■神奈川の旧車盗難が激増している!
最近の旧車盗難の傾向として知っておいてほしいことがある。それは神奈川県における旧車盗難が激増していることだ。
なぜか今年6月半ば以降、急激に増えている。自動車盗難情報局やSNSで拡散されている事案を拾ってみると、6月半ばからの3ヵ月弱でR32GT-Rや80スープラなど合計13台の盗難報告が上がっている。旧車盗難事件はほとんどなかった神奈川県内で短期間に13台というのは本当に異常事態だ。
筆者が今年6月頃に横浜市内複数の警察署に盗難について確認しているが、いずれの警察署でも「車上荒らしがたまにあるくらいで自動車本体盗難はほとんどない。」と言われたのだが…。
9月12日夜。驚きのニュースが飛び込んできた。神奈川県警が暴力団幹部の男ら2人を窃盗容疑で逮捕したのである。6月頃からスカイラインGTRやスープラなどを狙って20台ほど盗んでいたとみられる。県警では組織的な犯行も視野に事件について詳しく調べを進めている。
なお、神奈川県内では6月以降9月12日までに国産スポーツカー24台が盗まれており被害総額は1億円以上と発表されている。
8月半ばに80スープラを盗まれた横浜市在住の女性Sachikaさんに、盗まれたときの状況を聞いてみた。Sachikaさんは高校生の時からずっとほしかった80スープラを18歳で購入。4年間大切に乗ってきた。
「4年前に200万円くらいで買いました。今はもうそんな値段では買えませんね。2倍以上になっていると思います。セキュリティはVIPERを知り合いから4万円で買って3万円で取り付けてもらったんですが……、実は並行輸入品のためかずっと調子が悪くてこの1年は作動していませんでした。ラフィックスも付けていましたがこれも盗まれた日はハンドルを外していませんでした。直さないとなあと思っていたところで盗難されました」。
なお、Sachikaさんの80スープラはその後、ヤフオクで一部のパーツが販売されていることがわかった。
本人しかわからない複数の傷などがすべて一致。しかし、警察に伝えても「車体番号やシリアル番頭などで確実にあなたのものであるという証拠がないと難しい」と言われてそのままに……。
Sachikaさんの例に限らず盗難されてバラされた部品をサイトで見つけてもオークション運営会社の協力を得るのは困難でヤフオクやメルカリなどは「盗難車の温床」となっているのが現状だ。
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最後に。自動車盗難の検挙率は認知件数に反比例するといっていい。2022年1~7月の認知件数は19.1%増加したが検挙率は同時期で37.5%。
前年同期の検挙率57.0%に比べると-19.5%である。認知件数が増えた分ほぼそのまま、検挙率が下がっている。地域別にみても盗難が多い関東、東海地方の検挙率は20~30%だが盗難が少ない(年間20台以下)四国・九州地方は平均すると80~100%以上である。
要するに盗難件数に対して自動車盗難の捜査に関わる警察の数が足りていれば検挙率も高くなるといえる。オーナーの自衛も重要だが、警察の頑張りにもおおいに期待したい!
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