曽根です。
4年前に福岡県のご兄弟から譲ってもらってそのままエンジンかけずに置いてあるMINIを復活させたい・・・と神奈川県のMED様からご依頼いただきました。。。
4年休眠ですから車検も任意保険もありません。
早起きして積載車で引取り便です。。
途中にマグロやシラスのお店がたくさん並んでました。。。
穏やかな海は最高ですねー。。。
もうすぐです・・・
着きました。。目の前に大きな船。。
MED様 おはようございます。。。
福岡からは大阪までフェリーでそこからご自宅まで走ってきたそうです。
ギヤを入れた時にタイムラグがあったような記憶がある・・・とのこと。
でも大阪から走ってこれたってことですね。。
いろいろやろうと思ったとのことで椅子は外してありました。。
持ってきたのは車検のあった平成31年。。
それから4年エンジン掛けてないからいきなりバッテリー繋いでセル回すってわけにはいきません。
目の前が海だからでしょうか・・・錆は少々あります。
ラジエターキャップを開けると水はなく中のパイプが見えます。。。
水漏れかオーバーヒートだったのか・・・
4年間エンジンかけてないのでコンバーター内の3リットルのオイルがミッションケースに落ちてレベルゲージはアッパーレベルよりかなり高いところにあります。。。
この状態だとコンバーター内が空っぽなのでエンジン掛かったとしてもすぐにギヤを入れるとオイルラインに空気が入りエアガンのようにピストンシールをスッ飛ばしてしまいます。。
オイルポンプで汲み上げてコンバーターが満タンになるまでの暖機運転が必要です。
あれ・・・ブレーキフルードも空っぽ。べダルはスコスコです。
大阪から帰って来た時にはブレーキが効いたんでしょうがギリギリのすれすれの危機一髪。。
ウインチで引き上げて積載に積み込み・・お手伝いしてもらってます。
積込み完了。。
まだ福岡ナンバー付いてるので一旦抹消して
横浜ナンバーで新規登録する方が自動車税が少なくて済みますね。
では、お預かりさせていただきます。
休眠車は総リフレッシュが必要になると思います。。。
福岡から神奈川まで来て復活を待ってたMINIですから蘇らせてあげたいですね。。
左ドア下の錆は持ってきた時もあったそうです。。
内外装の仕上げは・・まずは元気に走れるようになってからですね。
キャメルオートに到着。。
ブレーキが効かないのでウインチを伸ばしながらゆっくり降ろして手押しでピットまで入れました
先ずはエンジン蘇生からやってみます。
フロントメンバーも錆がありますが
これも元気に走れるようになってから直しましょう。。
ブーリーも錆が出てるので復活してからもしばらくはベルトの伸びと消耗が早いです。。
交換できるプーリは変えたいところです。
クランクプーリーはハーモニックバランサーにするのが良いですね。。
エンジン蘇生するのにオイルをたっぷり注ごうとフィラーキャップを開けると・・・
キャップが溶けてます。。
溶けた樹脂がロッカーの上で固まってます・・・・
強烈にオーバーヒートしたようです。。
大阪から自走で来た時、だいぶ危ない状態だったように思います
ロッカーやピストンをオイルで馴染ませるように多めのオイルを用意します
ロッカーが浸かるくらいオイルを入れます。。
更にレベルゲージでは増えました。。
クーラントは600㏄くらい入りました。。。
空っぽではなかったのが救われます。
プラグ孔からも少量のオイルを垂らしました。。
プラグコードは交換が必要ですね。。。
最初は点火させずに何回かに分けてセルを回してクランキングしてオイルを馴染ませてから・・・・
プラグコードを付けてエンジン始動。。。
ボボボ・・・とゆっくりと白煙を吹きながらエンジン掛かりました。
オイル下がりとプラグ孔からのオイルが燃えての白煙です。
15分ほどエンジンを掛けてからレベルゲージを見ると空洞だったコンバーターにオイルが入った分が下がってます。
オイルの気泡も見えないのでギヤを入れて大丈夫な状態になりました。。
ギヤを入れるのは後にして・・先にミニモニでECUチェックします
フォルト5連発。。。
水温センサーと
吸気温センサー
MAPセンサー
スロットルポジションセンサー・・・
それとクランク角センサーの5つがフォルト。。
過去のセンサー交換時などに入ってリセットしてないということもあります。
一旦フォルトを消して再発するものをチェックします
吸気温センサーはリセットできませんでした。。。
センサー不良や断線の可能性もあります
マルチ画面での数値はすべて基準値内です。。
左上から ● クランク角センサー(エンジン回転) ● アイドル認識OK ● 燃調補正OK
左下から ● スロットルポジション電圧 ● ストットルバルブをコントとロールするステップモーター
エンジンの負荷をECUに伝える重要なMAPセンサー・・
正常値です。
水温センサーは84℃を指してますが実温と比較して精査するスリーチェックお勧めです。
古くなると高温側がボケてきます。・・
フォルトが消えなかった吸気温センサーは
フェイルセーフ値の35℃固定になってますね。。
ま・・だいたい35℃前後で大まかは大丈夫かと思います
電圧はやや低め。。 バッテリーが空っぽなので一生懸命充電してる・・・。
O2センサー稼働してます
O2センサーの情報を元に燃調補正してます。。
ECUデータを見る限りエンジン本体は大丈夫そうです。
電動ファンも回転しました。。。
サーモスタットの密閉、開弁温度なども含めて水路洗浄とスリーチェックはお勧めします
ギヤを入れる前に少しでもブレーキが踏めるようにフルードを入れます。。
ギヤを入れる前にブレーキを踏んだら・・・・・・・
物凄い量の白煙がマフラーから出てきました。。。
ブレーキマスターから大量のフルードがブレーキサーボに吸い込んでしまってます。。
先ずはブレーキマスターを交換してみてブレーキが少しでも効くようにしてからでないとオートマや走行テストができないですね。。
クーラーはファンとサーモアンプの調子が悪いですがが
コンプレッサーはカチッと入って・・
冷気は出てきました。 ファンレジスターとサーモアンプは交換してみましょう
シフトレバーの前を下からヒーターを覗いてみたら・・・
ヒーターコアから大量に漏れた跡。。。
これは交換しないとダメですね・・・
これだけ漏れると冷却水はみるみる減ります。。。
下回りのチェックします。。
車検なのでまずは車高から点検・
最低地上高9㎝あります。。
右足回り。。。
タイヤを揺するとカタカタ・・・
アッパーボールジョイントに大き目なガタがあります
アウターブーツはヒビが深く今にも破れそうです。
ハブベアリングやブレーキもオーバーホールが必要ですから足回りは総リフレッシュしたいです。
アッパーアームの上を覗くとラバコンからコイルサスに変更されてました。。。
コイルサスがズレてしまってます。。
ラバコンに戻すことを是非お勧めします。。。
左足回りは・・
ブーツにヒビは少ないですが白いのはカビみたい??
タイヤを揺すると左右に大きくガタがありました。。。
タイロッドとナイロンベアリング交換が必要です
前後に動く足を支えるテンションブッシュはひび割れです。。
左前ホイールは縁石にでもぶつけた形跡がありました。。
ホイールに傷があるのとタイヤの側面が裂けてます・・・
ミッションケースの右側(ドレンボルト側)のオイル漏れは多いです。
コンバーターシールからですね。。。
コンバーターシール交換はこれはエンジン降ろしての作業になります
安心オートマにすれば必ず交換するシールですのであちこちのオイル漏れも直ります。。
ミッション番号とデフケース番号は同一です。。
オートマ修理するとこの番号が違うことが多いので分解歴がない可能性あります
アンダーガードとミッションが当たってます。。
取り外すと再取付は難しいです。。。
アンダーガードは更に車高が下がって当たりやすくなるのと風が当たりにくくなって油温が下がりにくくなるデメリットあります。。 キャメルオートでは説明したうえで取り外すことをお勧めしてます
オートマの前についてるインヒビタースイッチからもオイル漏れてます
ミッションを後ろから見たところ・・
オイル漏れはありますね。。
左のインナーブーツはタイロッド留めですがミッションケースに接触します。。
オイルが垂れてるのはインナージョイントの裏にあるキックダウンスイッチからです。。
インナージョイントとオートマの隙間から上を覗くと
ラジエターとロアホースが見えますが水漏れの跡があります。
右のインナーブーツからはグリスが漏れて飛んでますね。。。
エンジン降ろすには左右のドライブシャフトを抜くのでオーバーホールするチャンスです。
右のエンジンマウントが潰れてます・・
赤丸のところが潰れたエンジンマウント。。
ダウンパイプは社外品に交換されてました。。
フロアの錆は少なく安心しました
マフラーはステンレスのセンター出し。。
リヤもコイルサスです。。
コイルも車高調整するハイローも錆びてるので交換したいところです
リヤはドラムブレーキです。。
車検ですので必ずオーバーホールする部分ですが錆で固着してそう・・・
ゲイターブーツが破れてます。。
バッテリーケースは錆びてることが多いのですが、しっかりしてました
先ずは初日の点検なのでここまで。。。
ブレーキマスターを交換して止まれるようになってから走ってみます。。。
9/22アズマ追記です
ブレーキマスターを交換しますが、その前にブレーキマスターの中のカップキットを交換します。
古いブレーキマスターを取り外し。
新しいブレーキマスターに交換しました。
ブレーキオイルのエア抜きをしようとしたところブレーキキャリパーのニップル部分が折れてしまいエア抜きできません。
折れてしまったネジなどを外す工具を使いましたが錆びついてしまいビクともしません。ブレーキキャリパーの交換が必要になりそうです。
バッテリーは空なので充電しておきます。
つづく
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