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オリジナルピストン組み込み後1000Kmの慣らしを行って頂き
筑波サーキット(本コース)20分×2本
その後一般道路で約200Km
12/9袖ケ浦のレース
この日トラブルが発生してしまいました。

筑波サーキットの走行会を無事に走り終えたこともあり
万全と考えていただけにその場ではかなりのショックを受けていました。
この時は先ずピストンを疑いました。
メーカー指定クリアランスで組んだとはいえ
自分としては今までの経験の中では最も狭いクリアランスだった為です。

しかし分解して不調の原因はヘッドにあった事が判りました。

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エキゾーストバルブが熱で変形していました。

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傘の部分が垂れ下がりバルブクリアランスも0以下となり、
バルブが完全に閉じないという状態でした。

2016年10月に作ったヘッドなのですが
使用したバルブは純正タイプ
今回以前よりパワーも上がったため熱にも強いコンペティションタイプへ
変えようかと思います。
またバルブシートの当たり幅も見直し密着性をやや犠牲にした
放熱性を上げるセッティングにします。

そして肝心の腰下部分の状態ですが、

メーカーの情報通り素晴らしい状態でした。

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ピストンのコーティング(オートフィットコート)は全て残っています。

さらに驚く事にコーティング部分で摩耗している部分はスカート部分の
一番下側部分だけでその他の部分はほぼ新品時と同じ寸法を維持していました。

スカートの下側分も摩耗ではなく馴染みの結果と言えます。
そもそも、ここの部分の組付け時クリアランスは5/1000
今回の測定値は2/100
この結果は今までの自分の常識を覆しました。

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今までもクリアランスはきっともっと詰められると考えてはきましたが
自動車メーカーが設計したブロックとピストンの組み合わせでしか
結局は実現できるものではないと諦めていました。
ブロックの材質・強度・熱の影響に最適な相手となるピストン
これまた材質うんぬんを膨大な時間とコストを掛けて初めて
狭いクリアランス設定が出来ると考えていたからです。

しかし今回ワイセコのオートフィットコートが自分の悩みを
解決してくれました。
ピストン本体は言わば汎用材質。
バイクにも使用している材質です。
ただバイクと車ではピストンのボア×ストロークも違えば
ボアピッチも違うしブロックの材質も。
さらにMINIはオフセットコンロッドを使う無理な設計
MINIはMINIだけのピストンの動き方があり
その動きに合ったピストンの形というのが
厳密にはあると考えています。
オートフィットコートは
個々のエンジン用に最適な形状を作り出す為に
も考えられていると聞いていましたが
今回の結果からも実際に感じる事が出来ました。

あとは先に話したブロックの材質とピストンの材質の相性の問題
これも合わないと感じるピストンが多いのですが
潤滑性も備えたコーティングのお陰でシリンダー側も守ってくれている事が確認できました。

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組立時の仕上げ寸法71.00㎜にシリンダーゲージをセット

計測の様子を解りやすい感じで動画撮影してみました。↓

結果
4か所全てほぼ摩耗無しというレベルでした。(動画では肝心な縦方法のみの撮影ですした)

ピストンリングの張力も弱めの物を使っていますので
コーティングが残っている限りシリンダーの摩耗は今後も起きずらいと
考えています。

MINIのエンジンを長持ちさせる為に作ったピストンです。

エンジン分解時純正ピストンがどうしても再使用出来ない時は、
こちらのピストンを是非使用して頂きたいと
強く願っています。

商品ページ

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投稿者: Stock Vintage

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