長年のメインテナンス・サボリを一気に解消しようと目論む今回の車検整備。ボク自身ではどこが悪いと特定できないのだけれども、調子が良い状態ではないのは確かだ。目立つところのエンジンルームの騒音と排気漏れが片付いた後は、志田兄弟のスキルにすがるしかないのである。
で、志田(兄)の見立てではまず、「火花が飛ばない時があるようです…。原因になりそうな箇所が多数あるのでひとつずつ補修していきます」とのこと。点火系統なので、当然電気に関するチェックだ。素人にわかメカニックが苦手とする分野……。作業は配線や部品のチェック、端子クリーニングや交換。結果的にヒューズボックス、イグニッションコイル、バッテリを交換。コイルの電源に割り込ませている昇圧装置はカプラの差し替えで直ちにバイパスできるようにしてあった。ん〜、志田兄弟的にはボルテージアップは賛成していないようだなぁ……。
次にECUのチェック。昨今はエンドユーザーでもECUの状態をモニタできるので、そのコンディションがよろしくないのは薄々気付いていたのだが、見なかったフリを決め込んでしまった。それを白日のもとに晒すときが来た……、というわけだ。
フィードバックにフォルトが発覚し、不具合補修のためにO2センサーを交換することになった。が、先ず問題になったのが従来のラムダセンサがエキゾーストマニフォールドから外れない。「強力頑固ッ」だったそうだ。せっかくダウンパイプを装着したのにマニフォールドをいったん外しての作業。「強力外れないので……、こちらも強力な対応で」って、キャッスルナットが溶接されたセンサの残骸に壮絶な作業が容易に想像できる。ボクのせいじゃないとは思うけれど、すみません……。
交換後のチェックでも数値が改善されないようで、結果に満足できずに診断が続く。「当初O2センサーは中古の良さそうな物に交換し治らず……。新品に交換しても治らず……。ECU、配線などをチェックしまくり。それでも問題は見つからないので、もう一度O2センサーを新品(メーカー違い)に交換して……、ようやく復旧しました」ですと。そんなこともあるのだなぁ、と。これもボクのせいじゃないとは思うけれど、すみませんです……。
消耗品のフューエルフィルタやステディロッドブッシュなども交換。フューエルフィルタのホルダがサビサビなのにはビックリ。まぁ、融雪剤の影響はボディに穴が開くくらいの惨事だから、むしろ当然か……。ラックエンドのブーツが破けていたので交換。同時にステアリングラック・ブッシュも交換した。ひととおり、きっちり診てもらったので安心して出張に行けるというものだ。
「エンジンマネージメントの不安」と、できれば「電装系全般の不具合確認をしたい」といった最初の希望は達成。もう充分な状態だったのだけれど“優先順位は低いですよ”といっておいた「パワーステアリング」と「クォータウィンドウ電動オープナー」もメインテナンスしてくれた。感謝感謝である。パワーステアリングの点検結果はヒューズ切れ。ヒューズのホルダも破損していたのでごっそり交換して復旧。クォーターウィンドウ電動オープナーは片側だけ作動しなくなっていた。装着したモーターが燃料タンクに隠れるので、そのままにしていたもの。タンクを外して配線やモーター、各部チェックで異常は見つからず、スイッチ不良が濃厚になった。「スイッチの内部抵抗が増えてる様子でした。交換部品がないので接点復活剤を注して、今のところ動くようになってます」とのこと。原因はゴミか水分か……。スイッチボックスを上向きでフロアに設置しているのが要因なのだろうか。中立固定3ポジションの6極ロッカースイッチなど、ミニの車輌では使わないからなぁ。予備部品を調達しておこう、防水仕様があればベストだなぁ。
といった次第で車検のタイミングに合わせた一気整備、志田兄弟にはずいぶんと頑張っていただいた。受け取った後、助手席に乗った嫁が「静かになったし軽やかに走ってるねぇ」と気が付くほど。いやぁ、これは嬉しい。誌面ではエラそうなことをいっているものの『日々のメインテナンス欠かすべからず』痛感である。
田代(G)基晴
10月号より本誌編集長:ミニより1歳年下の1960年生まれ。ミニ・フリーク誌のスタートからどっぷりミニ漬けの人生。現在はフリーランスの写真家、編集者として活動。趣味の伝道師を目指し、日々精進している…