スタッドレスに交換しようかな、っと…
訳あってしばらく手元からミニが離れて、代車生活。その次第の顛末はまた追って報告しよう。で、復調して戻ってきたクルマを見ていたら、スタッドレスタイヤに交換しておこうかなぁ、と。まぁ、何事も思いつき優先である。PCに向かって眉間に皺を寄せて原稿を書いているくらいなら、日中の明るいうちはクルマいじりタイム。原稿なんぞは夜中に書けば良いのだ(酒飲んで眠くならなければ……)。
というわけで、スタッドレスタイヤの新調は先送りにして、物置に仕舞ってあった冬タイヤセットを引っ張り出して装着することにした。記憶している限りでは、2015年の年の初めに交換したタイヤ。ヨコハマから提供を受けてレポートに使った製品だ。2000年代はスタッドレスタイヤの性能が猛烈に進化した。アイスバーンからさらに厳しいブラックバーンがドライバーを悩ませたからだ。そうして、スタッドレスタイヤは国内で独自の変遷を辿るのである。まぁ、冬タイヤの世界でもニッポンはガラパゴスなのだ。
冬季のカナダに取材に行ったときに街ゆくクルマ達は普通のタイヤを使っていた。さすがに街を離れるとスノータイヤを使っているようだったけれども、市街地はいわゆる夏タイヤだ。正直、真冬のカナダだぞッ、と理解不能状態。訊けば、気温が強烈に低いから降った雪がタイヤで踏んでも溶けない。要するに砂みたいなものだ。風が吹けば飛んでしまうから積もらない。なるほどなぁ、であった。それでも昨今の地球温暖化は、カナダのタイヤ事情にも影響しているのだろうか……。
話を戻す。氷上性能が優秀なのは褒められたことだから、ジャパニーズ・スタッドレスはユーザーとしては諸手を挙げて歓迎である。たしか「乾いた氷は滑らない…」といったのはアイスガード登場のキャッチフレーズだったような気がする。さて、装着するタイヤ。5年前の時点でヨコハマのスタッドレスシリーズの5世代目になる製品、性能的には日本の環境にさらに適応したものというのが当時のふれ込みだ。以降、これまでの期間は他のスタッドレスタイヤも使っていたから当該タイヤの摩耗は問題ないレベルで、トレッドのパターンはしっかり残っている。今となっては少々古いタイヤになってしまうけれども、コンパウンドの経年劣化は首都圏を中心に走るのであれば遜色はないだろうとの判断である。来年に向けて、降雪情報を気にしながら使うことにする。で、装着の準備をしていてちょっとびっくり。生産年週を見たら、なんと2009年45週だった。無償提供を受けていていうのもなんだが「あれぇ、もしかしたら一世代前のものを送ってきたのか……」である。要するに、前言の5世代目の下りは少々偽りありだ……。当時はそう思って記事にしていた、ご容赦である。というわけで、10年もののタイヤ……、見た目ほぼ新品なので、良しとする。
久しぶりに自宅駐車場でタイヤ交換…
ガレージジャッキを何年かぶりに引きずり出した。これまではクルマをいじる場所があったから自宅駐車場で作業することなどほとんどなかったのだ。オイルをぶちまけた一件以降、ミニをメインテナンスしている機会が否応なしに増えた。平日の昼間にミニいじりである。リタイヤしたと思ってもらえればありがたいのだが、最近、ご近所の目がどうにも厳しく感じられるのである。
もうひとつ厄介なのが駐車場が水平でないこと。道路に向けて傾斜しているので始末が悪い。傾斜が緩いところは砂利引き、コンクリートでたたいてあるところは傾斜がかなりキツい。排水勾配などというなま易しいものではないのだ。しかし、ジャッキアップを伴う作業はコンクリートの上じゃないとあんばいが悪いので、ミニがずっこけないように注意を払わなければいけないのだ。まぁ、過去にスタンド四本で上げて転ばしたことはないので大丈夫だとは思うけれど……、久しぶりの作業は少々緊張した。
スペースと作業の効率を考えると、作業するタイヤによってクルマの前後を入れ替えるのが得策。もちろん、撮影するにもその方が都合が良い。まずは駐車場に頭から突っ込んで、後ろのロードホイール交換から。ギアボックスを1000cc時代のものに換えているので、パーキングポジションがない。両側の前輪に輪留めをしっかりと噛ませてからジャッキアップだ。うかつに上げると、タイヤが地面を離れた瞬間にジャッキごとズルズルと道路に出てきてしまうのだ。いやぁ、むかしの作業状況をイロイロと思い出してきた。
スタッドレスタイヤは純正のエイトスポーク・アルミホイールに装着してある。が、物置でホイールナットが見つからなかった。夏タイヤに使っているホイールはコスミックタイプ。球面ナットなので互換性がない。希望はテーパーワッシャの純正ホイールナットが欲しかったのだが、今となっては揃えるのも困難。というわけで、事前に一体型のホイールナットを一台分調達してきた。そんなに気にするほどのことではないのかも知れないが、純正アルミホイールにはスチールのテーパーブッシングが挿入されていない。アルミ剥き出しのテーパーをナットでゴリゴリ擦るのがどうにもいただけないのである。現実的には全く問題ないことは分かっているのだが、純正信奉が変なところに残ってしまっている……。アンチ・シーズのコンパウンドをグリグリ塗りつけたのはいうまでもない。
ついでにリアブレーキ調整なんぞを…
スタッドレスタイヤの装着で、タイヤシリーズはひと段落。気が付いたことがあったら、追々報告しよう。今最大の懸案事項は、スタッドレスタイヤを新調するか否か、である。タイヤを発注するなら東北のタイヤ屋さんと決めている。ことの真偽は定かではないけれども、冬の走行環境が厳しい地方は先行して開発が進められ、次期モデルのスタディが行われるということ、そして、東北地方では雪国に特化したスペシャルなコンパウンドが用いられるということを聞いたことがある。仮にそれが真実だとしても、首都圏をメインに走る自分のクルマにどれだけのメリットがあるのかは分からない。むしろ、デメリットかも知れない……、が、三つ子の魂ナントヤラ、である。スタッドレスのオーダーは東北のショップに限る。
今回の作業でロードホイールを外したので、ブレーキを含む足廻りのチェックも行った。車検時の整備からひと月程度なので、ザックリ視認チェックにとどまったけれども、リアブレーキは3ヶ月を経過したので調整である。サイドブレーキのストロークが長くなってきたこともあるので、少しストローク少ないんじゃない……、というくらい締め込んだ。フットブレーキのストロークやフィーリングがあきらかに変わるので、リアブレーキの調整は好きなメインテナンスである。個人的な好みは“引きずり気味”……。毎度思うことなんだが、ブレーキの剛性感、つまりカチッとした踏み心地を得るためのチューンアップをしたいと常々思っている。ブレーキが良く効くことよりも、剛性感のあるブレーキフィールの方が重要だと固く信じているのである。参考になるご意見を頂戴できれば嬉しいな。
次回はエンジンが不調でピットインしていたこと、そして微妙なオイル漏れについてお話ししようかな、と。ま、あくまで予定ですから、ほどほどのご期待で……。
田代(G)基晴
10月号より本誌編集長:ミニより1歳年下の1960年生まれ。ミニ・フリーク誌のスタートからどっぷりミニ漬けの人生。現在はフリーランスの写真家、編集者として活動。趣味の伝道師を目指し、日々精進している…