この1年で、インジェクションミニ用のパーツが次々に欠品化しています。
世界的に見ても現状で日本がミニの台数でトップのはずです。
特に92年以降のインジェクションエンジンは日本がダントツ。
より良い状態を保つためにも、20年30年前の売れ残りパーツに頼るようなことには見切りをつけて
どんどん日本製に切り替えてゆくべきです。
そういった背景があって、現在製作中の部品があるわけですが
車はボルト1本、ナット1個が欠けても作業が進みません。
ですから、どんなに魅力的なパーツがあっても小さな欠品があれば、その存在すら危うくなります。
日本人気質として、無粋な流用やその場しのぎの部品選択は好まれませんが
ミニユーザーの多くは見た目に気を取られて無頓着な人が多いのが実際
連日の暑さにエンジンが突然冷却水を漏らすケースにサーモスタット周りがあります。
皆さんのサーモスタット周辺は、こんな感じのものが多いんじゃありませんか?
ボルトは錆びて、ラジエーター取り付けのポイントが固着から折れてしまったり
既に部品は経年劣化の限界を超えています。
例えば、サーモハウジングのサンドイッチプレート
先日上がってきた弊社試作品と現行品では、ブロックとの合わせ面にこれだけ面積の差があります。
これじゃガスケットにシールを塗っても漏れるはずです。
ところが問題が一つあって、写真のスタッドが部品として設定されていません。
これがないとラジエーターステーの取付が出来ませんし、錆びて肉の痩せたスタッドを使い続けることになります。
受け側がアルミ合金なので、ネジ山が”並目”という荒い目じゃないとオーバートルクで舐めてしまいます。
又、スタッドをボルトに変えるのも受け側がアルミ合金である以上、耐久性に問題が出ます。
そこで
写真のような短いスタッド、それも上部は細目、下部は並目の物を作る必要があります。
スタッドは5/16UNCですから、並目のものはほぼありません。
ここまでセットで用意しないと、きれいに削り出した部品も生かせない事情があります。
特注になりますが、コスト的に5/16UNCで作るのが無理でも、本体そのものを自社製作しているので
M8で1.25mmピッチに置き換えることも出来ます。
いずれにしてもこのように短く、ピッチが変わる部分の”首”状の部分が短いスタッドはヘッドのエキマニのスタッドくらいしか存在しないので特注対応になります。※エキマニのスタッドは細目なのでアルミ合金には使えません。
ここまでやらないと手にしたユーザーは途方に暮れることになりますし
DIYも出来ませんよね。
とにかく弊社で作ればサーモスタット周囲から冷却水の漏れを一掃できます。
ガスケット?普通の安いもので全く大丈夫、合わせ面の出来が違いますから。