めているナットを外そうとするとショックが供回りしてナットを外せないことがほとんどです。
簡単な対処法として、97以降のファンベルトのようなリブベルトがあれば、カットしてショックの裏側を通します。
次に21mmくらいのメガネレンチにベルトを通します。
ナットを緩めた際にショックが供回りする方向にテンションが掛かるようにレンチを支えてショックがベルトに絡むように力が掛かると供回りを抑えてナットを緩めることが出来ます。取り付けの際は同じことの逆を行わなくともナットは締まります。
ショックが外れてリアスイングアームが下がったらラバコンやサスペンションコーンが外せます。コーンにラバコンがしっかり食いついて外せない場合は、コーンを再利用しない場合は、のこぎり等でコーンに切り目を入れてハンマーで叩いてコーンを折ってしまうのが手取り早い方法です。
フロントサスペンションに関しては、元々ハイローは付いていましたが、ナックルジョイントのブーツが割れていました。
今回はコイルサスペンション化の作業なので、アッパーアームを外さないとラバーコーンはサブフレーム内から取り出せないのですが、今後車検でナックルジョイントのブーツ交換のためにアッパーアームを外さなくてもハイローとナックルジョイントが分離できるようにしておきます。
こういう状態だと、一般にハイローを縮めてもナックルジョイントは外れません。例外的に、今ついているラバーコーンがすごくつぶれている場合は外せるかもしれませんが、あまり期待できません。
そこで、なんですが、
二つのハイローユニットは同じものですが、フロント用に使うのは左側です。
確度を変えて写すと分かります。
左側は右に対して少し高さが短くなっています。つまり、最も長さを詰めた状態にすると、リバウンドバッファーを外してロアアームを下げた状態にすればナックルジョイントがサブフレームから取り出すことが出来ます。
使用する新しいラバコンやコイルスプリングの長さを考慮してハイローを加工して全長を縮めます。
ラバコンを取り出すためにはアッパーアームを外す必要があります。
その際にアーム左右につく輪っか状のブーツを必ず交換してください。
ほとんどの場合、劣化して切れかかっています。ここも車検でチェックされる個所なので(陸事の検査員さんはよく知っています)この機会に必ず新しくしておいてください。
コイルサスペンションにした場合、フロントサブフレームのラバコンが収まっていた場所にコイルサスが収まっても、写真のようにコイルの外径がラバコンのそれより小さい為、ハイローを延ばしながらコイルにテンションを掛けて受け皿の中心にしっかり収まっているように確認して、それから地上に下ろします。ラバコンの場合でもきちっと収まっていないのに荷重をかけてサブフレーム内の受けを変形させているものがあるので、ここは慎重に作業します。
取付作業を終えた状態で綺麗な部品に油汚れや指紋が残らないようにきれいにふき取って終了です。